2016年12月1日 第49号

 連邦政府マリアム・モンセフ民主機構相は11月24日、在外カナダ人にも選挙権を復活させると発表した。現在、カナダ国外に5年以上滞在している場合は、カナダ国籍保有者であっても選挙権を有しない。

 今回の変更は、自由党が選挙前から公約に掲げていた選挙制度改革の一環。すでに国会に同相から法案が提出され、通過する見通し。同相は、「有権者が選挙に参加しやすくなるということは、より堅実な民主主義を作っていくこと」と語った。

 これで約100万人の在外カナダ人が選挙権を有することになる。

 自由党政権は引き続き選挙制度改革を継続していくと語った。現政権は現在の小選挙区制から脱却し、新制度による選挙を次期選挙には実施することを目標としている。

 

2016年12月1日 第49号

 連邦政府・環境気候変動省は11月25日、2030年までに温室効果ガス排出量を30メガトン削減することを目標とすると発表した。

 詳細は、州政府や関連産業を含めて協議決定し、2017年2月に発表するとしている。

 同日トロントでキャサリン・マッケナ環境・気候変動相が記者会見し、「クリーン燃料基準」構想を発表した。目的は、燃料の炭素強度(エネルギー消費当たりの二酸化炭素排出量)を下げ、燃料からエネルギー製造のために派生する一定の排出量を削減する。

「国民は、比較的安価で、安全で、クリーンな燃料によるエネルギーを望んでいる」とマッケナ環境相。州政府、関連産業、先住民族、非政府機関の協力を得てカナダ独自の基準を制定すると語った。さらにクリーン燃料基準を導入することにより、クリーンエネルギー産業を促進させ、バイオ燃料や、電気、水素などの代替燃料、比較的クリーンな天然ガス産業の活発化も視野に入れていると語った。

 カナダは昨年のパリ会議で2030年までに2005年比で30パーセントの温室効果ガス排出量削減を目標に掲げ、先月批准した。しかし環境省の調査では、現在のままではこの目標を達成するのはかなり厳しいとされている。

 クリーン燃料基準は自動車だけでなく、住宅、建物、産業界にも適用するとしている。

 

2016年12月1日 第49号

 オンタリオ州キャサリーン・ウィン州首相が11月26日から1週間の日程で日本と韓国を訪問する。オンタリオ州への投資や貿易促進が目的。同州首相と共に企業トップや大学関係者も45人同行する。日本は東京と名古屋を、韓国はソウルを訪問する。

 オンタリオ州と日本の昨年の貿易額は110億ドル。韓国とは60億ドル。両国ともに貿易額は年々増加している。韓国とは連邦政府が自由貿易協定を結んだことから、オンタリオ州にとってもビジネス好機となると今回の訪問となった。

 同州首相は就任して以来、中国、インド、アメリカ、イスラエル、ヨルダン川西岸を訪問している。

 

2016年12月1日 第49号

 カナディアン・フットボール・リーグの決勝戦グレイカップが11月27日トロントで行われた。オタワ・レッドブラックス対カルガリー・スタンピーダーズの戦いは、延長戦の末、レッドブラックスが優勝を果たした。オタワがグレイ杯を掲げるのは40年ぶり。

 前評判では今季レギュラーシーズンで圧倒的な強さを見せたスタンピーダーズが有利とみられていた。しかし試合が始まると前半からレッドブラックスが押し気味の展開で、前半を終え20‐7とリード。しかし後半スタンピーダーズが猛反撃。第4クオーターには2タッチダウンとフィールドゴールで残り22秒で同点に追いついた。試合は延長戦に突入。すぐにタッチダウンを決めたレッドブラックスが劇的な優勝を飾った。最優秀選手賞にはレッドブラックスのクオーターバック、41歳ベテランのブリス選手が選ばれた。

 

2016年12月1日 第49号

 ブリティッシュ・コロンビア州新民主党(NDP)候補にトランスジェンダーのモーガン・オガー氏が選ばれた。バンクーバー市バンクーバー‐フォールスクリーク選挙区から立候補する。

 オガー氏は「もし当選したらカナダ史上初のトランスジェンダー議員になる」と語った。現在2児のシングルマザー。これまでにも連邦、州、市制とボランティアでは政治の世界に関わってきたが、自身が議員に立候補するのは初めて。

 この選挙区現職は前バンクーバー市長でBC自由党のサム・サリバン議員。オガー氏は「前回選挙では10パーセントも引き離されてNDPが敗けている選挙区。すぐにも選挙活動しなければ」と意気込みを語った。

 これまでにも数々の障壁を打ち破ってきたオガー氏。トランスジェンダー候補を受け入れられない市民もいるだろうとしながらも、「私は特定のグループを代表するわけではなく、選挙区の住民全員を代表することになる。差別されることがどういうことかもよく理解している」と語り、選挙戦に備える覚悟を語った。

 BC州議会議員選挙は来年5月に実施される。

 

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