2016年12月1日 第49号

 オンタリオ州トロントで11月14日午前7時30分頃、着陸態勢に入っていた旅客機が衝突を回避しようとした謎の飛行物体は、その正体がわからないままとなった。

 飛行物体と衝突しそうになったのは、同市中心部のオンタリオ湖岸にあるビリー・ビショップ・トロント・シティ空港に向けて飛行中だった、同州オタワ発のポーターエアライン204便のボンバルディアDHC-8型機。

 同機はトロントの東55キロメートルほどにあるピカリングの南のオンタリオ湖上空を、空港に向けて高度9千フィートで飛行中だった。パイロットは前方に気球のような飛行物体を確認していたが、この物体と衝突する危険性が出てきたため、急旋回する回避操作を行った。54人の乗客にけがはなかったが、客室乗務員2人が軽いけがを負い、病院で手当を受けた。

 当初はドローンと考えられていた飛行物体だが、調査を行っていた交通安全委員会は11月22日、調査の結果この物体の正体を確認することはできなかったと公表した。その理由は、当時の高度や湖岸からの距離が、一般のドローンが達する限界を超えているためだとしている。

 このインシデントは、同委員会のデータベースに記録されるが、公式な調査報告書は作成されないことになった。

 

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