ブリティッシュ・コロンビア州の女性が、自分が遭ったようなオンライン詐欺に合わないよう、ペット愛好家に呼びかけている。

 BC州内陸部の人口千人に満たない町、108マイル・ランチに住むステファニー・キルブレスさんは、彼女と彼女の息子、そして友人のために犬を探していた。

 そしてキルブレスさんはオンライン掲示板で、2匹のブルドッグと一匹のマルチーズの広告を見つけた。広告主は、ノバスコシア州ハリファックスに住むブリーダーとなっていた。その広告には、最近娘を亡くしたので、これらの犬の良い引き取り先を探しているとあった。ただし、そのためには犬の輸送費800ドルがかかるとあった。

 最初、これが詐欺だとは気づかなかったとキルブレスさんは取材に語っている。彼女はブルドックのライブ映像も見たほか、必要書類も見ることができた。電子為替で送金後、ブリーダーからは犬を飛行機に乗せた、そちらには午後2時に配達予定だと返事があったという。

 しかし到着予定の2時間前、キルブレスさんはブリーダーから次のようなテキストを受け取った。いわく犬はエドモントン空港まで来たものの、係員からペット保険の1700ドルと犬用ケージの費用160ドルの支払いを要求されている…。

 この段階でおかしいと思ったキルブレスさんは確認の電話を入れ、空港に犬などいないことを知った。

 消費者を悪質なビジネスから守るための環境作りなどを推し進める非営利団体、ベター・ビジネス・ビューローでは、最近この手のオンライン・ペット販売詐欺被害に遭ったり、もう少しで送金しそうになったりしたという報告を何件か受けているという。

 またこの手の広告では、読むものの涙を誘うようなストーリーが添えられており、仕方なく子犬を無料で手放すことにし、そのかわりに輸送代を払ってほしいと訴えているものが多いと指摘している。

 また万が一の場合に備え、支払いには電子為替ではなく、クレジットカードやオンライン決済システムのペイパルなどを利用するよう呼びかけている。

 また特定の種を探している場合、信頼されているブリーダーを直接訪れて、施設や親犬などをチェックするようアドバイスしている。さらにインターネット上には、かわいい子犬の画像などを大量に載せるなどして、一見まともそうに見せる偽ブリーダーのウェブサイトも多いと、注意を促している。

 そんな詐欺ウェブサイトでは、そこに貼られているソーシャルメディアのアイコンが機能しておらず、連絡が取れないようになっていることが多いという。また掲載されている画像を、検索サイトで逆検索してみるのも有効な方法。あるウェブサイトに載せられていた子犬の画像を検索すると、そこら中のウェブサイトで使いまわしされている画像だということが明かになった。そのウェブサイトでは、この画像に『生後11週』とキャプションがつけられていたが、インターネット上では6カ月も前から出回っていたものだった。

 

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