2019年3月14日 第11号

 ブリティッシュ・コロンビア州で機密書類の廃棄処分サービスを行っている会社が、実際には回収した書類をすぐに裁断せず、セキュリティのない保管場所に放置していたことが内部告発から明るみに出た。

 この会社は、同州ローワーメインランドのホワイトロック市のシュレッドワイズ社。同社はシュレッダー機械を積んだトラックでオフィスなどを巡回、個人情報などが含まれた機密書類を回収し裁断するサービスを行っている。同社のサービスを利用しているのは一般の民間企業のほか法律事務所、薬局や診療機関、銀行のほか政府機関など多岐にわたっている。

 巡回中に回収した書類は、その場でトラックのシュレッダーで裁断されることになっており、顧客もそうなるものと信じ、回収を同社に任せている。しかし、会社からの報復を恐れ匿名を条件にメディアの取材に応じた社員によると、巡回中に機械が故障した場合は書類を会社まで持ち帰り、一般のリサイクル用プラスチック製ゴミ箱(96ガロンサイズ)と同じようなゴミ箱に保管、週末にまとめて裁断することにしているという。書類が月曜日に回収された場合、ほぼ1週間放置されることになる。

 このゴミ箱が置かれているのは、一般道である同市オールド・イェール・ロードから30メートルほどはいったところにある、同社のトラック置き場。入り口のゲートはほとんど施錠されることはなく、誰でもその片隅に雨ざらしで保管されているゴミ箱にアクセスすることが可能。ゴミ箱は鍵などかかけられる構造にはなっていない上、中にはふたが壊れているものもあった。メディアが先週調査したところ、44個あったゴミ箱のうち17個から、機密書類が見つかった。

 男性が今までに発見した書類としてはパスポートやSINカードをコピーしたもののほか、生体組織検査や血液検査の結果、現金化されていない小切手、クレジットカードの利用明細や保険の明細書など。生体組織検査結果の中には、乳がんが発見されたことを示していたものもあったという。さらにエイズ検査の結果報告も見たことがあると、この男性は取材に語っている。

 男性による内部告発を受け、アメリカに本部を置く業界団体、情報破壊協会(National Association for Information Destruction ー NAID)が、シュレッドワイズ社の調査に乗り出した。なお同協会には法的拘束力はない。シュレッドワイズ社はNAIDには認証されていないが、同社のCEOティノ・フラッキンガーさんはNAIDの理事会メンバーを勤めている。

 一方NAIDのCEOロバート・ジョンソンさんは、内部告発の数々の証拠から、事態を非常に憂慮していると語っている。

 なおフラッキンガーさんは、メディアからの取材申し込みを拒否、そのかわりに電子メールでコメントを送っている。それによると、この件は同社の業務手順から逸脱しており、ひとりの従業員が勝手に行った単独の事故だと主張している。その上で事態を深刻に受け止め、再発防止に全力で取り組むと述べている。

 これに対し内部告発を行った男性は、これは会社内で日常的に要求されていることだと反論。巡回中に機械が故障した場合、ドライバーはそれ以上の巡回・回収を中止して会社に戻ることもできるはずなのに、オーナーは顧客からの回収を完了することを要求、その場では裁断できなくてもあとで裁断すればいいから、とにかく巡回・回収を続けトラックで持ち帰るよう言い渡しているという。「あとで裁断しても問題ないと言うが、個人情報を盗むのには1分もかからない」と男性は嘆いていた。

 

2019年3月7日 第10号

 中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)弁護団が3月1日、カナダ政府、カナダ国境サービス庁(CBSA)、連邦警察(RCMP)を相手取り、損害賠償を求めてブリティッシュ・コロンビア(BC)州最高裁判所に提訴した。連邦警察官1人、カナダサービス庁職員3人、カナダ司法長官を名指ししている。

 カナダ当局は昨年12月1日にバンクーバー国際空港でアメリカの要請により孟氏を逮捕。その時に、逮捕前3時間にわたって拘束され、取り調べを受けたのはカナダの憲法上の権利に違反していると主張している。

 訴えによると、この空港での拘束が影響し、猛氏は精神的な苦痛、不安、自由の侵害を被ったとしている。

 孟氏は12月に逮捕された後、保釈金を支払って保釈され、現在はバンクーバーの自宅で過ごしている。

 カナダ政府は3月1日にアメリカへの身柄引き渡しに関する審理を正式に決定した。アメリカ司法省はファーウェイと孟氏をアメリカの対イラン経済制裁に違反した詐欺罪などで起訴し、孟氏の身柄引き渡しを要請している。

 

2019年3月7日 第10号

 ジョディー・ウィルソンレイボールド前法務相兼司法長官は2月27日、カナダ大手建設会社SNCラバランの贈賄事件を不起訴処分とするようジャスティン・トルドー首相やその側近から圧力を受けたと証言した。

 約4時間に及んだ下院司法委員会でウィルソンレイボールド前法相は、トルドー首相やビル・モルノー財務相ら11人が2018年9月から12月にわたってSNCの贈賄事件を不起訴にするよう圧力をかけてきたと証言。その中でトルドー首相が政治的な影響について発言したことも明かし、政治介入にあたると警告したと語った。

 ウィルソンレイボールド前法相は、彼らによる働きかけは一貫した継続的なものだったと証言。中には、トルドー首相の前第一個人秘書官ジェラルド・バッツ氏の名前も含まれていた。バッツ氏は3月6日に同委員会で証言することが決定している。

 SNCラバランは、ケベック州モントリオールに本社を置くカナダ最大手の建設会社の一つ。2001年から11年にかけてリビア政権に対して政府事業受注のために4億5千万ドルの賄賂を贈ったとして2015年にカナダで訴追されている。

 事件は刑事裁判にかけられることが決定している。ウィルソンレイボールド前法相は、すでに刑事裁判にかけられることが決定している案件を、政治判断で司法取引として決着をつけるよう司法長官に圧力を掛けることは「不適切だ」と何度も発言した。ただ、それは違法行為とまでは言えないとの見解を示した。

 今年の1月にトルドー首相から内閣改造で法相から復員軍人大臣兼国防副大臣へ異動させると聞いた時には、SNCラバラン案件で首相らの要求を受け入れなかったことが理由だろうと思ったと語った。同氏は復員軍人相も2月に辞任している。

 トルドー首相はウィルソンレイボールド前法相の発言について、「一連の出来事に関する我々の見解は、ウィルソンレイボールド前法相の見解とは完全に異なる」と語り、SNCラバランへの刑事裁判への判断はウィルソンレイボールド前法相が単独で決定したことだと強調した。

 野党保守党アンドリュー・シェア党首は、SNCラバランを司法取引で不起訴にするためにトルドー首相らが前法相に圧力を掛けたことは明らかで、違法行為にあたる可能性があると主張。「首相はすぐに辞任するべきだ」と記者会見で語った。

 同新民主党(NDP)ジャグミード・シング党首は宣誓下の公聴会を開いて、事実関係をはっきりさせるべきと主張。内容によっては辞任要求もあり得ると語った。

 トルドー首相は、我々は国民のために常に最善で合法的に行動していると、自分たちの正当性を主張した。

 

2019年3月7日 第10号

 ジェーン・フィルポット予算庁長官が3月4日、辞任を発表した。突然の辞任表明に首都オタワに衝撃が走った。

 フィルポット前予算庁長官は辞任にあたり声明を公表。ジョディ・ウィルソンレインボールド前法務相兼司法長官の下院司法委員会での証言を受け、トルドー内閣への信任が揺らいだと説明している。

 前法務相はカナダの大手建設会社SNCラバランの贈賄事件を司法取引で不起訴処分とするよう、トルドー首相や側近らに「継続的に」3カ月にわたって圧力をかけられたと証言。しかし、圧力に屈しなかったため法務相から復員軍人相に異動となったと感じているとも証言した。

 トルドー首相らは一貫して前法務相への圧力を否定。見解の違いと説明し、誤った行為はしていないと繰り返している。

 他の閣僚らがトルドー首相に同調する中、フィルポット前予算庁長官だけがSNCラバランスキャンダルが発覚後もウィルソンレインボールド氏へサポートを表明していた。

 フィルポット前予算長官は2015年に当選して以降、保健大臣や先住民サービス大臣と主要閣僚としてトルドー政権を支えてきた、首相が最も信頼する閣僚のひとり。今年1月14日のウィルソンレイボールド前法務相が降格となった内閣改造で、先住民サービス大臣から予算庁長官に異動となった。そのフィルポット氏の辞任は、辞任という事実だけではなく、SNCラバランスキャンダルへの内閣の対応に不信感を公表したことが衝撃を持って受け止められた。

 首相は「辞任は残念だ」と語ったが、これまで重大な案件に取り組んできたフィルポット前予算庁長官の貢献に感謝すると語った。

 これで3日前に改造したばかりの内閣を再び改造する必要が出てきた。当面はカーラ・クワルトロー公共サービス・調達・アクセシビリティ大臣が兼任する。

 

2019年3月7日 第10号

 ジャスティン・トルドー首相は3月1日、2月12日に辞任したジョディー・ウィルソンレイボールド前復員軍人大臣兼国防副大臣の後任人事のための小規模内閣改造を実施した。前回1月の改造から6週間で2回目の内閣改造となる。

 復員軍人大臣兼国防副大臣に就任したのは、ローレンス・マコーレー前農務・農産食品大臣。2015年11月にトルドー政権が発足して以降、復員軍人相はこれで5人目。農務相にはマリークロード・ビボー前国際開発大臣が就任、国際開発大臣はマリアム・モンセフ女性の地位大臣が兼務する。今回の内閣改造で新しく閣僚入りした議員はなく閣僚の異動のみとなった。意図的に新しく閣僚入りさせることは避けたとみられている。

 今回の人事はウィルソンレイボールド前復員軍人相の辞任によるものだが、辞任の背景にはSNCラバランスキャンダルがあったと2月27日の下院司法委員会で本人が証言したばかり。今年1月14日の内閣改造まで法務相兼司法長官を務めていたウィルソンレイボールド氏は、トルドー首相や側近の圧力にも屈せず大手建設会社SNCラバランへの司法取引による不起訴処分を拒否したため、復員軍人相へ異動。事実上の「降格」処分となった。

 トルドー首相は「降格」人事を否定。スコット・ブライソン前予算庁長官が突然の辞任を昨年12月に発表しなければ、内閣改造はなくウィルソンレイボールド議員も法務相のままだったと説明している。

 

 

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3月21日号 第12号

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