ブリティッシュ・コロンビア州クリスティ・クラーク州首相の移動費が5年間で50万ドル以上に達していることが2月27日、明らかになった。フリーランスジャーナリストのボブ・マッキン氏が調べて公表した。

 移動費は、クラーク州首相の選挙区である同州ケローナ市とバンクーバーとの移動に主にかかった費用で、定期便だけではなくチャーター機も多く利用していたことが要因と指摘している。

 クラーク州首相事務所は、なるべく定期便を利用しているが、州首相の時間的な制限の都合もありチャーター機を利用することもある。ただ、その場合は料金がなるべく定期便に近いものを利用していると説明した。

 クラーク州首相がケローナ市を選挙区としているのは、2013年の選挙で自身の選挙区ポイントグレイで落選し、当選確実な選挙区での補欠選挙当選を狙うためケローナの選挙区に当選した議員に辞職を促した後、補欠選挙で当選したことが要因となっている。

 野党新民主党(NDP)マイク・ファーンウォース議員は、その交通費は別に使われるべきと主張。自身の交通費は50万ドル以上も費やし、同時期に身体障害者への交通費補助を削減しているのは信じがたいと批判した。この件について来週からの議会で追及するとも語った。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州北西部で開発が計画されている液化天然ガス(LNG)事業で、またも休止が発表された。

 休止を発表したのは、カナダのアルタガス社が率いるダグラス・チャンネルLNG共同事業。アルタガス社は2月26日、市場状況が悪いためこれ以上の開発を休止すると発表した。

 ダグラス・チャンネルは、日本の出光興産、フランスのEDFトレーディング、ベルギーのエクスマーの4社による共同事業で、2015年末までに最終投資決定をする予定だった。

 しかし、天然ガスの価格は原油価格の急落と共に急降下、多くの事業で見直しが行われている。BC州のLNG事業では先月、シェルカナダが最終投資決定を今春から今年末に延長した。

 BC州リッチ・コールマン天然ガス開発相は、今回の発表はそれほどBC州のLNG産業に大きな影響は与えないと語った。ダグラス・チャンネルは、年間輸出量24億立方メートルとLNG事業の中では最小規模となっている。一方シェルは、年間330億立方メートルを計画している。

 

 RBCが発表した住宅に関する報告書ハウジング・トレンド&アフォーダビリティで、平均的一般世帯ではバンクーバーで一軒家を購入するのは、ほぼ不可能と報告した。

 バンクーバーの場合、昨年の可処分所得に占める、住宅ローン、税金、光熱費を含む住宅関連費用の割合は109パーセント。住宅費用が所得を上回っている。つまり一般世帯が一軒家を購入することは不可能。報告書では「住宅購入の不可能性はすでに危険水域」と表現している。今後もバンクーバーでは、住宅購入能力はますます下がっていくと報告している。

 トロントも状況は同じ。ただ、可処分所得に占める割合は71・4パーセントとバンクーバーよりもやや低いが、やはり「危険水域に近い」と報告した。

 調査対象となった14都市では、この2都市を除いてはほぼ安定している。「ほとんどの市場では住宅価格は緩やかに上昇。所得が安定的に増えれば住宅購入能力は改善される」と報告した。

 他の都市で可処分所得に対する住宅関連費用率が高かったのは、ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアで52・3パーセント、ケベック州モントリオールで42・8パーセント。その他は30パーセント台だった。原油価格の下落で州経済が大きく傾いているアルバータ州カルガリーやエドモントンは、今回の調査では30パーセント台を保っていたものの、今後住宅価格が下落すれば住宅購入能力が上がる可能性は大きい。

 

 バンクーバーの連邦裁判所は2月24日、薬用マリファナの使用を認められている患者が自宅でマリファナを栽培することを認める判断を下した。

 2013年、前保守党政権は薬用目的によるマリファナに関する法令を施行し、薬用マリファナが必要な患者は認可されている製造者から購入することを義務付け、自宅での栽培を禁じた。

 これに対しブリティッシュ・コロンビア州の3患者が、既製品の購入はあまりにも高額すぎて治療として服用する量を購入することができないため、個人の治療する権利を奪うとして権利の憲章に反する憲法違反と訴えた。

 この日の判決は、この訴えを認めたことになる。マイケル・フェラン裁判長は、保守党政権が導入した法令は権利の憲章に反するため、政府にそれを強制する権利はないとの判断を示した。ただ、この判断に対し6カ月の猶予期間を設け、その間に連邦政府が新規則を示すよう求めた。

 今回の判決は薬用マリファナ使用患者に対してのみで、それ以外の娯楽用使用者には適用されない。自由党は選挙戦で娯楽用も含めたマリファナの合法化を目指すと公約していた。これについては現在のところ、自由党政権は何の動きも示しておらず、今後が注目される。

 

 ケベック州モントリオールに隣接するラバル市の会社経営者が、採用候補者の面接をコーヒーショップで行っていたところ、警察に通報された。

 マクター・ムバエさんが採用候補者と市内のティムホートンズで面接を開始して間もなく、2人の警察官が彼に話を聞きたいと近づいてきた。さらに応援の警察官2人も駆けつけるという、ものものしい状況になった。

 警察官がムバエさんに職務質問するきっかけとなったのは、警察に寄せられた一本の電話だった。いわく、黒人男性が白人女性の面接をコーヒーショップで行なっているが、どうも売春組織らしい、というものだった。

 人種問題について市民のストレスや不満が高まっているのでは、と警察ではみている。

 人種問題の専門家フォ・ニエミさんは、若い黒人男性イコール犯罪者といったステレオタイプ的な偏見は不安をあおり、思いもしない結果を引き起こすこともあるので気をつけなければならないと、取材にコメントしていた。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。