ジャスティン・トルドー首相は、10日から2日間の日程でカナダを訪問した国連の潘基文(パンギムン)事務総長と会談。国連でのカナダの役割について話した。

 11日の共同記者会見では、環境問題、国連平和維持軍、難民危機などについて話し合ったと語った。

 今回の藩事務総長のカナダ訪問は、新首相にカナダの国連回帰を促すことが目的。トルドー首相は「国連でのカナダの役割を回復させたい」と以前から表明している。藩事務総長は、トルドー首相の「国連の理想と目的に再び積極的に関わっていく」とする情熱を歓迎すると語った。また、2万5千人のシリア難民の受け入れにも敬意を表した。

 国連への参加については、前スティーブン・ハーパー保守党政権が消極的な姿勢を取っていた。ハーパー首相自身が総会や環境会議を欠席したり、外務相が国連批判をしたりと国連軽視とも取れる行動が目立った。加えて、国連平和維持軍への参加も減少。現在は多い時の30分の1にまで減少している。

 こうした前政権時代の消極的な姿勢から一転、自由党政権は積極的に参加することを表明。特に英仏両語のカナダ軍が国連平和維持軍に貢献できることは大きいと国連側も期待している。

 また、この日トルドー首相は「国連の安全保障理事会に再び挑戦する」ことを宣言。カナダは2010年、ハーパー政権時代に選挙でポルトガルに負けるという失態を犯した。理事会への挑戦は、カナダの国連完全復帰を主張する姿勢となる。

 藩事務総長は、トルドー首相の国連との関係修復を非常に歓迎すると語った。

 

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