ジャスティン・トルドー首相が12日、首相就任100日目を迎えた。昨年10月19日の総選挙で大勝し、自由党を再び政権政党へと導いたトルドー首相。11月4日の就任式から100日目を迎え、各メディアがこれまでのトルドー政権を振り返った。

 この日のトルドー首相はトロントで若者向けの雇用プログラム、カナダ・サマー・ジョブ・プログラムに年間1億1300万ドルを3年間支援すると発表。これにより約7万人の学生の雇用が創出される。

 原油価格急落と共にカナダ経済が落ち込むと若者の雇用が激減。特に夏期休暇を利用して仕事を求める学生の雇用が減少し、学費などを稼ぐ学生に影響が出ている。

 自由党、特にトルドー党首にとって若者へのアピールは重要。昨年の選挙でも、若者の意見に耳を傾け支援を表明することで、かなりの票が集まったとされている。

 若者支援の表明で選挙公約の一つを果たしたことになるが、就任から100日が経ち、多くはまだこれからのものが多い。

 すでに公約を果たしたものには、開かれた政府、半数の女性閣僚の任命、イスラム国への空爆からの撤退、中間層への減税と富裕層への増税などがある。

 現在、進行中の政策には、環境問題への取り組みがある。昨年12月にパリで開かれた国連環境会議に出席したり、州政府との連携を約束したりと、カナダ政府として環境問題に積極的に取り組む姿勢を見せているが、具体策はまだ出ていない。

 実行できなかった公約として、最も注目されたのはシリア難民の受け入れ。昨年末までに2万5000人を受け入れると約束したが、実際には今年2月末までに延長された。

 これから議論が活発になる公約としては、選挙改革、マリファナの合法化、年金問題などで最も注目されるのは3月21日に発表予定の予算案。年間100億ドルの赤字予算を3年間続け、インフラ整備などの経済刺激策を講じ、債務対GDP比を減少させながら、4年目で黒字予算に転換するとしていた予算案は、1年目ですでに100億ドルでは不足することが明らかになり、どのような予算案が発表されるのか注目されている。

 こうしてメディアが首相就任100日目を批評する中、トルドー首相はこの日45分間を費やして、国民からのツイッターの質問に応えた。質問には安全保障や、同性愛者権利、税制、若者の失業率など深刻な問題もあったが、中には、スターウォーズ最新作の感想を聞く質問も。セルフィーにも応じるトルドー首相。この質問にも「面白かった。ジャー・ジャーが出てなくてよかった、そのままの意味でも、隠喩的にもね」と応えた。

 

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