2017年11月30日 第48号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にあるバンクーバー水族館で24日、イルカのチェスターが死亡したことが分かった。同日、同水族館が発表した。

 チェスターは2014年にバンクーバー島トフィーノ付近で海岸に打ち上げられていたところを付近の住民が発見し、同水族館が保護した。

 当時は生後数週間とみられケガの状態もひどかったという。それでも同水族館の手当のおかげで快復し、カナダ漁業海洋省が自然に返すのは困難と判断したことから、同水族館が飼育していた。

 チェスターはオキゴンドウと呼ばれるクジラ・イルカの仲間で、またの名をシャチモドキともいう。バンクーバー水族館が飼育していたイルカはチェスターとヘレンの2頭のみで、今回のチェスターの死亡でヘレンだけが残されることになった。水族館は残されたヘレンのケアにしばらくは集中すると語っている。

 チェスターの死因は不明で今後死因の解明を急ぐとしている。同水族館ではイルカの死亡が昨年から相次いでいる。昨年11月には白イルカ2頭が相次いで死亡、今年6月にもイルカが死亡している。

 

 

2017年11月30日 第48号

 自由党政権ジャスティン・トルドー首相は24日、ニューファンドランド・ラブラドール州のレジデンシャル・スクール経験者に対して謝罪した。

 この日、同州ハッピー・バレー-グースベイを訪問し、式典に集まった関係者約300人の前で「皆さんの前で謙虚な気持ちで対面し、先延ばしされ続けた謝罪の言葉を伝えたい」と語った。

 同州の先住民族の犠牲者だけがその苦しみを背負っていく必要はない、カナダ政府を代表して、国民を代表してお詫びすると語った。

 レジデンシャル・スクールは、1830年代から1990年代まで続いた、カナダ政府が先住民族の子どもたちを対象に実施した一種の先住民族文化浄化のための政策。子供たちを親から引き離し、寄宿生活を強いて、それぞれの母国語を使うことを禁止したほか、先住民族が持つさまざまな文化的習慣も禁じ、英語・フランス語と西洋文化を強制した。

 さらに、レジデンシャル・スクールでは、精神的苦痛を受けていただけなく、肉体的、性的暴行も日常的に行われていたことが経験者の証言によって明らかになった。

 カナダ政府は保守党政権の2008年に、当時のスティーブン・ハーパー首相が公式に謝罪。しかしニューファンドランド・ラブラドール州についてのみ、同州がカナダ連邦に参加する1946年以前から同様のスクールが存在していたことから、カナダ政府の責任ではないとし謝罪の対象外とした。今回のトルドー首相の謝罪は、この時対象外とされた同州先住民族に対して行われた。

 同州先住民族を代表してトビー・オベド氏が、トルドー首相の謝罪の後に壇上に上がりあいさつ。政府に対する集団訴訟で先頭に立っていた同氏は、「レジデンシャル・スクール被害者を代表して首相の謝罪を受け入れる」と語った。

 多くの先住民族は首相の謝罪を受け入れたが、一部のファーストネーションでは自分たちに行われた非人道的な行為が完全に明らかにされていないとして、今回の式典への出席を拒否した。

 同州先住民族がカナダ政府に対して起こした集団訴訟で、昨年5月、自由党政権は5千万ドルで和解している。

 

 

2017年11月30日 第48号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドの公共交通機関を運行するトランスリンクは、利用客の多い路線に二階建てバスを試験的に導入すると発表した。常に混雑している、距離の長い路線の利用状況改善を目指す。

 二階建てバスが今週から導入されるのは、以下の5路線。

301系統・ブリグハウス駅ーニュートン・エクスチェンジ
311系統・ブリッジポート駅ースコッツデール・エクスチェンジ
351/354系統・ブリッジポート駅ーホワイトロック/サウス・サレー
555系統・ローヒード駅ーカーボルス・エクスチェンジ(ラングレー)
601/620系統・ブリッジポート駅ーサウスデルタ/ツワッセン・フェリー乗り場

 この試験運行を16日に発表したトランスリンクCEOのケビン・デズモンド氏は、今後30年で120万人の人口増加が見込まれる中、特に郊外からの需要増に対応していく必要があると述べている。そうした中、同州ビクトリアのように2階建てバスの導入が成功しているケースに触れ、ローワーメインランドでも成果が期待できるとしている。またデズモンド氏自身も米ワシントン州・シアトルで同様の成功例を経験していることからも、このプロジェクトに自信を持っていることが伺えた。

 なお使用される2階建てバスは、イギリスのバスメーカー、アレクサンダー・デニス社から無償供与される。身障者のためのバリアフリーもちゃんと考慮されており、定員は80〜86人。旧型の高速バスより83パーセント多くの乗客を運べるとトランスリンクでは説明している。二階への階段は幅広く、照明が行き届いているほか、上り口には二階の空席状況を知らせるディスプレーも設置されている。

 今回は試験導入ということもあり投入台数はわずか2台なので、当面の間このバスにめぐり逢える機会は少なそうだ。トランスリンクでは2019年までに32台を購入する予定。

 

 

2017年11月30日 第48号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドのコキットラムに住むドッグウォーカーの女性が、行方不明になってから3日後に無事発見された。

 この女性は、犬のデイケア施設アンネット・ドギー・デイケアを経営するアンネット・ポワトラさん(56歳)。20日、自身の飼い犬を含む3匹の犬を連れてコキットラムのウェストウッド・プラトー・ゴルフ・アンド・カントリークラブ近くに車を止め、ハイキングに出かけてから行方が分からなくなっていた。最後に所在が確認されたのは、携帯電話をかけた午後3時半ごろのことだった。

 その日の夜に捜索願が出されてから、連邦警察(RCMP)やコキットラム救難捜索隊がポワトラさんの捜索を開始した。夫によれば、車が見つかった場所からアクセスできるトレールは年取った犬でも歩けるような易しいコースで、ここを熟知していたポワトラさんはすぐに発見されると思われた。しかし折からの悪天候にさいなまれ、21日夜になっても消息はつかめないままになっていた。さらに、視界不良でヘリコプターも飛べなくなり、捜索活動を一時縮小せざるを得ないほどの状態だった。

 ポワトラさんは普段から体を鍛えていたものの、当日は短時間の外出しか想定していない服装だったため、大雨となり気温が下がった夜を無事過ごせたかどうか、関係者は心配していた。

 彼女が犬と一緒にいるところを発見されたのは、22日午前11時ごろのことだった。場所はトレールからは大きく外れた、バーク山付近のぬかるんだ場所だったという。彼女は足を滑らせけがを負い、歩けない状態だった。そのままヘリコプターで病院に搬送されたが、けがは完治するとみられている。

 

 

2017年11月30日 第48号

 サスカチワン州レジャイナ市北部の安売りスーパーマーケットで、特定の先住民が買い物に来るたび、万引きなどを監視する警備店員が執拗にそのあとをついて回っていた。先住民はこのことを録画、ネット上で公開した。

 同市北部に住むエゼキエル・ビッグナイフさんは、すぐ近所にあるこのスーパー、ジャイアント・タイガーをよく利用している。しかし10月初め以来、店内を巡回している特定の警備店員が、ビッグナイフさんが店内にいる間ずっとあとを付け回し始めたという。店内には他にも注意すべき買い物客はいくらでもいたのだから、これは人種差別に基づく行動以外考えられないとビッグナイフさん。「何も後ろめたいことはしていないのに、まるで自分が悪事を働いているような感覚に陥った」と語るビッグナイフさん、公共の場でこんな居心地の悪さを感じなければならない筋合いはないと憤る。

 そんな彼が24日に、この様子を写した動画をインターネット上で公開すると、25日にはジャイアント・タイガー本社が「この店員の行動は当社の価値基準や就業規則とは相反するもので、決して起こってはならない事態」だと明言。文書と口頭でビッグナイフさんに謝罪するとともに、内部調査を行うことを明らかにした。また調査の間は、ビッグナイフさんを付け回した警備店員を停職扱いにするという。

 しかしこれだけでは十分でないと、ビッグナイフさん。彼は問題を起こした北レジャイナ店からの直接の謝罪と、特定の常連客だけをマークするようなことをやめ、注意深い行動を取るよう、店員に対する教育の改善を求めている。

 さらに内部調査の結果、この店員が復職することは受け入れがたいとしている。このような行動を取った人物は、解雇されて然るべきだと主張している。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。