2019年3月28日 第13号

 久々に旅行先でぼったくられた(笑)私も旦那も、20代の頃から、バックパック旅行からオールインクルーシブ旅行まで、いろんな国を旅してきたという自信があっただけに、まさか自分たちがメキシコみたいなところで(車でも行けてしまうほど身近な国だけに) ぼったくられるなんてと、驚きだったけど…メキシコのリゾート地ではよくあるらしいので、今回は、我が家の経験談を。

 春休み、観光客で賑わうリビエラ・マヤ(カンクンの隣町)のダウンタウン、5thアベニューを歩いていた際、どこからかフレンドリーな男の人が、手を振ってやってきた。「なんて偶然! 僕だよ! フィリッペだよ。〇〇ホテルのレストランでウェイターやってるフィリッペ」。なんとなーく見覚えのある顔なんだけど、名前までは覚えていない私たち。でも、私たちの滞在しているホテルの名前はあっているし、カナダから来たってことも知っていたので、どうやら面識はあるようだ。「今日はホテルの仕事が休みだから、母のお店を手伝ってるんだ。せっかくだから、僕の母を紹介させてよ!」と、路地裏にあるジュエリー店を指した。なんてフレンドリーな人なんだろうと思い、店に行くなり、彼の母たる人の姿はなく、いきなり娘の手にブレスレットを、そして息子にはサメの歯のネックレスをつけてくれた。

 「新しい友情を記念して、プレゼントしたい」といった口調だったけど…よくよく聞いていると「新しい友情を記念して、大サービスで150USドルにマケる」と。これ、どう見ても、10ドルもしないだろうな…と思いきや「No rip off! No rip off! じゃ、2つで50USドルで」と、急に100ドルも値段が下がった。その時点で、まさにぼったくろうとしてたんじゃない…この人?!

 50ドルも持ってないので買えないと断ると、フィリッペの表情が激変。「ママ、このおじさん、怖いよ…早く店から出たい」と危機感を感じとった息子(9)。「僕にも家庭があって、君たちみたいに子供達を旅行に連れて行きたいんだ。だから毎日こうやってホテルと自営業を掛け持ちして頑張ってるんだ」と訴えてきた。旦那も私も、ホテルで顔を合わせているスタッフが、そこまで言うのならと、子供達もアクセ自体は気に入っていたことだし、購入することにした。フィリッペは、さっさとお金にキスをして、神様に感謝しているとつぶやいた。

 そして店を出て、数ブロック歩いてたところ…「なんて偶然! 僕だよ! フィリッペだよ。〇〇ホテルのレストランでウェイターやってるフィリッペ」と、小太りの、確実に面識のない男が、声をかけてきた。「今日はお母さんのジュエリー店を手伝ってるんだ」

 私も、夫も、子供達も、「え〜?!」と唖然。見事に同じ手口!名前まで同じだし…(笑) あとで滞在先のホテルのマネージャーに聞いたところ、フィリッペなんて男は働いてないし、この手のぼったくりは、メキシコのリゾート地ではよくあることだと、笑われた。「やられちゃったね!」と。

 …と言うことで、これからメキシコに行かれる方、滞在先のホテルのスタッフに見せかけて、財布を狙う手口が多いとのことなので、どうぞお気をつけて〜。ちなみにメキシコのリゾート自体は、ビーチも綺麗だったし、食事も美味しかったし(寿司まで登場!)、とても楽しかったので、オススメします。

 

観光客で賑わう5thアべニュー

 

 


■小倉マコ プロフィール
カナダ在住ライター。新聞記者を始め、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。フェイスブックで繋がれたら嬉しいです。エッセイ等のご意見もお気軽に
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