12月14日にオープンしたカナダ初の猫カフェが、猫不足に陥り一時閉店する事態となった。

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのチャイナタウンにある、ショッピングセンターの一角で営業開始した猫カフェ『キャットフェ』は、オープニングスタッフの11匹の猫のうち9匹までが里親にもらわれてしまい、同店を卒業。たまたま年末年始のタイミングが重なるなどして、補充要員(猫)の手配が間に合わず一時閉店することとなった。

 同カフェに猫を提供しているBC州動物愛護協会は、里親探しが驚くほどスムーズに行くカフェに賞賛を送っている。さらに同協会で保護している猫の数が少なくなるのはこの時期だけで、春以降はその数もかなり増えると取材に話しており、今回のような供給不足に陥ることはなさそうだ。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーで9日、日没を見に同市北部の山へ登ったハイカーらが下山中に迷い、救助隊に救助された。

 一行は7人だったが、誰も懐中電灯などを持っていなかった。当日の日の入りは午後4時半過ぎだが、暗くなった山道に迷い午後6時ごろに救助を要請。このうち6人はノースショア救助隊のガイドで午後9時半までに下山したが、怪我を負った残りの一人にはさらなる支援が必要となり、結局下山できたのは真夜中になってからだった。

 この軽率な行動に対してインターネット上では批判の声が相次いでいるが、ノースショア救助隊はハイカーの失敗を責めたり、そのために起こった救助の費用を請求したりするようなことはないとウェブサイトでコメントしている。

 その上で『必携10アイテム』を持って行かなかったなど、失敗した他人の経験談から学び、同じようなことを繰り返さないでほしいと述べている。また今回は間違いなく準備不足の軽率な行動だったが、迷ったあとは無闇に動き回ったりせずに救助を求めるなど、正しい判断も下していると付け加えている。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州コキットラム市市長が、カナダに受け入れられて間もないシリア難民が働く床屋で散髪した。

 市長のリチャード・スチュワートさんが最初の顧客となったのは、カナダが表明した2万5000人のシリア難民受け入れ政策で、昨年末にバンクーバーに妻と5人の子供とともに到着したモハマンド・クルディさん。

 母国シリアで床屋として15年の経験を持つクルディさん。そんな彼とともに新しい美容室『クルディ・ヘア・デザイン』をポート・コキットラム市に開いたティマ・クルディさんは、昨年9月にトルコからギリシャへの渡航に失敗して溺死、トルコの海岸に遺体が流れ着いたアイラン・クルディちゃんのおばに当たる。

 浜辺に横たわったクルディちゃんの写真は世界中のメディアに掲載され、シリア難民に対する世界の関心を一気に高めたことは、まだ記憶に新しい。

 クルディさんがBC州に到着して間もなく、スチュワート市長が歓迎と支援の気持ちを表すために、クルディさんに散髪をしてもらいたいと提案した。

 散髪を終えた市長は、クルディさんの腕前は確かなものだったと、その髪型に満足した様子だった。また、カナダの生活に慣れていないクルディさんが、慣れた手つきと希望に満ちた表情で散髪をしているのが見られてうれしいと取材で話している。さらにクルディさんも、カナダで働けるようになったことについてみなに感謝しているとともに、これからは支援に頼らず、自分で生活できるように早くなりたいと、抱負を市長に語っていた。

 

 多くのハクトウワシが集まることで有名なブリティッシュ・コロンビア州スコーミッシュで3日、その個体数調査が行われた。

 バンクーバーから北へ車で1時間弱のこの地で開催されていた、第30回ブラッケンデール・ウィンター・イーグル・フェスティバルの一環として行われたこの調査には60人以上のボランティアが参加、スコーミッシュ川沿いを徒歩とゴムボートを利用して、ハクトウワシの数をカウントしていった。

 約20年前の最盛期には4千羽弱を数えたこの調査、今回はなんと最低記録の411羽にとどまった。調査のオーガナイザーも、このような事態は見たことがないと、驚きを隠せないでいる。

 この冬のスコーミッシュ川の水位は極端に低く、また氷結している箇所も多かった。そのためゴムボートのボランティアは、予定していた調査区間の3分の1ほどをボートから降り、それを担いで行動しなければならなかったため、最終的に調査区間全体を見ることができなかった。

 なお、ハクトウワシの減少には、えさとなるサケの減少が関与しているとみられている。例年11月にはシロザケがスコーミッシュ川を遡上し産卵するが、サケはその後死んで川岸に打ち上げられて、鳥などの食料となる。ところが今年の秋は大雨のため川が増水、そうしたサケの死骸を押し流してしまい、えさ不足に見舞われてハクトウワシの数が減ったというもの。

 またサケの減少についての別の原因には、サケ養殖場で発生する海シラミもあげられている。この寄生虫が、海に戻った若い天然サケにも移ったため、その減少を招いたと考えられている。

 その一方で、カナダ漁業海洋省は、過去2年にわたりシロザケの稚魚を大量に放流しており、今後の推移を見守りたいと、調査オーガナイザーは取材に語っている。

 ちなみに最近のハクトウワシ数の推移は、2013年が1627羽、2014年が637羽だった。最高記録の3769羽を数えたのは1994年だった。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドの公共交通機関を運営するトランスリンクは先週、紙製回数券(フェアセーバーズ)の販売を1月いっぱいで終了すると発表した。

 また1月中であっても、店頭の在庫がなくなった段階で販売終了となり、その後は電子カードのコンパスカードを購入し、いくらかの金額(stored value)をカードにチャージすることで、今までどおりの割引価格で交通機関が利用できるとトランスリンクは説明している。

 なお、すでに購入している紙製回数券は、バスでは今までどおり利用できる。スカイトレインやシーバスでは、設置されている改札ゲートが全て閉鎖(稼動)されない限り、使用できる。

 トランスリンクはコンパスカードが普及していくのに合わせ、利用者が新しいシステムに慣れるよう、稼動する改札ゲートの数を増やしている。特にバス以外の機関を利用した際のタップアウト(降車時や駅から出る時の読み取り)を忘れないよう、呼びかけている。

 なお、昨年からBC州障害者同盟などが指摘、予想していたとおり、手が不自由などの理由でコンパスカードを読み取り機にかざせない人は、ゲートが全て稼動してしまうと自力では交通機関が利用できないという問題が、ゲートの稼動開始とともに浮き彫りになってきた。

 この問題に対しトランスリンクは今のところ、身障者用の改札ゲートのみ解放しておくことで対応しているが、それでは開いているゲートに通行人が集中、電動車いすなどとの事故の危険性が高くなると指摘する声も出ている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。