2016年12月1日 第49号

 ブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバーのライオンズ・ゲート病院で、手術器具が十分洗浄されないまま使用されていたことがわかった。

 バンクーバー・コースタル保健局によると、手術室の洗浄機に洗剤を送り込む5つのポンプのうち、4つが作動していなかったという。病院内の電力供給に問題があったと、保健局では説明している。

 ポンプは11月9日夜中に停止したとみられているが、同14日の昼ごろまでは誰も異常に気がつかなかった。その後ポンプは直ちに修理され、使用中でなかった器具も再洗浄が行われた。

 保健局では、合計225人の患者の手術で正しく洗浄されなかった器具が使用されたとしており、該当する人に文書でこの件を通達している。

 しかし保健局は、手術室の器具洗浄は万が一に備えて、いくつかのプロセスを経るようになっていると指摘、これによる感染の可能性は限りなくゼロに近いと説明している。その上で専門家との協議の結果、該当する人も特にテストや処置を受けたりする必要はないとの結論に至ったと説明している。

 また気になる点がある場合は、かかりつけの医師と相談するようアドバイスしているほか、連絡先も文書中に記載されている。

 ポンプが復活してからは同病院での手術には何の支障も起きていないほか、その作動状況はモニターされるようになった。

 

2016年12月1日 第49号

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市は、家庭での漏水による上水道の無駄を削減するため、ユニークなコンテストを発表した。

 市役所によると、特にトイレは大きな要因のひとつになっており、1日に最大で135リットルもの水が無駄に流れているという。

 このことを真剣に考えてもらおうと、市は11月下旬に各家庭に送付予定の税金通告書に、トイレの水漏れをチェックする方法を紹介したパンフレットと、そのためのテスト紙片を同封することにしている。

 テスト方法はいたって簡単。トイレの水タンクに、このテスト紙片や食紅を少量滴下して、タンクの水を着色する。そのまま水を流さず15分待ち、その間に便器のほうの水が同じ色に変わるかどうかをチェックするというもの。

 色が変われば水漏れの証拠。多くの場合はタンクの底にある、レバーの操作で開閉して水を流す「ふた」の部分の劣化が原因。一般的な住宅設備用品を扱っている店で入手でき、値段も高くなく比較的簡単に修理できるという。

 そして、市民の関心を高めるために市役所が考えたのが、今回のコンテスト。もし便器の水が青色(市が送付するテスト紙片を利用した場合、水は青色になる)になった場合、画像を専用ウェブサイトから投稿することで、このコンテストに参加することができる。

 応募期間は12月9日まで。優勝者には1年分のトイレットペーパーが賞品として贈られる。

 今回の取り組みは、同市が目指している「最もグリーンな都市」プロジェクトの一環。市では2020年までに市民一人当たりの水消費量を33パーセント削減する目標を掲げている。

 

2016年12月1日 第49号

 オンタリオ州は自動運転車の公道でのテスト走行を許可したことを11月28日、明らかにした。カナダ国内では初めて。

 同州は今年1月1日に自動運転車のテスト走行プログラムを開始したが、最初の半年はどの企業からも申し込みがなかったという。

 州政府は、同州ウォータールーに本社を置くスマートフォンメーカー・ブラックベリー社とウォータールー大学がフォードモーターズとの共同開発車を、ドイツのアーウィン・ハイマー・グループがダイムラー社メルセデス‐ベンツのバンを、テスト走行する予定と発表した。

 ただ、テスト走行する時期については各社次第と明らかにしなかった。

 

2016年12月1日 第49号

 カナダを代表するポップスター、ジャスティン・ビーバーさんがコンサート会場から去る時に、ファンの顔面を殴った映像がメディアから流された。

 ヨーロッパツアー中のジャスティン・ビーバーさんは11月22日、スペイン・バルセロナでのコンサートを終え車に乗り込んだところだったが、アメリカの有名人ゴシップを追いかけるメディアが、その様子を撮影していた。その映像は、ビーバーさんが黒塗りの車の後部座席に座っているところを捉えており、窓は下げられたままだった。

 そこに突然、ファンの男性が窓から腕を中に入れ、白いセーターを着たビーバーさんの上体に触ったところが映されている。この男性はゆっくり動く車に合わせ、ビーバーさんに触れたまま歩いていたが、最後はビーバーさんが男性の顔面を殴って車から遠ざけた。

 口から流れた血で唇を真っ赤に染めた男性は「殴られた。ジャスティン・ビーバーの顔に触ったら、殴られた」と、殴られる様子をまねながら憤った調子でまわりの群集にスペイン語で叫んでいた。

 関係者は、ジャスティン・ビーバーは、この男性の行為に危険を感じ、その時取れた最善の対処を行ったと、メディアに説明している。またファンに危害を加えるのは彼の望むところではなかったが、彼の好意に対し、顔に触れるなど行き過ぎた行動からは自身を守らざるを得なかったと付け加えている。

 なお、ジャスティン・ビーバー本人や彼の代理人からは、特にこの件についてのコメントは発表されていない。

 この動画はショッキングではあるが、次から次へとメディアを賑わすジャスティン・ビーバーを知る人にとってはそれほど驚くことではないらしい。ワシントン・ポスト紙は「飲酒ドラッグ・レース、警察沙汰好き、アンネ・フランク―ジャスティン・ビーバーのお騒がせなこの1年のまとめ(DUI drug racing, felony egging, Anne Frank : A short history of Justin Bieber's year of trouble making)」と題したレポートを出している。

https://www.thestar.com/news/world/2016/11/23/justin-bieber-punches-fan-in-the-face-in-spain.html

 

2016年12月1日 第49号

 オンタリオ州トロントで11月14日午前7時30分頃、着陸態勢に入っていた旅客機が衝突を回避しようとした謎の飛行物体は、その正体がわからないままとなった。

 飛行物体と衝突しそうになったのは、同市中心部のオンタリオ湖岸にあるビリー・ビショップ・トロント・シティ空港に向けて飛行中だった、同州オタワ発のポーターエアライン204便のボンバルディアDHC-8型機。

 同機はトロントの東55キロメートルほどにあるピカリングの南のオンタリオ湖上空を、空港に向けて高度9千フィートで飛行中だった。パイロットは前方に気球のような飛行物体を確認していたが、この物体と衝突する危険性が出てきたため、急旋回する回避操作を行った。54人の乗客にけがはなかったが、客室乗務員2人が軽いけがを負い、病院で手当を受けた。

 当初はドローンと考えられていた飛行物体だが、調査を行っていた交通安全委員会は11月22日、調査の結果この物体の正体を確認することはできなかったと公表した。その理由は、当時の高度や湖岸からの距離が、一般のドローンが達する限界を超えているためだとしている。

 このインシデントは、同委員会のデータベースに記録されるが、公式な調査報告書は作成されないことになった。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。