2017年8月10日 第31号

 おいしくて、眺めが良く、値段もまあまあ、ある日そんな素敵なレストランでのミーティングに参加した。帰路途中3カ所に立ち寄り用事を済ませ、40分の運転で帰宅。こんなに動ける78歳に心から感謝。

 ところで今日のミーティングでのお客様、その人がこう言った。「人間には第6感がある。しかし、実は第7感と第8感もある。心に強ーく何かを感じると、それは第8感まで通じてそこに記録され、一度第8感に記録されると、その良し悪しを問わず、何かのきっかけで呼び戻されることがある」。だから「良いことを記録しなさいよ」ということなのだろうか。笑顔で「前向きな人生を生きる模範」のようなその人に、私たち女性企業家たちが企画した20周年記念講演会をお願いしている。彼女は執筆家でもあり、ものを書く時にその過去の記録係り『第8感』から智恵が出されてくるみたいだと言った。話を聴きながらふっと周りをみると、この会合の出席者全員、あえて言えばこの老婆を除いて、その講演者に負けないくらい前向きな人生を生きている人たちなのだよねぇ。

 老婆は40分の帰路の中、車を運転しながらずっと考えた。会員は全員女性、その誰もが企業家としての成功者。その時、その人たち一人一人の人に対する接し方を思い浮かべた。そうだよなぁ、とにかく皆が誠実だしよく気付く。優しく、笑顔とユーモア、行動力がある。何より感心するのは誰も「えばらない」んだよなぁ。そんなことって仕事に関係ない?、とんでもない、大いに関係ありですよ。彼女たちと一緒に歩いていると、白髪の老婆に「お手洗いはあちらよ」、「階段、注意してね」、そして階段では誰かが手も貸してくれ、難聴の私の隣席者に聞けば何度でも繰り返し説明してくれる。驚いたのは老婆の後ろを歩いた人が、よたよた歩く老婆が物を落とすと拾ってくれ、スカーフを引きずっているとか教えてくれる。老婆は彼女たちのさりげない心遣いに気付いた。成功する人は違う!

 この年になってもね、老婆はこの会で学ぶことばかり。だから欠席しない。人生、奥が深いねぇ。成功する人って、目の数が多いのかなぁ。「心の目」があるのかもしれないね。どんな小さなことにも気付く人たちなのだよ。そして、全ての物事がより良くなるよう、常に見て行動している。すでに財力ある成功者もいるが、老婆の言う成功者とはその両面、特に人格面を重視した成功者だ。きっと彼女たちは誇らしく働き、単なる自己顕示欲的な優越感、周りの評価からの満足感、自分は他と違うという特別意識(差別意識)、結果によって作り上げられた自信などによる表面的なプライドではなく、仕事に信念を持って日々働き続けることで生まれるうれしさ、清々しさ、歓び、安定感、使命感、未来への確信…。きっとそれらが彼女たちの誇らしさとなっているのだろうかねぇ? このところ、『帝国ホテルで学んだ無限リピート接客術』という本を何回も読んでみた。これもまた、学びの宝庫だった。当たり前のようだがなかなかできない、山ほどの、心明るくなる智恵が書かれていた。40年前にこれを読んでいたらよかったなぁ。  

 ところでもう一つ、その講演者は「自分の人生を振り返ると、いつも周りに自分より一歩上の人たちがいた」と述べた。彼女は常に学ぶ姿勢の人なのだろう。だから「自分より一歩上の人」が居たのだと思う。そうして心の成長を促された結果、今の彼女があるのだろうか?多額の金を諸団体に寄付しているのに、スーパーでの安売りにも心が惹かれると言った。またオペラの本を2作自費出版し、その1作目は数年前の『般若』。偶然友人が貸してくれたので読んだ。良かった、本当に良かった。ある男女2人の超独特な恋とその結末が、愛ある目で描かれている。オペラ好きな彼女は、さらに『般若』をオペラにしたかったそうだ。最近では、日系文化センター・博物館の売店で『やまばと』という彼女の著作本が売られていて、売上金は日系会センターへ寄付されるそうだ。「ものすっごく、いい!」と聞いたので、早速買って読んだ。読んだあとしばらく、老婆の心はほのぼのと温かーくなっていた。そのはずだ。掲載人物全員が戦争や複雑な家族関係などの苦労を乗り越え、常に愛ある生き方をしている。そして今日、その本の著者は言った。「小説に掲載した人は全部良い人ばかりにした」。(老婆に言わせると、人間として生きるのに何が一番大切かを知っている人たちばかりが描かれているということだ。本当に読後感が気持ちいい)。

  思い返すと、その講演者は2015年3月に、バンクーバーオペラで上演可能なストーリーについて『オペラトーク』で話したことがある。彼女の話と歌声に観客全員が手拍子で応援する一幕があるほど会場は熱気に包まれた。その時彼女は「人は40年生きれば、顔にその人の歴史が見える」と言い、孫文と梅谷庄吉の友情について語った。それは「Dr. Sun Yat-Sen」のストーリー、中国と日本の友情の証だ。

 老婆は78年生きた。私の顔ってぇ!? ああ、恥ずかしい。

許 澄子

 

 

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