2018年4月26日 第17号

 子供のプレイデートの日にちを決めていた際、「スケジュールをチェックする」とママ友が携帯電話を取り出して何やら調べている。どうやら予定は全て携帯電話に入れているらしい。数日後、子供の水泳のレッスンで、いつも隣に座っておしゃべりするパパ友も同様、自分の予定は全て携帯電話のカレンダーに入れていると話していた。アナログ派な私は、予定は全て手帳に書き込んでいるので、ここ数年使っているiPhoneに、そんな機能があることさえ知らなかった。「iPhoneを持っている意味がない!マコは、時代に取り残され、すでに化石化してしまったようだね」と、彼は大笑いしながら、一度カレンダーを試してみるべきだと、勧めた。

 そこまで言うのなら、一度、試してみようと、例のカレンダー機能を興味本位で使い始めた。予定が入れば、忘れないようにとその場で携帯電話のカレンダーに入力して、あとは、予定日前に知らせくれるリマインダー機能にお任せという仕組みだ。リマインダーがくるまでその予定について考えることもないし、忘れることもない。なんだか目覚まし時計のよう。

 ただ、予定が入れば、その場、その場で、入力することになるので、当然のことながらその月全体の予定は、自分の頭の中に入らない。誰かに「明後日、暇?」って聞かれても、携帯を取り出さない限り、わからない。紙の手帳を使っていた際は、新しい予定が入るたびに書き込んでいたので、手帳を開くたびに、その月全体の予定を繰り返し見ることになる。ショートターム・メモリー(ワーキングメモリー)がロングターム・メモリーへと繋がり、だいたいその月全体の予定は頭の中に入っていた。だから「明後日、暇?」って聞かれたら、暇か、忙しいかなんて、即答できていた。

 明日や明後日の予定でさえ、携帯電話を見ないと覚えていない自分に怖くなった。まるで、携帯のカレンダー機能が自分の頭の中にあるカレンダー機能(=記憶能力)にとって代わってしまったようだ。1カ月しか使っていないのに、ここまで自分の記憶力に影響があるのなら、わたしには向いていないのだろう。時代の波に乗り遅れた、化石化した人間になることを選んだ。

 


■小倉マコ プロフィール
カナダ在住ライター。新聞記者を始め、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。 
ブログ: http://makoogura.blog.fc2.com 

 

 

 

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