2018年7月26日 第30号

 キャンプ用品を全て車につめて、キャンプサイトまで乗り付けるお手軽な「カー・キャンプ」が大嫌いだという夫。彼の中では、キャンプをするなら、バックカントリーだというこだわりがある。だから我が家では、家族揃って一度もキャンプをしたことがなかった。このまま子供が成長するまでキャンプはおあずけというのも悲しい。こうなったら、頑固者の夫は家に置いてカーキャンプをしよう!そう思い立ち、夏休みが始まる前からちょびちょびとキャンプ用品を揃え、初心者にオススメのキャンプ場情報を集め、「家族向けに最適だ」というキャンプ場を予約することにした。

 私が選んだのは、オンタリオ州立公園が管理するボンシエアーキャンプ場。州の管理するキャンプサイトは、ほとんどのところが一晩40ドルと、エコノミカルだ。しかも綺麗に管理されているという。途中、家に帰りたくなった時のことも考えて、自宅から車で2時間以内(200キロ圏内)の近場を選んだ。

 幸運なことに、湖に面したキャンプサイトをゲットした。カヌーやカヤックをサイトに停めて、ビーチに行けるというのも魅力的だ。準備をひとり着実に進めていると、友人一家も行きたいと言い出した。どうやら、彼女一家も、キャンプ初心者で、夫がキャンプ嫌いだという。結局、我が夫も行くことになり、当日は、お天気にも恵まれ、2家族揃ってキャンプ場へ行くことになった。

 2家族いるので、食事も効率よく担当制にした。キャンプ初心者が準備する食事は面白い。朝食を担当した友人一家は、準備自体が面倒だという理由で、キャンプ場に行く道中にスーパーに寄って、大量に美味しそうなものを買ってきた。車の中から、スーパーの袋が、ドンドコと登場してきたのが、私のイメージする野外キャンプからあまりにもかけ離れていたので、反対に新鮮だった。キャンプに行くこと自体が嬉しかった私は、夕飯を担当したのだけど、準備も楽しく、前日に完璧に済ませていた。

 夕飯は、大量の蚊に刺されながら、みんなでワイワイと楽しんだ。キャンプファイアーを囲んで、今度はマシュマロを焦がしながらスモアを作る。気がつくと夜の11時。シーンと静まる真っ暗な森の中、聞こえるのは、野生動物の鳴き声と、私たちの笑い声…。小さな子供達がいるので家族向けの静かなキャンプ場を選んだのに関わらず、当の本人が大騒ぎ。周りに他のキャンパーがいることをすっかり忘れ、夜中まで喋りこんでしまった。そして次のミス。ここ最近オタワでは30度前後の真夏日和が続いていたので、薄いブランケットを3枚だけ持ってきた。でもこの日に限って、夜中は10度まで冷え込み、寒い!「寒くて寝れない」という子供達を温めながら、ほとんど寝ずに翌日を迎えた。しかも夫にはブランケットすらない。

 早朝。友人一家が、賑やかに我が家のテントに「朝ごはんの時間だ!」と起こしにきた。朝8時だというのに、すでにテンションが高い。このテンションの高さが我が家にも蔓延し、宴会のような朝食の後は、湖でカヌーをしたり泳いだりと、気がついたら夕方になっていた。大人たちも子供たちも、まるで修学旅行のような盛り上がりようだ。

 カーキャンプ初心者の私たち2家族は、あまりにも楽しいひと時を過ごせたので、オタワに戻りたくないほど。翌週は、また別のキャンプ場へ挑戦することに。あー思い切ってカーキャンプを強行してよかった。何度も夫陣から「ありがとう」と感謝され良い気分に浸りながら、今年の夏はどうやらキャンプ三昧になりそうだ。

 


■小倉マコ プロフィール
カナダ在住ライター。新聞記者を始め、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。 
ブログ: http://makoogura.blog.fc2.com 

 

 

 

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