最近アメリカで行われた手洗いについての行動アンケートによると、約60パーセントの人が公衆トイレの個室を使用後、水を流すためのレバーを手ではなく、足を使って押すことがわかった。

 この結果についてブリティッシュ・コロンビア州大学の微生物学および免疫学の教授ボブ・ハンコックさんは、「その必要はない」とメディアの取材に答えている。

 ハンコックさんによれば、レバーなどを操作することで手に着く菌などは、最後にちゃんとした手洗いをすることで落とすことができるほか、多くの人が心配する下痢を引き起こす病原体は、手に付着した程度の数では下痢を引き起こすことはなく、それが皮膚上で繁殖する必要があるという。その場合でも、トイレから出る際に手を洗うことでその危険性をなくすことができると、ハンコックさん。

 「それより私が心配するのは、こんなに多くの人が汚い靴をレバーに押し当てているということ。ひょっとしたら次は私が使うかも知れないのだから、ぜひともこういう習慣は水に流してほしい」と、ハンコックさんは冗談交じりに話していた。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州の女性が、自分が遭ったようなオンライン詐欺に合わないよう、ペット愛好家に呼びかけている。

 BC州内陸部の人口千人に満たない町、108マイル・ランチに住むステファニー・キルブレスさんは、彼女と彼女の息子、そして友人のために犬を探していた。

 そしてキルブレスさんはオンライン掲示板で、2匹のブルドッグと一匹のマルチーズの広告を見つけた。広告主は、ノバスコシア州ハリファックスに住むブリーダーとなっていた。その広告には、最近娘を亡くしたので、これらの犬の良い引き取り先を探しているとあった。ただし、そのためには犬の輸送費800ドルがかかるとあった。

 最初、これが詐欺だとは気づかなかったとキルブレスさんは取材に語っている。彼女はブルドックのライブ映像も見たほか、必要書類も見ることができた。電子為替で送金後、ブリーダーからは犬を飛行機に乗せた、そちらには午後2時に配達予定だと返事があったという。

 しかし到着予定の2時間前、キルブレスさんはブリーダーから次のようなテキストを受け取った。いわく犬はエドモントン空港まで来たものの、係員からペット保険の1700ドルと犬用ケージの費用160ドルの支払いを要求されている…。

 この段階でおかしいと思ったキルブレスさんは確認の電話を入れ、空港に犬などいないことを知った。

 消費者を悪質なビジネスから守るための環境作りなどを推し進める非営利団体、ベター・ビジネス・ビューローでは、最近この手のオンライン・ペット販売詐欺被害に遭ったり、もう少しで送金しそうになったりしたという報告を何件か受けているという。

 またこの手の広告では、読むものの涙を誘うようなストーリーが添えられており、仕方なく子犬を無料で手放すことにし、そのかわりに輸送代を払ってほしいと訴えているものが多いと指摘している。

 また万が一の場合に備え、支払いには電子為替ではなく、クレジットカードやオンライン決済システムのペイパルなどを利用するよう呼びかけている。

 また特定の種を探している場合、信頼されているブリーダーを直接訪れて、施設や親犬などをチェックするようアドバイスしている。さらにインターネット上には、かわいい子犬の画像などを大量に載せるなどして、一見まともそうに見せる偽ブリーダーのウェブサイトも多いと、注意を促している。

 そんな詐欺ウェブサイトでは、そこに貼られているソーシャルメディアのアイコンが機能しておらず、連絡が取れないようになっていることが多いという。また掲載されている画像を、検索サイトで逆検索してみるのも有効な方法。あるウェブサイトに載せられていた子犬の画像を検索すると、そこら中のウェブサイトで使いまわしされている画像だということが明かになった。そのウェブサイトでは、この画像に『生後11週』とキャプションがつけられていたが、インターネット上では6カ月も前から出回っていたものだった。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州議会が9日再開し、自由党政権は高騰する不動産問題を最優先事項として取り組むと宣言した。同日、BC州ジュディス・ギチョン副総督が読み上げた自由党政権の政策を示す議会開会の式辞の中で、不動産価格高騰の要因と疑われる不当転売や市が課す不動産売買関連手数料の見直しを進めていくと述べた。

 今回の式辞の中で不当転売が盛り込まれた背景には、6日の全国紙グローバル&メールが、一部の不動産仲介業者と投機家がバンクーバーで不当な転売をしているという内容の記事を掲載。8日にはBC新民主党(NDP)デイビッド・イービー議員が、BC州不動産協議会(RECBC)に不当販売に関する調査を行うよう1月に要請したが、証拠不十分で受理されなかったと記者会見で明らかにしたことがある。記者会見でイービー議員は、この問題に全く無関心なBC州政府を批判。高騰するメトロバンクーバーの不動産で何が起きているのか調査すべきだと語った。さらに、こうした不動産の不当販売が脱税とマネーロンダリングを引き起こしている可能性があることも指摘した。

 同日、RECBCは一転、不当販売に関して調査を開始すると声明を発表。2週間以内に諮問グループを結成し、60日以内に最初の報告書を受け取ると述べた。BC州政府は諮問グループの報告を待ってから必要な措置を取ると語った。

 市の不動産売買関連手数料については、BC州政府は開会の式辞で、住宅購入時に市が課している隠れた手数料などの費用を減らし、費用については透明性を確保するよう市に協力を要請すると語った。

 しかし、これについてはメトロバンクーバーの市長が反論している。バンクーバー市グレゴール・ロバートソン市長は、市が課している手数料がバンクーバーの不動産を高騰させている主要因ではなく、市に責任を押し付けるのはBC州政府の州民の注意を真の要因からそらさせる手段でしかないと批判した。

 クリスティ・クラーク州首相は、市が独自に課すことができる手数料などについて州政府は強制的に停止したりすることはできないと語り、この問題は州政府と市が協力していく必要があると主張した。

 クラーク州首相は先月まで、高騰するバンクーバーの不動産について、州政府が特に手を付けられることはないと語っていた。

 

 ジャスティン・トルドー首相は、10日から2日間の日程でカナダを訪問した国連の潘基文(パンギムン)事務総長と会談。国連でのカナダの役割について話した。

 11日の共同記者会見では、環境問題、国連平和維持軍、難民危機などについて話し合ったと語った。

 今回の藩事務総長のカナダ訪問は、新首相にカナダの国連回帰を促すことが目的。トルドー首相は「国連でのカナダの役割を回復させたい」と以前から表明している。藩事務総長は、トルドー首相の「国連の理想と目的に再び積極的に関わっていく」とする情熱を歓迎すると語った。また、2万5千人のシリア難民の受け入れにも敬意を表した。

 国連への参加については、前スティーブン・ハーパー保守党政権が消極的な姿勢を取っていた。ハーパー首相自身が総会や環境会議を欠席したり、外務相が国連批判をしたりと国連軽視とも取れる行動が目立った。加えて、国連平和維持軍への参加も減少。現在は多い時の30分の1にまで減少している。

 こうした前政権時代の消極的な姿勢から一転、自由党政権は積極的に参加することを表明。特に英仏両語のカナダ軍が国連平和維持軍に貢献できることは大きいと国連側も期待している。

 また、この日トルドー首相は「国連の安全保障理事会に再び挑戦する」ことを宣言。カナダは2010年、ハーパー政権時代に選挙でポルトガルに負けるという失態を犯した。理事会への挑戦は、カナダの国連完全復帰を主張する姿勢となる。

 藩事務総長は、トルドー首相の国連との関係修復を非常に歓迎すると語った。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州議会開会で9日に読み上げられた式辞で、液化天然ガス(LNG)への期待はこれまでとは全く違う姿勢が示された。

 これまでクリスティ・クラーク州首相は、LNGはBC州の経済基盤として長期にわたり州の経済と雇用を支えていく産業と声高に主張していた。2011年には、州政府計画として、州北西部の町キティマットに、最低でも1つのLNGパイプラインとターミナルを2015年までに稼働させ、2020年までには3つを稼働させるとしていた。LNGによる経済効果は雇用だけでも10万人と語り、2013年の州選挙前にも大々的にLNGをアピールした。当時はアルバータ州のオイルサンドのように州経済を長期にわたり潤す存在となると語っていた。

 2013年の選挙で予想に反して自由党が選挙に大勝し、公約通りLNG計画が進むかと思われたが、実際には遅々として進まなかった。LNGに関する規則の制定が予定よりも遅れるなど、州政府の対応の遅さも要因だった。LNG開発計画ではBC州で最大手だったマレーシア国営企業ペトロナス社率いる共同事業体が最終投資決定を延期するなどの要因もあった。

 その後、2014年後半から急速に原油価格が値下がり始め、それに呼応するように天然ガス価格も急落。全世界的に石油や天然ガス開発事業への撤退が始まり、カナダも例外ではなかった。現在、ペトロナスはすでに開発することで一応決定をしているが、環境審査でターミナル建設の認可がまだ下りていない。もう一つの大手、ロイヤル・ダッチ・シェルは、最終投資決定を今年末まで延長すると先月発表した。

 こうした状況の中で読み上げられた開会の式辞。州政府はLNG開発から手を引くことはないと強調しながらも、これまでのような強い口調でLNGを経済基盤としていくとは決して語らなかった。

 BC新民主党(NDP)ジョン・ホーガン党首は、「クラーク州首相は3年前にはLNG産業が10万人の雇用を作り出すと語っていたが、今では1万3000人の雇用を守れるかどうかだと述べている」と語り、クラーク州首相のLNG対する見通しが甘かったことを批判した。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。