国際女性デーの8日、ジャスティン・トルドー首相は次の機会にはカナダ紙幣に女性の肖像画を採用すると発表した。「2018年に予定されている次回の紙幣印刷で女性の肖像画を採用する」と語った。

 国際女性デーのこの日からカナダ銀行は国民から紙幣肖像画に相応しいカナダ人女性の候補の募集を始めるという。4月15日までカナダ銀行のウェブサイトからできる。ただし採用されるのは、実在した人物で1991年4月15日以前に亡くなっていることが条件。同銀行はどの紙幣に採用するかは明らかにしていない。

 建国から150年近くも経って、エリザベス女王以外の女性が一度も紙幣の肖像画に採用されていないのは明らかに時代遅れと、記者会見に同席したビル・モルノー財務相も語った。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市は、使用されていない鉄道敷地の買収でカナディアン・パシフィック鉄道と合意に達したと、7日発表した。

 対象となるのは、ミルトン通りから1番アベニューまでを南北に延びるアービュタス線の敷地で、総延長約9キロメートル、面積は42エーカーで、買収額は5500万ドル。

 鉄道輸送には全く使われていなかったこの敷地は、4年以上市と鉄道会社の間で買収交渉が続けられてきたが、双方の折り合いがつかず合意点を見出すことはできなかった。さらに、2014年夏には鉄道会社が敷地内に作られていた市民菜園を一方的に撤去、この問題がにわかに脚光を浴びることとなった。

 バンクーバー市市長グレガー・ロバートソン氏は、今回の合意は歴史的なものと評価、市はこの敷地をフォールス・クリーク地区からマーポール地区までを結ぶ市民のための徒歩・自転車専用道路(グリーンウェイ)の整備に取り掛かるとしている。その手始めとして、アービュタス・グリーンウェイ・プロジェクト・オフィスを設置、同グリーンウェイのデザイン・プロセスを監督するとともに、最終デザイン案に対する市民からの意見を受け付けることにしている。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州アボッツフォード空港に拠点を置く、航空消火活動専門の航空会社コンエアーが、パイロット・トレーニングの効率化のためにシミュレーターを導入、山火事シミュレーションおよびトレーニング・センターを開設すると発表した。

 トレーニング・センターの開発は、日本航空や全日空をはじめとする世界中の航空会社のほか、軍も訓練用に採用しているシミュレーターの最大手、カナダのCAE社が担当する。

 このシミュレーターは、同社が運用するアブロ・RJ85型機の操縦のみならず、山火事の状況なども正確に再現することができる、フル・モーション・タイプのシミュレーター。

 今まではシミュレーター訓練のため、パイロットをスイスまで派遣していた。

 同航空会社は、特に危険が伴う航空消火活動を、このトレーニング・センターの安全な環境で実戦さながらに再現することで、同社のみならずカナダ中の航空消火活動に従事するパイロットの技量を高めることができるとし、その中心となる施設がここBC州にできることを誇りに思うとコメントしている。

 同トレーニング・センターは、2017年夏には稼動開始を目指している。

 

 トロント動物園で誕生した双子のパンダの名前が決定、7日ジャスティン・トルドー首相とオンタリオ州キャサリン・ウィン州首相同席で公表された。

 2頭の名前は、頭文字にカナダの加を付け、オスが加盼盼(発音:ジア・パンパン、意味:カナダの希望)とメスが加悦悦(ジア・ユエユエ、カナダの喜び)と付けられた。

 双子は生後約6カ月。トルドー首相は2頭を両腕に抱きかかえ、満面の笑みを見せた。

 トロント動物園ではベビーブームが続いている。双子のパンダが生まれたのは昨年10月。その数週間前にはホワイトライオンの赤ちゃんが4頭、11月には北極熊の赤ちゃん2頭、先月にはインドサイが1頭生まれている。

 

 ノバスコシア州ハリファックス港で3日、エンジンの試運転を行っていたフリゲート艦ビレ・ドゥ・ケベックで、4基あるディーゼルエンジンの1基から出火したが、すぐに消火された。

 ディーゼルエンジン自身は鋼鉄製の隔壁で被われているが、そこに備え付けられた視認窓から出火が確認され、操作員がすぐに消火スプリンクラーを作動させ鎮火させた。現場に居合わせた3人の作業員は煙を吸い込んだ恐れもあるため、予防措置的に病院で検査を受けた。

 また出火当時、船には200人ほどの乗組員がいたが、行方不明者などトラブルはなく、海軍ドックの消防隊が鎮火の確認を行った。

 大西洋方面海上軍では、現在出火の原因と被害の程度を調査している。同艦は昨年12月に装備の近代化作業を終えたばかりで、乗組員の慣熟訓練と装備のテストが行われていた。

 

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