2017年3月16日 第11号

 ブリティッシュ・コロンビア州選挙管理委員会は10日、BC自由党への政党献金に選挙法違反の可能性があることから、捜査を連邦警察(RCMP)に依頼したことを明らかにした。

 選管委は、5月に予定されている選挙に集中するためと、公平な選挙を運営実施するためと理由を説明している。

 今月初め、全国紙グローバル&メールが自由党への献金に違法性があるとの記事を掲載。選挙管理委員会が調査に乗り出すことを先週、公表した。自由党への多額の献金には、企業や関係者の肩代わりをして献金し、のちに献金額を徴収する間接的な献金が含まれているという。選挙法によれば、間接的献金は違法とされている。

 選挙法では、違法対象となるのは、献金をした側だけではなく、献金を受けた側も違反となるとしている。

 RCMPは同日、選管委から依頼を受け捜査を開始したことを明らかにした。「必要な時間をかける」として、捜査が選挙前に終了するかは明らかにしなかった。今後は詳細の公表は控えるとしている。また、選管委もRCMPの捜査に全面協力すると発表したものの、捜査中は、これ以上この件に対する言及は控えるとした。

 捜査対象は自由党だけではなく、新民主党(NDP)も含まれる。NDPジョン・ホーガン党首は、NDPも捜査対象となることに特に問題はないと語った。RCMPが、この件を捜査することには賛成で、詳しい捜査を望むとしているが、5月9日の投票日までに捜査が終了しないのではないか、と危惧していると語った。

 

 

2017年3月16日 第11号

 ブリティッシュ・コロンビア州クリスティ・クラーク州首相は13日の記者会見で、職場でハイヒールを強制することを禁止する法案に、賛成の意向を示した。

 これは国際女性デーだった今月8日、同州グリーン党アンドリュー・ウィーバー党首が、職場では着用する衣類・履物について男女同じ条件にすることを雇用主に義務付ける法案を、議会に提出。これについてクラーク州首相は賛成意見を、自身のツイッターやフェイスブックで先週表明していた。

 13日の記者会見では、法案には賛成する意向を示したが、「迅速でシンプル」な方法で可決し実施できる方法を模索中として、グリーン党の法案をそのまま可決するのか、新たに自由党が同様の法案を提出するのかは明らかにしなかった。

 ウィーバー党首は、レストランでは、いまだに女性従業員にハイヒール着用を強制しているのは、あまりにも前時代的と語り、滑りやすいレストランなどではケガの原因にもなるし、腰痛などを引き起こす要因にもなる、「正当性がない」と語った。

 グリーン党の法案は、職場でハイヒールを禁止するのではなく、着用する衣類について男女同じ条件にすることを義務付けるもの。「これに反対する人はいないだろう。2017年になってもまだ、こんなことを強制しているとは信じられない人もいるだろう」とウィーバー党首は語った。

 

 

2017年3月16日 第11号

 ニューファンドランド・ラブラドール州を3月11日に襲った猛烈な嵐で、空中に舞い上がったカヌーが住宅を直撃、中にいた人は辛くもけがを免れた。

 カヌーの直撃を受けたのは、ニューファンドランド島南東部、プレセンティア湾に面したフレッシュウォーターに住む、テレサ・パワーさん宅。カナダ環境省の観測によると、当時の風速は台風並みの50メートル/秒に達するほどだったという。この強風に巻き上げられた、隣家の裏庭においてあったポリエチレン製の頑丈なカヌーが、パワーさんの寝室部分に激突、そのまま外壁を突き破り、その内側に置いてあったベッドのヘッドボードを粉砕した。

 当時パワーさんは、そのベッドに横たわっていたが、九死に一生を得た。しかし全てが一瞬の間に起こったため、家の壁を突き破ってきたのが緑色のカヌーだとは、その衝撃音を聞いた夫が寝室に飛び込んでくるまで気がつかなかったと話している。

 カヌーはその一部がへこんだものの、ほとんど無傷。もしヘッドボードがなかったら、カヌーは自分の頭を強打していただろうと、パワーさんは語っていた。

 

 

2017年3月16日 第11号

 ノバスコシア州ハリファックスで3月1日、乗客の女性に性的暴行を働いたタクシードライバーに無罪の判決が言い渡されたことに対する抗議デモが行われた。

 この事件は2015年5月に同市で起こった。タクシー運転手のバッサム・アルラウィさん(40歳)は、酩酊状態で半身裸の状態だった女性に性的暴行を働いた容疑で訴追されていた。

 1日に出された判決では、女性が性的行為に合意しなかったことを証明するに足る十分な証拠を、検察が提出できなかったとして、アルラウィさんを無罪とした。しかし、判決文を読み上げた裁判官がその中で、酩酊状態であっても、合意できることは明らか、とコメントしたことから、そもそも合意とは何かという論議に火がついた。

 抗議デモを企画したクリッシー・メリガンさんは、司法判断は別として、今回、裁判官が使った論理と文言は、単に性的暴行容認の文化を永続させるものだと、その問題点を指摘している。今回の判決の論旨を突き詰めれば、「女性が酔っていれば」、性的暴行罪は成立しないというもので、到底受け入れられるものではない、とメリガンさん。

 デモは、ハリファックス市役所前から、スプリングガーデン通りにある州地方裁判所までを行進。判決を出したグレゴリー・リーハン判事が出勤している裁判所前で、抗議の声を上げた。

 この判決にはカナダ全国で大きな反響が沸き起こり、中にはリーハン判事の罷免を求めるグループもあるが、メリガンさんのグループは、この件についての公開調査を要求していくと取材に語っている。メリガンさんによると、この判事は過去にも性的暴行事件の審理で、被告に有利な(軽い)判決を出し、こうした事件から被害者を守ってこなかったという。

 一方、この騒ぎに対しノバスコシア州刑法弁護士協会は、「たとえ、一般市民からは批判されたとしても、疑わしきは罰せず」と、リーハン判事を弁護するコメントを6日に発表している。

 

 

2017年3月16日 第11号

 今年で27回目となる、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの花火大会『セレブレーション・オブ・ライト』。毎年異なった国のチームが花火を打ち上げ、その技を競うが、今年の参加国が7日発表された。

 トップバッターは日本(7月29日)で、それに英国(8月2日)とカナダ(8月5日)のチームが続く。

 今年はカナダ建国150周年を迎えることから、特別企画として「最もカナダらしい曲」の一般投票が行われる。上位3曲は、それぞれのチームの花火打ち上げ時の音楽に使用される。

 大会の運営を行うバンクーバー花火大会協会の共同議長ポール・ティルバリーさんは、音楽は花火大会に欠かせないものであり、観客にどのようなカナダのミュージシャンや曲がいいかを選んでもらうのは当然の成り行きだと、取材に語っていた。

 セレブレーション・オブ・ライトのフェイスブックには、投票のための候補曲10曲が挙げられており、そこから投票できるようになっている。また投票と同時に、会場となるイングリッシュ・ベイの特設展望席のチケット2枚が当たるコンテストに自動的にノミネートされる。

 花火大会は予定日の午後10時開始。優勝チームは8月8日に発表される。

 最もカナダらしい曲の候補10曲は、以下のとおり。

Leonard Cohen — Hallelujah
The Tragically Hip — Ahead By a Century
Chantal Kreviazuk - Surrounded
Michael Bubl— Haven’t Met You Yet
The Weekend — Can’t Feel My Face
Celine Dion — River Deep, Mountain High
Bryan Adams — Summer of ‘69
Shania Twain — Up!
Justin Bieber — Where Are You Now
Spirit of the West — Home for a Rest

投票は以下のページから。

https://www.facebook.com/CelebrationOfLight/app/1262315474260861

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。