2017年2月9日 第6号

 ジャスティン・トルドー首相事務所が、アメリカのフォックス・ニュース・チャンネルに、ケベック州ケベック市で起きたモスク襲撃事件について誤った情報を流し続けているとして、早急に訂正するよう要請したことが1月31日分かった。

 モスク襲撃事件では、事件発生当初、容疑者は二人とされ、うち一人がモロッコ出身と警察関係者から情報があったとメディアが伝えた。しかしその後、このモロッコ出身者はその場に居合わせた目撃者の一人で警察が容疑者でないことを確認したと発表した。

 ほとんどの大手メディアは警察の発表後すぐに訂正したが、フォックス・ニュースがツイートを訂正しないままモロッコ出身者を容疑者扱いしていることに気づいた首相事務所が同局に訂正を求めた。

 その後、誤報を伝えたツイートは削除され、ニュースは訂正されている。

 米ドナルド・トランプ大統領によるイスラム圏中東・アフリカ7カ国出身者の入国一時禁止の大統領令が発令されて以降に起こった、ケベック州ケベック市でのモスク襲撃事件は国内で大きな影響を与えている。

 銃撃犯はケベック州出身のカナダ人で、容疑を認めている。この襲撃によりイスラム教徒6人が死亡。トルドー首相をはじめ、ケベック州首相らはテロ行為と非難している。

 

 

2017年2月9日 第6号

 連邦保守党の党首選に先月立候補を表明したケビン・オラリー氏が、自身が以前に体験した射撃場での銃乱射映像を2日に自身のフェイスブックに投稿して非難を浴びた。

 その日は、先月29日ケベック州ケベック市で起きたモスク銃撃事件で犠牲になった6人のうち、3人の葬儀が行われた日だった。投稿は葬儀が始まる少し前で、オラリー氏側はすぐに投稿を削除、不適切だったとのコメントを発表したが非難は収まらなかった。

 4日に行われた党首討論会でも、映像について他の候補者から批判の声が上がった。この日、ノバスコシア州ハリファックスで行われた保守党党首討論会では、オラリー氏を含め初めて14候補全員が揃った。知名度の高いオラリー氏を攻撃する場面も見られたが、内容は概ね保守党が自由党との違いを明確にしている環境問題や犯罪法の厳格化、経済活性化について、各候補が主張した。

 

 

2017年2月9日 第6号

 サメの危機的状況を追った2006年公開のドキュメンタリー映画「シャーク・ウォーター」を制作したカナダ人監督ロブ・スチュワート氏(37)が、フロリダ州南部の沖合で水死体で見つかったと同州沿岸警察が3日発表した。1月31日のダイビング中に行方不明になり捜索が続いていた。

 同映画は、高級食材で知られるフカヒレを取るために無残に殺されていくサメの危機的状況を伝えるドキュメンタリーで、公開されると世界中でフカヒレ使用禁止運動が起こるなど、社会に大きな影響を与えた。サメ捕獲の残虐さと共に、海洋生物の生態系ピラミッドで頂点に存在するサメを人間が乱獲することで、生態系が崩れ、海洋生物だけでなく地球全体にも大きな影響を与えると警告していた。

 そのシャーク・ウォーターの続編撮影のためにフロリダに滞在。ダイビング中に、何らかの事故で水死したものとみられている。

 

 

2017年2月9日 第6号

 ノー・フリルズやラブロウズ、スーパーストアといった大手食品スーパーチェーンの親会社ラブロウ社は、プライベートブランド『PCオーガニック』のベビーフードをリコールすると、4日発表した。

 対象となる商品は、アップル・ブルーベリー・アンド・グリーンピー(うらごし)離乳食。カナダ食品検査庁によると、ボツリヌス菌に汚染されている恐れがあるという。全国のラブロウズで販売されていた。内容量は128ミリリットルで、賞味期限2017年10月31日の印字がなされている。またUPCコードは060383062927。

 ボツリヌス菌が作り出す毒素は、毒性が非常に強く筋麻痺も引き起こし、重篤な場合は死に至る。

 該当商品が手元にあった場合は、廃棄するか購入した店に返品するよう検査庁は呼びかけている。

 今回のリコールは、検査庁が消費者からの苦情を調査している過程で出された。今のところ、この商品が原因とされる病例は報告されていないというが、調査が進むにつれて対象商品が追加される可能性もあると、検査庁はコメントしている。

 

 

2017年2月9日 第6号

 女子サッカー、カナダ対メキシコの親善試合が4日、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市BCプレースで行われた。

 昨年ブラジルのリオ・デジャネイロで開催されたオリンピック夏季大会で2大会連続銅メダルを獲得した女子サッカーカナダ代表の記念試合と題された試合は、オリンピックを最後に引退を決めた3選手の引退試合でもあった。

 引退したのは、ウィルキンソン、タンクレディ、ノールトの3選手。いずれも2015年にカナダで開催されたワールドカップを含め長年代表を務めたベテラン選手たち。名前が告げられると、前日から続く雪にもかかわらず会場に詰めかけた2万2508人のファンから大きな拍手が沸き起こった。

 試合終了後には引退セレモニーが行われ、3選手とも家族と共に晴れやかな表情でファンとの別れを惜しんだ。

 セレモニー後に記者の前に現れたタンクレディ選手は今の心境を聞かれると「圧倒される感じ」と笑顔で答え、「勝てて良かった。いろいろ感情が揺れ動いた日だった」と複雑な表情を見せた。次のW杯では選手ではなく、何らかの形で貢献できればと思っているとも語った。

 試合はベッキー選手が2得点したカナダが3−2で勝利。若い選手が活躍する展開に新旧交代を感じさせる一戦となった。唯一残ったベテランで主将のクリスティーナ・シンクレア選手は、「ずっと一緒にやってきた仲間なのでいろいろと感じるものがある」と語ったが、彼女たちの活躍は次の世代に必ず引き継がれていくと前を向いた。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。