2016年8月18日 第34号

 カナダ不動産協会(CREA)は15日、7月の全国住宅販売数が前月比で1.3パーセント減少と発表、3カ月連続で減少したと報告した。前年同月比では2.9パーセント減少となった。

 販売数減少が顕著だったのはブリティッシュ・コロンビア州で、販売数が最高を記録した今年2月からグレーターバンクーバーで21.5パーセント減、フレーザー・バレーで28.8パーセント減となった。バンクーバーでは5カ月連続の販売数減少となった。

 しかし、販売数減少とは反対に価格は上昇している。CREAが発表した7月の全国平均価格は48万743ドルで前年同月比9.9パーセント上昇。バンクーバーとトロントを除いた全国平均は36万5033ドルで7パーセント上昇している。

 MLS住宅価格指標では、全国的には前年同月比で14.3パーセント上昇した。最も上昇したのはバンクーバーの32.6パーセント、フレーザー・バレー37.6パーセント。トロントでは16.7パーセント、ビクトリアで17.5パーセントとなっている。

 BC州とオンタリオ州以外では上昇率は緩やかで、マニトバ州レジャイナでは2.7パーセント、ケベック州モントリオールでは1.8パーセント。原油価格急落の影響から抜け出せないアルバータ州ではカルガリーで4.2パーセント下落、サスカチワン州サスカトゥーンで1.5パーセント下落している。

 

2016年8月18日 第34号

 これまで氷で閉ざされていたため商業用大型クルーズの航行は不可能とされていた北極圏で、大型客船が初めて就航した。

 クルーズを就航したのは、アメリカのクリスタル・クルーズ。16日にアメリカのアラスカを出発、北極海を通り、1カ月をかけてニューヨークに到着する。価格は1人1万9755米ドルからで、一泊あたり約600ドルとクルーズ旅行では破格の価格となっている。同社によると来年も計画しているという。

 北極圏は夏でも大型船が航行できるほど氷が解けないため、クルーズはこれまで就航できなかった。しかし近年の温暖化で北極圏の氷の融解が加速。大型船の就航でますます加速するのでは、との懸念の声も上がっている。

 

2016年8月18日 第34号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー水族館の人気者、ネズミイルカのジャックが死亡した。

 このネズミイルカは2011年、ウェストバンクーバー市のホースシューベイの砂浜に打ち上げられているところを救助され、同水族館で飼育されてきた。救助された当時は生後1週間程度だったとみられている。

 ジャックの様子に異変が認められたのは9日。普段はやんちゃに行動していたジャックが、突然エサや遊びに興味を示さなくなった。その後獣医スタッフが24時間体制で治療などに当たったが、11日夜に死亡した。

 同水族館はジャックの飼育から多くの経験を得ることができ、同じように保護されたネズミイルカのレビを飼育したのち、2013年にはカナダで初めて海に戻すことに成功している。

 

2016年8月18日 第34号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島の西岸、太平洋を望むトフィーノの画家が、ソフィー・グレゴワール・トルドー首相夫人をモチーフとした油絵を描き、本人にプレゼントした。

 トフィーノのジュエリーブティック兼アートギャラリーに所属する画家ディアナ・ランキンさんは、休暇中のトルドー首相夫妻が同店を訪れることを、その前日に知った。

 同夫妻の大ファンであるランキンさん、店の壁の一角があいていることに気づき、一晩でトルドー首相夫人をモチーフにした絵を描き上げることを決意する。地元写真家が、浜辺でヨガ・ポーズを取る女性を写した作品からヒントを得て、チェスターマンズ・ビーチで片手を天高く掲げる「高貴な英雄」ポーズを取る首相夫人の絵を、ほとんど徹夜で仕上げた。そして絵のタイトルも「魂の覚醒」と決めた。

 政治家の夫人として、常に公衆の視線を集める立場でありながら、本人が10代後半から患っていた過食症との闘いを公表するなど、トルドー首相夫人は「女性の英雄だ」と、彼女への親近感をランキンさんは語っていた。

 しかし当日、トルドー首相夫妻が店に入ってきた時には、彼女は絵を当人にお披露目する決心がつかずにいた。

 なんとか自分を奮い立たせて夫妻に絵を紹介しようと思った矢先、次の予定のために移動を促すセキュリティとともに、首相夫妻は足早に店を去ってしまった。

 あっけない幕切れを迎えたその晩、ランキンさんはベッドで仰向けになり、夫妻がもう一度店を訪れる場面を思い描いていた。

 まるでおとぎ話のような展開だが、首相夫人が絵のモデルになっていることに気が付いていたトルドー首相の関係者が、首相は昨日そのことを知っていたかどうかを確かめるために、再び店を訪れた。そして、首相夫妻が同店に姿を現したのは、それから5分とかからなかった。

 二人は落ち着いて控えめな様子であったが、ランキンさんは畏敬の念を抱いた。絵を気に入った首相は、ランキンさんが永遠を象徴するとしてつけた値段、888ドルでこれを購入。また絵を掲げるトルドー首相の前で、夫人が絵と同じヨガ・ポーズを取り、記念写真に収まった。この写真は、自分の生涯で最も誇らしい一瞬をとらえたものだと、ランキンさんは取材に語っている。

 

2016年8月18日 第34号

 ブリティッシュ・コロンビア州コキットラム市のハイキングコースで13日、10歳の少女が子連れのブラックベアーに襲われ重傷を負う事件が発生した。

 場所は、同市ショーネシー通りとリンカーン・アベニューの交差点付近。ここまでは住宅街が続き、その先からコキットラム川沿いに森の中へ入るハイキングコースが続いている。

 当時付近にいた目撃者らによると、突然の少女の叫び声を聞いた何人かがその方向に駆けつけたところ、クマが少女をくわえて引きずり、ハイキングコースから森の中へ入っていこうとするところだった。

 何人かがクマの頭を叩くなど格闘して、少女をクマの口から離すことに成功したが、クマは再び襲ってきたという。少女は命に関わるほどの大けがを負い、病院に搬送された。 この母親グマは事件後も現場に居残り、人の存在を恐れなかったことから、自然保護官が射殺した。ただ現場周辺のゴミなどをあさるなど、人間の生活環境からエサを求める習慣はついていなかったようなので、子グマは捕獲されリハビリテーション・センターに送られた。

 自然保護局によると、子連れの母親グマに遭遇し襲われるケースは決して多くはなく、少女の回復を待って事件が起こった詳細を確認するとしている。

 

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