2018年9月6日 第36号

 連邦政府がブリティッシュ・コロンビア(BC)州メトロバンクーバーの公共交通機関に13億7千万ドルを支援すると改めて強調した。

 9月4日に同州サレー市で記者会見したジャスティン・トルドー首相は、サレー市で計画されているサレーLRTとバンクーバー市のブロードウェイ地下鉄の建設を連邦政府が支援することを公式に承認した。

 同席したBC州政府ジョン・ホーガン州首相は、公共交通機関の充実は、住宅問題の解決と環境への配慮という点で重要な位置を占めると語り、「(メトロバンクーバーで)これまで欠けていたのは公共交通機関の改善と充実という部分で、これで次世代に残せる改善ができる」と語った。

 今回の連邦政府支援はすでに発表されていたもので、特に新しく追加された支援ではない。この点についてトルドー首相は、「今年行われるBC州統一選挙を前に、連邦、州、市が協力して次の10年間への支援を確定したことを約束したもの」と、メトロバンクーバー市民の生活向上に大きな意味のある支援だと強調した。

 トルドー首相が率いる自由党はトランスマウンテン・パイプライン拡張計画承認以降、メトロバンクーバーでの支持率を落としている。この日は8月30日に連邦上告裁判所がパイプライン拡張計画承認無効化の判決を下して初めてのメトロバンクーバー入り。来年の連邦総選挙に向けての準備ともみられている。

 

 

2018年9月6日 第36号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州サレー市を訪問していたジャスティン・トルドー首相は9月4日、現在アメリカと交渉中の北米自由貿易協定(NAFTA)について、カナダにとって不利な合意内容になるならNAFTAを締結しない方が望ましいとの見解を改めて強調した。

 NAFTA交渉は、8月28日にクリスティア・フリーランド外相がワシントンDC入りしてアメリカとの交渉を続けている。8月30日が合意期限とされていたが、話し合いは合意に至らず、9月5日から交渉を再開している。

 報道によれば、カナダの酪農業への保護措置制度が焦点となっているともいわれ、この点についてどこで折り合いをつけるかに注目が集まっているが、トルドー首相は保護政策で譲歩するつもりはないとこの日改めて強調した。

 

 

2018年9月6日 第36号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で今年発生した山火事が、史上最悪の規模になったことが8月29日わかった。

 州の発表によると、今年これまでに山火事によって焼失した面積は12985平方キロメートルになったという。これまで最悪だった昨年の12160平方キロメートルを上回った。

 山火事発生件数も2011件に上り、昨年の1353件を大きく上回っている。

 BC州では8月30日時点で、534カ所で燃え続けている。34カ所で避難指示が出され、約3200人が対象となり、避難勧告は53カ所で出され約22000人が対象となっている。

 BC州政府は29日に非常事態宣言を9月12日まで延長すると発表した。昨年は10週間にわたり非常事態宣言が出され、9月15日に解除している。

 2年連続で大きな山火事となった要因について、専門家は気候変動による高い気温と乾燥した空気、落雷の多発が引き金となったと分析している。

 

 

2018年9月6日 第36号

 居住地域はもとより、言語や文化なども含めた、カナダ全土に住む先住民を紹介する地図帳『カナダ先住民地図帳』が完成、オンタリオ州トロントで8月29日、公開された。

 連邦政府の予算によって、先住民のワークグループが2年の歳月を費やし、カナダ王立地理学会の協力も得ながら完成した地図帳は、全4刊。その他にも、オンライン版インタラクティブ地図帳なども、同時に完成した。こうした先住民への敬意が込められ、その生の声が反映された有意義な地図帳は、先住民の子供たちだけではなく、それ以外の子供たちにとっても良い教材となるだろうと語るのは、このプロジェクトの教育アドバイザーを担当したシャーリーン・ベアヘッドさん。

 地図帳作成には、先住民やメティス、イヌイットなどの各グループが、どのような内容を自分たちのセクションに載せるかを決めた。失踪および殺害された先住民女性の国家調査プロジェクトの教育コーディネーターも務めるベアヘッドさんは、こうした作成過程が重要だと語っている。

 また、カナダ王立地理学会の最高執行責任者(COO)のジルズ・ガグニエさんも、優れた教育書として、この地図帳は先住民との融和へ向けた確固たるステップになると指摘。この地図帳から学ぶことが、カナダ全土はもとより、全世界に散らばる先住民たちの声に耳を傾け、理解することの一助になると語っている。

 この地図帳にはそのほか、寄宿学校や植民地化、人種差別、また文化盗用といったトピックにも言及している。この地図帳の共同編集者で、ブリティッシュ・コロンビア州カニム湖先住民居住区メンバーのジュリアン・ブレーブ・ノイズキャットさんは、この地図帳に込められた先住民たちの声が多くの人に届き、行動を起こすきっかけになることを期待している。

 この地図帳は間もなく、カナダ全土の学校に配布されるほか、教師にはこの地図帳の有効利用を手助けするガイドも送られる。「私たちは今、かつて誰かの土地だったところに居座っているが、その彼らについて学ぼうとしなかった。しかしこの地図帳がある限り、もう言い訳は許されない」と、ベアヘッドさん。この地図帳が学校内にとどまらず、ひろく一般家庭にまで広まり、先住民に関する教育の糸口となることを期待している。

 

 

2018年9月6日 第36号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドにあるトランポリン遊戯施設、エクストリーム・エア・パークで、事故が続いている。

 8月29日には、教会が主催するサマープログラムの一環で、リッチモンド市の同施設を訪れていた10歳のチェースちゃんが、ロッククライミングの壁から転落、床にたたきつけられ大けがを負った。

 子供たちはロッククライミング用のハーネス(自分の体重をロープにゆだねるための、腰と太ももに装着する支持器具)を着け、クライミング用の壁に掛けられていたロープにハーネスを接続、ロッククライミングを始めた。なお子供たちの様子を従業員が監督していたのは、最初のうちだけだったという。

 チェースちゃんと親友は約4・5メートルまで壁を登ったが、そこからロープ伝いに降りようと、ハーネスにつけた器具とロープの摩擦を調整してしてゆっくり降り始めるはずだった。しかし器具が壊れていたか、適切に固定されていなかったせいで、チェースちゃんはその高さから落下、床にたたきつけられた。床には保護マットなど衝撃を和らげるものはなかった。

 チェースちゃんは左足骨折のほか、左ひじと右手首も骨折、さらに顔の骨も3カ所ひびが入った。教会からの引率スタッフの一人が看護師で、すぐさま応急処置を施した。その後チェースちゃんはBC州小児病院へ搬送されたが、今後2〜3カ月は車いすの生活になるだろうと、チェースちゃんの叔父が取材に語っていた。

 この事故に関するメディアの問い合わせに、エクストリーム・エア・パークは応じていない。この施設では、これまでにも何回か事故が起きている。1月には46歳の男性が、トランポリンからジャンプして飛び込めるよう、ウレタンフォームの立方体で満たされたピットに飛び込んで心臓麻痺を起こし、死亡している。また8月にも、誕生日パーティーで同じ施設を訪れていた3歳児が、トランポリンを保持しているスプリングの隙間から、トランポリン下の床に転落する事故が起きている。さらに今月1日には、ニューウェストミンスター市にある同施設で、4歳の少女が左足を骨折したほか、左足首にひびが入った。この事故に関しては、施設側が当時の様子を撮影した動画を公開、この少女の父親が、施設では禁止されている『ダブルジャンプ(一人が跳ねるタイミングを狙って、別の人物がトランポリンに飛び込み、トランポリンの跳躍力を増加させる技)』を行っていたと指摘している。

 いずれにせよ、事故が頻発することを憂慮する人々の間からは、利用者の安全を守るための規制を設けるべきだという声が高まっている。さらに医療関係者からも、トランポリン・パークでの事故の多さを問題視する動きが出ている。

 

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。