2016年8月11日 第33号

 カナダ統計局は5日、7月の労働統計を発表、同月失業率が前月比で悪化したと報告した。7月の失業率は6・9パーセント、前月6・8パーセントから0・1ポイント悪化した。失業者数は3万1200人で、専門家は雇用者数1万人増を予想していた。1カ月の失業者数としては5年ぶりの高い水準となった。

 原因はフルタイムの雇用者数が7万1400人減と2011年10月以来の大幅減となったため。これについて専門家は、行政関係の失業者数が多いことから、4月、5月の国勢調査のための雇用が必要でなくなったことも要因の一つと分析している。一方でパートタイムは4万200人増加している。

 公共機関関係が4万200人減、民間は1万3600人増。製造業やサービス業で雇用者数が減少している。

 地域別では、オンタリオ州で雇用者数3万6100人減と多く、ブリティッシュ・コロンビア州は好調で1万2100人増となった。失業率では、オンタリオ州は前月と変わらず6・4パーセント、BC州は5・9パーセントから5・6パーセントに改善し、全国で最も低い失業率となっている。一方、アルバータ州は相変わらず低い原油価格の影響を受け、高い失業率となっている。加えて5月の山火事が7月の失業率に影響し、前月の7・9パーセントから8・6パーセントと大幅に悪化。1994年9月以来の最悪の水準となっている。

 また同日に発表された6月の貿易収支報告書では、貿易赤字が36億3千万ドルまで膨れ上がり予想を大きく上回った。同月輸出額は0・6パーセント増加しているが、輸出量は1・4パーセント減少している。輸入額は0・8パーセント増で自動車と自動車部品が増大、輸入量も0・7パーセント増加した。

 第2四半期の貿易赤字は107億ドルで前期の64億ドルから大きく膨らんでいる。

 

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2016年8月11日 第33号

 メジャーリーグサッカー(MLS)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは6日、コロラドでラピッズと対戦。成す術もなく0-2で敗戦した。

 トリニダード・トバゴ共和国での北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)チャンピオンズリーグ第1戦を含む4試合連続アウェーと厳しいスケジュールの中で、ホワイトキャップスはなかなか勝ち星がつかない試合が続いている。

 前回MLSレギュラーシーズンで勝利したのは、ホームでの7月13日リアル・ソルトレイク戦。その後4試合は引き分け2試合、負けが2試合。うち3試合は無得点と得点力不足が顕著になっている。

 6日のラピッズ戦では7月30日に、ヒューストン・ダイナモから移籍したFWバーンズがホワイトキャップスとして初出場。MLSで実績を持つフォワードを投入したが、得点には結びつかなかった。FW工藤も78分から途中出場したが、ゴールを決めることはできなかった。

 この4試合でホワイトキャップスが獲得した勝ち点はわずか2。24試合を終え、8勝10敗6分け、勝ち点30で、西カンファレンス7位に転落。プレーオフ圏外へと弾き出された。

 次は12日、ホームに戻り8位サンノゼ・アースクエイクスと対戦する。この試合に負ければ8位に転落する崖っぷちの戦いとなる。

 

 

2016年8月11日 第33号

 カナダが順調にメダル数を伸ばしている。8月5日に行われた開会式で開幕した第31回オリンピック夏季大会リオデジャネイロ2016。カナダは競技開始初日の6日、競泳女子4×100mフリースタイルリレーで銅メダルを獲得し、幸先の良い開幕となった。翌日には競泳女子100mバタフライで16歳ペニー・オレクシアック選手が銀メダル。前日のリレーでもメンバーとして銅メダルを獲得し、カナダ国内を驚かせた。

 また注目の新種目ラグビー7人制では8日、女子がイギリスを下して銅メダル。準決勝ではオーストラリアに負けたものの、3位決定戦では予選で負けを喫したイギリスに33-10の大差で圧勝。期待通りの表彰台となった。

 9日には水泳飛び込み10mシンクロナイズドダイビングで、ベンフェイト・フィリオン組が5位から大逆転で銅メダル。ロンドン五輪に続き2大会連続のメダル獲得となった。

 大会4日目を終え、カナダは銀メダル1、銅4と健闘。今後は、引き続き競泳でメダルが期待できるほか、お家芸のカヌー・カヤックやボートにも期待がかかる。また、テニスでは男子ダブルスでネスター・ポスピシル組が順調に勝ち進み、ビーチバレーボールでも男女とも健闘している。後半には、ゴルフ女子のヘンダーソン選手が出場する他、陸上やサッカー女子もメダルに期待がかかっている。ロンドンでカナダ唯一の金メダルを獲得した、今回旗手を務めたマックレナン選手も登場する。

 大会は21日に閉幕する。

 

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2016年8月11日 第33号

 オンタリオ州トロントの西隣のピール地区を担当する救急隊が7日早朝、エボラ出血熱などの感染症患者を扱う際に使用する防護服を着込み、スカンクの救助にあたった。

 勤務から救急隊基地に戻ってきた隊員のジャスティン・マウスさんが建物裏の駐車場で見つけたのは、プラスチックカップに頭を突っ込んだまま、やみくもに歩き回っていたスカンクだった。カップのふたの部分が首にはまり込み、簡単には抜けなくなったようだ。

 スカンクが建物の壁に激突する様子などを見ているうちに、マウスさんは何とか助けてやりたいと思うようになった。しかし相手はスカンク。もしもの場合に備え、制服を脱いでマウスさんは感染症防護服を着込み、救助を開始した。

 慎重にスカンクに近づき、マウスさんはカップをはずすことに成功した。また幸運なことに、スカンクからの攻撃を受けることもなかったという。

 救急隊は、その様子を映した動画をツイッターに投稿している。救助活動自体は救急隊にとって普通のことだが、今回の一件がソーシャルメディアでこれほど話題を集めるとは思ってもいなかったと、同救急隊隊長のジェフ・ウォルシュさんは取材に話していた。

 

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2016年8月11日 第33号

 ブリティッシュ・コロンビア州ビクトリアの裁判所裏庭にできたホームレス集落、テント・シティ。青いタープやテントなどのほか、簡易2階建て小屋までが立ち並ぶ様は、カナダが抱えるホームレス問題を象徴するとまで言われてきた。

 2015年春に、2-3張りのテントから始まったこのテント・シティは、最近ではおよそ100人が暮らしていた。しかし、BC州最高裁判所が7月初めに出した命令により、8日に解散へと追い込まれた。

 ちなみに、州政府はテント・シティの環境維持(ごみ収集や簡易トイレの設置、またテント・シティ住人をサポートするコミュニティ・ワーカーの活動資金など)のために、毎週18万4千ドルを支出してきた。

 この日が近づくにつれ、州政府が提供する簡易宿泊施設などに移る人も増えてきたが、テント・シティが消滅したからといって、ホームレス問題の根本にある貧困問題が消え去ったわけではなく、政府はただ問題を人目から遠ざけただけだと、ホームレス支援団体は非難している。

 貧困問題を解決できない原因のひとつは、政府の低所得者や障害者への補助が十分でなかったり、州によっては物価上昇に見合った増額がなかったりすることだと、支援団体のひとつトゥゲザー・アゲンスト・ポバティ協会のエグゼクティブ・ディレクター、ケリー・ニューフックさんは指摘する。さらに、多くの都市での低所得者向け住宅などの不足や、法的に許されている家賃値上げ率が、貧困層をホームレスに転落させる危険度を増しているとも付け加えている。

 しかし、連邦政府がこの問題を解決するための住宅政策を施すと約束していることを引き合いに出し、国が本腰を入れれば必ず解決できるはずだと、ニューフックさんは取材に語っていた。

 

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