2018年8月2日 第31号

 予定日がだんだんと近づいて来ると、「私にうめるのかなー」「陣痛っていつから始まるのかなー」「陣痛ってどれぐらい痛いのかなー」「帝王切開の方が楽なのかなー」「赤ちゃんって苦しくなったりしないのかなー」「わたしの赤ちゃん、チャンと生まれてきてくれるかなー」・・・・・様々な思いが頭の中を駆け巡ってはまた元に戻って同じことを考え始める・・・繰り返し、繰り返し・・・・多くの方が経験する事でしかも最も頻度の高い心配事です。貴女ひとりが悩んでいる事ではありません。むしろ全ての妊婦さんが同じ事で悩み、心配していることなのです。ママと同じ生命を持って、ママが新しい生命を育んで、これからママが新しい生命、大切な生命を迎えようとしているのです。だから心配して、思いやって、不安に苛まれて心が落ち着かなくて、居ても立ってもいられないのでしょう。

 でも、夢にまで見た赤ちゃんにもうすぐ会えるのです。不安と期待の入り混じった複雑な感情が沸き立っても何も不思議はありません。だからこそ“生命の誕生!”なのです。だからこそ“この上なく貴重!”なのです。そうは言ってもやはり不安な事は紛れもない事実です。でもその不安の対象を少しでも知っていれば不安な感情は癒され、むしろ勇気すら湧いてきて前向きになる事も確かです。

 分娩については多くの雑誌や専門誌に詳しく記載が為されていますので紙面の都合も有り詳細はそちらに譲らせて戴きますが、最大の関心事はいつ、どんな形でお産が始まるのかと言う事かと思います。少しだけ硬い言葉が続きますがチョッと我慢して読んでみて下さい。決して難しくありませんから!・・・

 妊娠10ヶ月目に入りますと(36 週頃)不規則にお腹が張り始めます(妊娠陣痛とも言う)。これは子宮の出口を成熟させるのに有効だと言われています。この“張り”によってゆっくり、時間をかけて子宮の出口は刺激を受けて次第に軟らかくなってきます。厚みのあった子宮の出口も次第に薄くなってきます。もしも陣痛が来ても子宮の出口が硬くて、その上分厚ければ赤ちゃんの頭はかなり強い力で圧迫されることになりますし産婦さんは長い時間陣痛に耐えなければなりません。これらの条件を緩和する為にも子宮の出口は軟らかくて薄いほうが分娩には有利な条件と言えるでしょう。ですからこれから迎える赤ちゃんの為にも妊婦さんの為にも有利な状態を築き上げる時期に相当します。

 この不規則なお腹の張る感じから規則正しく(通常10 分間隔で3 回続けて発来した時点を陣痛開始としています)だんだんと強い陣痛に変化して分娩陣痛と呼ばれる陣痛に移行します。いわゆるお産が始まった状態です。一般的に初産婦では陣痛初発から赤ちゃんが産まれるまで10 時間前後と言われています。ここで気になってくるのが陣痛の強さかと思います。痛みに強い人とか痛みに弱い人とか言われますが分娩の経過が順調であれば気にする必要は有りません。充分耐えられる事ですから!先祖伝来世界各地で行われている事です。みんな一人残らず不安と期待の入り混じった状態で赤ちゃんを迎えるのです。無我夢中で何がなんだか分からないうちに、一生懸命一生懸命力の限りできる力を振り絞ったら、大きな声でちからイッパイの声で返事を返してくれた!!この一瞬のこの大きな感動を一生涯忘れる事は絶対に有りえません。この充実した、これ以上の喜びは決して有りません。まさに至福の喜びに震える事でしょう。

 待ちに待った赤ちゃんに会える日が間近にせまってきました。幸せを運んでくれるかけがえのない新しい生命の誕生です!!ママ似かな!それともパパ似かな!キット、キット、ママにもパパにも似てるよねッ!

 


杉原 義信(すぎはら よしのぶ)

1948年横浜市生まれ。名古屋市立大学卒業後慶応大学病院、東海大学病院、東海大学大磯病院を経て、杉原産婦人科医院を開設。 妊娠・出産や婦人科疾患を主体に地域医療に従事。2009年1月、大自然に抱かれたカナダ・バンクーバーに遊学。

 

 

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