カナダ統計局は11日、2月の失業率が前月に比べ0・1パーセント悪化し、7・3パーセントになったと発表した。2013年3月以来、約3年ぶりの悪化。失業者数は2300人で、専門家の予想9千人の就業者数増を大きく下回った。

 失業者数は5万1800人がフルタイム。ただ、パートタイムで4万9500人の就業者数増加で相殺された。業種別では、サービス業が最も失業者数が多く、4万4500人。教育、ヘルスケア、社会扶助が含まれる。天然資源産業も8900人だった。建設業では3万4千人就業者数が増加した。民間企業で1万5千人の就業者増、一方で公的機関では2万400人の失業者数となった。

 地域別では、失業者数はサスカチワンが最も多く7800人。失業率も前月より0・3パーセント上昇し5・9パーセントとなった。それでも全国で最も低い。ニューブランズウィック州では5700人。失業率も9・9パーセントまで上がった。一方、就業者数が増えたのはブリティッシュ・コロンビア州で1万4100人。ただ失業率は6・6パーセントと変わらなかった。

 原油価格急落の影響が最も大きいアルバータ州では、就業者数1400人増だったものの労働市場参加者が増加したため、2月の失業率は前月より0・5パーセント上昇し7・9パーセントまで悪化した。この数字はケベック州の7・6パーセントを超える。アルバータ州が失業率でケベック州より高くなるのは約30年ぶり。アルバータ州の過去最悪は1995年8月の8・2パーセント。

 失業率は東海岸州で高く、ニューファンドランド&ラブラドール州ではやや改善したものの依然14・1パーセントと高く、プリンスエドワード島州でも11・0パーセントと前月に比べ1・5パーセント悪化し、2桁台に突入した。ノバスコシア州でも9・1パーセントとなっている。

 

System.String[]

 カナダ銀行は9日、翌日物金利を0・5パーセントのまま据え置くと発表した。今月22日に連邦政府が発表する来年度予算案を待って次の金融政策を決めるとしている。

 今回の金利据え置きは予想範囲内だったため、市場が大きく反応することはなかったが、カナダドルは直後から1セント近く対米ドルで上昇した。

 カナダ銀行は昨年2回にわたり各0・25パーセント金利引き下げを行った。原油価格の急激な下落によるカナダ経済の悪化を考慮したもので、昨年7月に引き下げて以来0・5パーセントを維持している。

 この日は、今後について原油価格の低水準は継続すると予想されるが、アメリカ経済が好調さを取り戻しつつあり、不安定要素は軽減されつつあるとの見通しを語り、金利のさらなる引き下げに踏み切るかは言及しなかった。ただ専門家は、次の発表でさらに引き下げる可能性は十分にあると語る。

 まずは連邦政府の予算案を待ち、どういった経済政策を打ち出すのか静観する構え。連邦政府は来年度予算案でかなりの赤字予算になることがすでに示唆されており、カナダ銀行の動きに注目が集まる。

 

System.String[]

 国連が発表している世界ハッピーな国レポートで、2016年の1位はデンマークとなった。今月20日の世界ハピネスデーに合わせ、16日に発表された。

 156カ国を対象にした調査で、1人当たりの国内総生産(GDP)、健康寿命、社会支援、政治的安定、人生選択の自由度、寛大さ、幸せの不公平さなどの項目で順位を決定する。

 2位はスイス、3位はアイスランド、4位ノルウェー、5位フィンランド、6位にカナダが入った。昨年の5位から一つランクを落とした。アメリカは13位、日本は53位だった。

 

System.String[]

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー空港に到着した中国からの乗客が、はしかに感染しているおそれがあると、当局が発表した。

 この乗客は、中国・北京から中国国際航空991便で3日午前9時30分頃バンクーバー国際空港に到着したが、その後はしかの症状が現れた。また機内で感染した可能性があるという。

 バンクーバー・コースタル保健局では、この便の乗客、またこの時間帯に空港の国際線到着ロビーに居合わせた利用客に対し、はしかの予防接種が有効かどうか確認するよう呼びかけている。

 はしかの症状は、熱、せき、鼻水、結膜炎などかぜの症状に似ているが、やがて赤い発疹が全身に広がる。空気感染力が極めて強い上に死に至る危険性があるため、はしかの恐れを疑い受診する場合は、待合室での感染を避ける準備を医療機関が行えるよう、事前にその旨を伝えて予約を取ってほしいと保健局ではアドバイスしている。

 

System.String[]

 ブリティッシュ・コロンビア州サレーの母親が、三女を失ったその日に四女を出産し、複雑な心境を吐露している。

 ミーガン・カルボネットさんは3日朝、いつもと同じように夫をスカイトレイン駅に送ったあと、学校へ行く支度をさせるために、3人の娘―シアンちゃん(7歳)、アビガイルちゃん(5歳)、そして14カ月になるサラちゃんの部屋に入って行った。

 川の字になって寝ていた3人姉妹の真ん中で、サラちゃんは眠っているように見えたが、どんなに揺すっても彼女は目を覚まさなかった。泣き叫ぶカルボネットさんの声を聞きつけて、同居している義母と義妹が部屋に駆け込み、彼女をサラちゃんから引き離すとともに、義妹が救急隊員の到着まで心臓マッサージを続けた。

 病院に搬送されたものの、サラちゃんが息を吹き返すことはなかった。カルボネットさんはのちに、サラちゃんは寝ている間にすでに死亡していたと考えられると告げられた。

 幼い我が子の突然の死にショックを受けたカルボネットさん、その日行われた警察の現場検証の最中に、今度は陣痛が彼女を襲った。彼女は妊娠33週目だったが、数日前から陣痛が始まり、それを抑える薬を服用していた。

 最初は我が子を失ったことによる苦しみかと思っていたと、カルボネットさんは取材に語っている。しかし警察官にサラちゃんが寝ていたベッドを見せるために子供部屋に入ったところ、激しい陣痛に襲われた。

 そして同じ日の午後9時ごろ、四女のジッポラちゃんを予定より6週間早く出産した。ジッポラちゃんは最初の2週間は保育器の中で育てられることになるが、今のところ異常は見つかっていないという。

 わずか12時間のうちに我が子の死と誕生を目の当たりにしたカルボネットさんは、サラちゃんのために喪に服すべき自分と、生まれたばかりのジッポラちゃんを愛でたい自分の間を揺れ動いていると語っている。

 ジッポラちゃんにとって、これから毎年自分の誕生日と姉の命日を同時に迎えるというのは、彼女にとって残酷だとも話すカルボネットさん。また7歳と5歳の娘らが、いつものように自分たちの横に寝ていたサラちゃんが死んでいたことを、どう受け止めるのかも気にかかると話している。

 そうした境遇にありながらも、カルボネットさんは幼児の原因不明死(Sudden Unexplained Death in Childhood(SUDC))について多くの人に知ってもらおうと、自らの体験を話している。1歳未満の乳児が突然死亡する乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome(SIDC))に対し、SUDCは12カ月を過ぎた幼児の死因が、検視を行っても特定できない場合を指す。

 カルボネットさんは、1歳を過ぎ歩くこともしゃべることもできるようになった子供がSUDCに襲われるとは夢にも思っていなかったと語っている。SIDCに比べると事例は少ないものの、SUDC基金によるとアメリカでは2014年に、202人の1歳から4歳までの幼児がSUDCで死亡したとみられている。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。