ジャスティン・トルドー首相は16日、ニューヨークの国連本部で、2021年からの国連非常任理事国入りを目指すことを発表した。

 「カナダがもう一度世界に貢献するために立ち上がる時が来た」と語り、国連のカナダ人職員から拍手を受けた。

 トルドー首相は、カナダのシリア難民の受け入れ、男女同権の推進などの功績を主張した他、国連平和維持活動への積極的な参加を約束した。

 カナダの非常任理事国入りへの挑戦は、先月国連潘基文事務総長がオタワを訪問した時に、トルドー首相がすでに共同記者会見で発表していた。今回のニューヨーク訪問はその実現に向けた第一歩となる。

 カナダが前回非常任理事国となったのは1999/2000年。前保守党政権時代の2010年にもチャンスがあったが、投票で負けが確実になると棄権した。国連非常任理事国は10カ国からなり、地域ごとに議席数が割り当てられている。カナダは西ヨーロッパ・その他の地域に属し、そこから2カ国が交代で議席を得るが、立候補による投票で決められる。カナダは2021年の議席獲得を目指して立候補をするが、現在アイルランド、サンマリノ、ノルウェーがすでに立候補している。

 前日には、パトリシア・ハイデュ女性の地位相が国連女性の地位委員会に立候補を表明。2017年から4年間の任期に立候補する。

 

 カナダ不動産協会は15日、2月の全国住宅価格指標が前年同月比で8・5パーセント上昇、2010年6月以来の上昇幅となったと発表した。また全国平均販売価格は16・4パーセント上昇。ブリティッシュ・コロンビア州とオンタリオ州を除くと1・4パーセント下落と報告した。

 バンクーバーとトロントの2都市は春の住宅販売シーズンに向け相変わらず過熱した状態だが、他の都市は落ち着いていると同協会代表は語った。

 また前日に発表されたテラネット・ナショナルバンクの2月の複合住宅価格指標では前月より0・6パーセント上昇し、同月比上昇幅としては2008、09年景気後退以降、最も大きくなった。前年同月比では6・5パーセント上昇。2012年1月以来の上昇幅となっている。バンクーバーの前月比は3・2パーセントで、全国平均を押し上げている要因と報告している。バンクーバーの価格上昇はこれで14カ月連続。

 バンクーバーでは上昇し続ける住宅価格について、低い金利も要因の一つとみられているが、それ以外に海外資本による住宅買収が高騰の原因ではないのかとの議論が起こっている。

 

 連邦政府は14日、ボンバルディア社への融資について今月22日に発表する予算案の前には発表しないことを明らかにした。

 ケベック州モントリオールに本社を置く航空機メーカー、ボンバルディア社は、中小規模航空機では世界トップレベル。ただ、最近はCシリーズなどの開発の遅れなどで厳しい状況となり、連邦、州政府に支援を求めていた。

 ケベック州政府はすでに10億ドルの支援を発表し、連邦政府にも同様の支援を求めている。

 ボンバルディア社は航空機メーカーとしてはボーイング社、エアバス社に次ぐ規模で、ケベック州の雇用も支えている。連邦政府への支援は前保守党政権時代から求めているもので、昨年11月に政権交代し、自由党政権の判断に注目されている。

 

 連邦政府ジョン・マッカラム移民・難民・市民権相は15日、留学生の永住権取得が今よりも容易にできるよう規則を改正する可能性を示唆した。留学生は永住権取得の特別枠に関し、「不当に扱われている」との認識を示し、「永住権候補者として、留学生をもっとカナダに取り込む努力をしなくてはならない」と語った。

 この特別枠は前保守党政権時代に導入され、必要とされる特別技術を持つ外国人労働者を対象に、6カ月以下で特別に早く永住権を取得できる制度。

 マッカラム移民相はさらに特別枠については、申請に必要な労働市場への影響判断に関する書類を雇用主に義務付けている規則についても再審査するとの考えを示した。これについてはカナダ商工会議所から大きな壁になっているとの不満が出ていた。

 自由党政権は保守党政権時代に制定された市民権法について変更することも発表している。詳細は3月22日の予算案で示されるとみられている。

 

 カナダ統計局は11日、昨年の第4四半期の返済負担率が前期より0・9パーセント上昇し、165・4パーセントになったと発表した。世帯当たりの可処分所得に対する負債率を示したもので、カナダではかつてない高水準に達している。同局は所得の成長が負債の増加に追いついていないためと分析している。

 負債の主なものは住宅ローンで6・3パーセント上昇。2014年から急速に上昇している。昨年第4四半期の住宅ローン総額は1兆2620億ドル。その他には自動車ローンやクレジットカードなどがある。

 要因としては金利の低さがあげられている。カナダ銀行は昨年2回の金利引き下げを実施。現在の翌日物金利は0・5パーセントまで下がっている。来月にはさらなる引き下げの可能性も専門家は示唆している。

 

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