2017年11月16日 第46号

 連邦政府キャサリン・マッケナ環境相は14日、世界と協力して石炭発電の世界的な廃止に向けて尽力すると発表した。

 今月6日から17日までドイツのボンで開かれている国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)に出席するためにボンを訪問しているマッケナ環境相は、各国政府や企業などと協力しながら石炭発電の廃止を目指すと記者団に語った。

 16日にはイギリスと同盟を立ち上げ、各国に賛同するよう呼びかける。トロント地方紙トロントスターによると、イタリア、フランス、チリがすでに石炭発電廃止に向けた政策を始めていると同相が語ったという。

 カナダ国内では2030年までに石炭発電の全面廃止を目指している。現在石炭発電を行っている州は、アルバータ、サスカチワン、ニューブランズウィック、ノバスコシアで、国内の温室効果ガス排出量の10パーセントを占めている。ただノバスコシア州同年11月に連邦政府との間で2030年以降も石炭を発電に使用し続けることで合意。連邦政府は、ノバスコシアはすでにカナダの目標をクリアし、2020年までにエネルギー供給の40パーセントを再生可能燃料に切り替えられる準備を進めていると説明している。

 カナダはパリ協定で2030年までに2005年比で30パーセントの温室効果ガス削減を目標としている。

 石炭発電については今年アメリカのドナルド・トランプ大統領が石炭発電を促進する方針を発表。カナダの脱石炭発電運動はアメリカとの関係に摩擦を生じさせるのではとの懸念の声が上がっている。カナダは現在アメリカ、メキシコと北米自由貿易協定(NAFTA)を巡る交渉中で、交渉は難航していると伝えられている。

 

 

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