ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーに向け22日、ドイツ・ミュンヘン国際空港を離陸したルフトハンザ航空476便は、乗客の1人が安全にかかわるような行動をとったとして同国ハンブルグ空港に緊急着陸した。

 同機に乗り合わせていた、バンクーバー在住の乗客がメディアに語ったところによると、客室後方にいた乗客が離陸後叫び始め、たばこに火を点けようとしたり、緊急脱出ドアを開けようとしたりしたという。その時点で飛行機は巡航高度の3万8000フィートに達していた。

 そもそもこの乗客は、搭乗開始時から問題を起こしそうな態度を示していたという。しかし離陸後、彼の行動が激しくなったため、機長は安全のため最寄りのハンブルグ空港に緊急着陸を要請した。

 緊急着陸後、待ち受けていた警察と医療関係者に連行された男は、精神障害と診断され地元の精神科で検査を受けることになった。また警察はこの件は事件としては扱わないこととし、特に捜査は行なわれず、同機は再びバンクーバーに向かって飛び立った。

 結局同便は、予定より3時間ほど遅れてバンクーバー国際空港に着陸した。

 

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 オンタリオ州に住むダニエル・ダロイジオさんは、こだわりを持って選んだナンバープレートを15年以上使い続けてきた。そのナンバーは『VI6SIX』。

 19歳の時に父をがんで亡くしたダロイジオさんは、その追悼の意味がそこには込められていると、次のように説明する。

 もともとホッケーチーム、モントリオール・カナディアンズの大ファンだった2人。『VI』はフランス語の人生『vie』を意味し、『6』はモントリオール・カナディアンズが優勝した1976の末尾の番号(その時ダロイジオさんは2歳だった)を、そして『SIX』は、ダロイジオさんが父と一緒に祝うことのできたスタンレーカップの回数を表しているという。

 さらに二人がひいきにしていた、同チームの選手マリオ・レミューの背番号が66だった。彼はダロイジオさんの父親が亡くなったわずか2〜3年後、がんを克服している。その意味から、ダロイジオさんのナンバープレートは『vie(命)66』とも読める。

 しかし最初の『VI』は、ローマ数字の『6』にもなる。その場合、彼のナンバープレートは『666』と読め、これは新約聖書によれば魔物、人によってはサタンを意味する番号とみなされる。そして、実際そうした苦情が当局に寄せられたという。

 ダロイジオさんは、文書による意味の説明を行うなど努力したが、このナンバープレートの返却を要求され「州政府に力ずくでねじ伏せられたようだ」と取材に心境を語っている。

 

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 カナダ銀行は9日、今月初めにアルバータ州北部で起きた山火事のカナダ経済への影響について、正確に試算するには時期尚早との考えを示した。5月25日の金利発表時にはもう少し詳細が分かると思うと中央銀行広報官。「その後の7月の金融政策報告書発表時には、さらにはっきりしているだろう」と語った。

 今回アルバータ州で起きた山火事は大規模というだけではなく、オイルサンド生産地ということもあり、オイルサンド産業の経営状況に直接的な影響を与えている。天然資源産業はカナダの主要産業であり、この地域のオイルサンド産業の操業停止はカナダ経済にも大きな影響を与える。

 専門家は、第2四半期の経済成長率を1パーセントから1・5パーセント下方修正し、5月だけでなく6月にも影響を残すとしている。ただ山火事は一過性の影響のため、落ち着いたあと再建が始まると第3四半期には損失分を取り戻すのではないかと予測している。そのため、カナダ銀行の金利政策にこの山火事が直接影響を与えることはないのではとみられている。

 同日に国際通貨基金(IMF)が発表した報告書では、原油価格安の影響からの回復が緩やかなままの場合は、中央銀行によるさらなる金利引き下げの用意も必要との見解を示された。カナダ経済は2014年の原油価格急落により大きな影響を受けている。すでに昨年は2回にわたり金利引き下げを実施、カナダ銀行は現在金利0・5パーセントを維持している。IMFはカナダ銀行が金利を引き下げるとしても、引き下げ幅は限定的としている。

 IMFは以前からカナダ経済の危険要因として、高騰する不動産市場を指摘していた。そのため連邦政府が実施した住宅ローンに関する規制は一定の効果があるとしながらも、相変わらず危険要因として注意が必要としている。

 

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 ジャスティン・トルドー首相は9日、アルバータ州フォートマクマレーで起きた山火事の消火活動に対して、他国の支援は必要ないとの見解を発表した。国際支援の申し出には非常に感謝しているが、現段階で必要としていないと語った。

 山火事発生以降、ロシアをはじめ、アメリカ、メキシコ、オーストラリア、台湾、イスラエル、パレスチナが支援を申し出ていた。

 現在消火活動は、オンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州、ケベック州、ニュー・ブランズウィック州から放水機が提供され、消防士が応援に駆け付けている。

 

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 ブリティッシュ・コロンビア州マイク・デヨン財務相は10日、不動産売買についての新規則を発表した。これは今年に入って問題となったいわゆる「シャドーフリッピング」といわれる不当転売を防止するための設定。新規則では、不動産業者は売り手の契約書に転売する旨の同意を得ること、転売による利益は元の売り手に渡すことなどが含まれている。5月16日から導入される。

 シャドーフリッピングの実態は、今年初め全国紙グローブ&メールが独自取材の記事を掲載し明らかになった。その後、BC州クリスティ・クラーク州首相は、これに対し州として対策を講じると記者会見で語っていた。

 シャドーフリッピングの仕組みは、不動産業者が1つの物件を売買締切日までに何度も転売を続け、転売の度に価格を吊り上げ、手数料を受け取るというもの。最終的に購入された価格は、元の売り手が手にした売却価格とは大きくかけ離れていることが多い。

 これはメトロバンクーバーの不動産が、その価値以上に高騰している原因の一つとも言われている。4月のメトロバンクーバーの平均住宅価格は一般的な一軒家で140万ドル。昨年同月より30パーセントも上昇していると、グレーターバンクーバー不動産協会が報告している。

 今回の記者会見では、さらに不動産購入者がカナダ市民権、永住権保有者でない場合、国籍についてのデータを収集することも合わせて発表した。データ収集は6月から開始する。

 バンクーバーの不動産価格が高騰している要因として海外投資家による不動産購入が影響しているのではないかとの懸念があることから、BC州政府は購入者の国籍を調査することを約束していた。BC州政府が収集したデータは、国税局と情報共有するとしている。

 

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読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。