2017年11月16日 第46号

 バンクーバー市は14日、エアビーアンドビーなどのホームシェアリングでの短期レンタルに関する規制を強化する法案を可決した。

 市によると、長期間居住者がいない住居、第2住居など、所有者が生活していない住居の短期レンタルを禁止する。短期レンタルが許可されるのは居住している住宅の一部のみ。その場合も年間49ドルのライセンス料の支払いが必要となる。

 今回の措置はバンクーバーで問題となっている住宅不足解消を目指すもので、今年初めに同市が導入した空室税(住居者のいない住宅への課税)と合わせて、賃貸物件を確保する狙いがある。

 カナダで最も不動産価格が高いバンクーバーは、外国人の住宅購入による住宅価格の高騰と賃貸物件不足による賃貸料の急騰で、住民からは一般市民の住宅事情の悪化に対して不満の声が大きくなっている。

 住宅購入についてはブリティッシュ・コロンビア州政府が2016年8月に市民権・永住権を持たない海外の購入者に対して15パーセントを課税する海外購入税を導入した。

 エアビーアンドビーは今回の措置について、今後もバンクーバーでの事業を引き続き展開していく、市が短期レンタル事業に明確な規制を導入したことを支持するとの声明を発表している。

 

 

2017年11月16日 第46号

 倫理委員会マリー・ドーソン委員長は10日、ビル・モルノー財務相について利益相反行為がないか正式に再調査をすることを明かした。

 モルノー財務相が提出した法案C-27と財務相個人との関係に限定して調査するという。C-27は2016年10月に提出された年金制度改革の一部で年金の新基準を設けるという法案。モルノー財相は政界入りする前にモルノー・シェペル社の会長を務めていた。その株式を同相が政治家になって以降も間接的に保有し、今回財務相として年金改革制度法案を提出していることが利益相反に抵触する可能性があるとしている。同社は人材サービス業者で年金管理技術・サービスの提供などを業務内容としている。

 通常は、企業経営者が政界入りする時には職権と利害が衝突しないようブラインド・トラスト(白紙委任信託)に委ねる。ところが今年10月に全国紙グローバル&メールが、モルノー財相がブラインド・トラストを利用していない事実を掲載。モルノー・シャペル社の株式がモルノー財相就任後に値上がりし、額面上同相がミリオン単位の利益を得ていることが明らかになると、野党から批判が巻き起こった。

 C-27は年金制度に関する法案でモルノー・シャペル社の利益に直結する可能性がある。野党はこの点を指摘し、法案を通すことで利害衝突の可能性が生じないのかドーソン委員長に再調査を依頼していた。

 これに対し、モルノー財相は政界入りする時にドーソン委員長のアドバイスを受け、その通りに対応したもので法に違反することはやっていないと説明。今回の調査にも全面的に協力すると声明を発表している。

 

 

2017年11月16日 第46号

 ケベック州で今月5日に行われた市町村議会選挙で、モントリオール近郊の小さな村トレス・セント・レデンプターでトランスジェンダー村長が誕生していたことが10日分かった。当選したのはジュリー・レミュー村長(45)。「これから新たな歴史が刻まれていく。私にできることはたくさんある」とCBCの電話インタビューに応えている。

 トレス・セント・レデンプターは人口946人の小さな村で、今回村長に立候補したのは3人。レミュー村長は235票、得票率48パーセントで当選した。

 5日は、モントリオール市で同市初の女性市長バレリー・プランテ市長が誕生し話題となったが、トレス・セント・レデンプター村も137年の歴史上初の女性村長誕生となった。

 

 

2017年11月16日 第46号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市のBCプレースで9日に開催された女子サッカー親善試合カナダ対アメリカの一戦は1-1の引き分けに終わった。この日は2万8017人が詰めかけ、両チームに大声援を送った。

 先制したのはアメリカ。31分にFWアレックス・モーガンが決め1-0。前半を終えた。カナダは後半に入って間もない57分。FWディーン・ローズに代わって32分から途中出場したFWアドリアナ・リオンが混戦の中で押し込みゴール。この前にはFWジェニン・ベッキーのシュートがGKに、DFレベッカ・クインのシュートがバーに当たり阻まれ、3度目のシュートでようやくゴールが決まった。

 カナダはその後も何度かゴールチャンスがあったが好セーブやポストに阻まれ、追加点を奪えなかった。

 試合後、カナダのジョン・ハーマン監督は、選手の成長に手応えを感じていた。若返りを図っている両チーム。アメリカのジル・エリス監督は、この両チームの対戦はどんな状況だろうとライバル心が現れる好ゲームとなると引き分けを評価した。

 12日にアメリカのカリフォルニア州サンノゼで行われた同カード第2戦は1‐3でアメリカが勝利した。

 

 

2017年11月16日 第46号

 連邦政府キャサリン・マッケナ環境相は14日、世界と協力して石炭発電の世界的な廃止に向けて尽力すると発表した。

 今月6日から17日までドイツのボンで開かれている国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)に出席するためにボンを訪問しているマッケナ環境相は、各国政府や企業などと協力しながら石炭発電の廃止を目指すと記者団に語った。

 16日にはイギリスと同盟を立ち上げ、各国に賛同するよう呼びかける。トロント地方紙トロントスターによると、イタリア、フランス、チリがすでに石炭発電廃止に向けた政策を始めていると同相が語ったという。

 カナダ国内では2030年までに石炭発電の全面廃止を目指している。現在石炭発電を行っている州は、アルバータ、サスカチワン、ニューブランズウィック、ノバスコシアで、国内の温室効果ガス排出量の10パーセントを占めている。ただノバスコシア州同年11月に連邦政府との間で2030年以降も石炭を発電に使用し続けることで合意。連邦政府は、ノバスコシアはすでにカナダの目標をクリアし、2020年までにエネルギー供給の40パーセントを再生可能燃料に切り替えられる準備を進めていると説明している。

 カナダはパリ協定で2030年までに2005年比で30パーセントの温室効果ガス削減を目標としている。

 石炭発電については今年アメリカのドナルド・トランプ大統領が石炭発電を促進する方針を発表。カナダの脱石炭発電運動はアメリカとの関係に摩擦を生じさせるのではとの懸念の声が上がっている。カナダは現在アメリカ、メキシコと北米自由貿易協定(NAFTA)を巡る交渉中で、交渉は難航していると伝えられている。

 

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。