2016年12月8日 第50号

 ブリティッシュ・コロンビア州では、警察官が拘束した人物の生命を救う目的で心肺蘇生法(CPR)や、麻薬拮抗剤ナロキソンの投与を行ったものの死亡した場合は、そのことに対する調査が行われないことになった。

 警察の捜査のやりかたなどに問題がないかを調査する機関、独立調査局が2日発表した。

 警察官が心肺蘇生法を行ったものの死亡した事故は、8月だけで11件が同局に報告されたという。これらの事故は全て同局によって調査されたが、いずれのケースも警察官の処置に問題は見つからなかった。

 今回の決定は、同州サレー市で先週、RCMPの警察官がナロキソンを投与している最中の人物が死亡した事故を受けて行われた。

 警察の中には調査を憂慮して、薬物過剰摂取の人物に積極的な治療をためらっていた部署もあったが、今回の決定によってその心配がなくなったと、同局は取材に答えている。

 

2016年12月8日 第50号

 オンタリオ州トロントの、オンタリオ湖に面したビリービショップ空港で2日朝、あたりを飛行していたドローンが旅客機の運行に支障を及ぼすインシデントが発生した。

 影響を受けたのは、同空港に向かっていた、ポーターエアラインのボンバルディアDHC-8型機で、アメリカ・ワシントンDC州ボストンから同空港に向けて飛行中だった。

 インシデントの報告を受けたカナダ運輸省は、ドローンの種類についてはコメントしていないが、ポーターエアラインのパイロットからの報告では「危険な飛行パターンだった」と、メディアへの電子メールで説明している。

 空港近辺など管制官によってコントロールされている管制空域や、一般の飛行が禁止されている制限空域での無許可飛行や、他の航空機の安全を阻害する飛行は違法であり、最大で2万5000ドルの罰金または禁固刑になると、運輸省。今回の件はすでにトロント市警察が捜査を開始している。

 インシデントが起きたビリービショップ空港付近では、つい先日もポーターエアラインの旅客機が航路上を飛行していた物体との衝突を回避する行動をとり、乗務員が軽いけがを負っている。この時の物体は、通常のドローンよりも高い高度(9000フィート)かつ速いスピードであり、その正体はわからないままとなっている。

 トロント市警察では、今回のインシデントにつながる情報提供を呼びかけている(416-808-1400)。

 またメディアが入手した交通省のレポートは、こうしたドローンと航空機のニアミス報道が、無人航空機を用いた新たなテロ手法のアイデアをテロリストに与える危険性を指摘している。レポートは、昨年9月にブリティッシュ・コロンビア州アボッツフォード空港に向かっていたウェストジェットのボーイング737型機とドローンとのニアミス(高度差60メートルまで接近)など5件のニアミスについて報告している。

 その一方でレポートは、入手が簡単な娯楽用ドローンの滞空時間(10〜40分)と、航空機の飛ぶ上空の強い風の中では、意図的にドローンを航空機に衝突させるのはほぼ不可能に近いとしている。またテロリストがカナダ国内でドローンを入手するのは容易であるものの、そうした目的でドローンを飛行させることは逆に、その意図を公表することでもあり当局の関心を引くことになるとも指摘している。

 その例として2015年5月、BC州バンクーバー島ナナイモ港の上空で不審な飛行をしていたドローンが、港の警備官によって目撃され交通省に報告された例を挙げている。このドローンは空撮を行っていたとみられている。

 

2016年12月8日 第50号

 ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドの住宅街に、中国人排斥のビラが最初にまかれてから約2週間がたった先週、今度は別の団体によるビラが、まかれた。

 ビラには、中国人が住んでいると想定される豪邸の前で、それをうらやましげに眺める白人家族の後姿が描かれている。このビラをまいたのは、イミグレーション・ウォッチ・カナダ(Immigration Watch Canada)。ビラには、何万人もの裕福な中国人が不動産価格をつり上げ、税金をほとんどが全く払わないまま、この国の医療や教育制度に「ただ乗り」していると批判。またその子供たちは外見による少数派という、就職に際する優遇措置を享受しているとも指摘している。

 最初のビラに抗議するため、11月27日に同市内でデモ行進を企画した香港出身のエドワード・リウさんは、28日に放送された中国語専門ラジオ局の番組に招待され、危機感を訴えた。

 その中でリウさんは、最初のビラの内容に不安を感じたため、自分たちはカナダ人でありカナダを愛していることを表明するため、デモを実行したと説明した。また番組のリスナーに、ビラは決してリッチモンド全体の意見を代表しているわけではないから、過敏に反応しないよう求めていた。

 さらにリウさんは、ビラに書かれていた「アジア系移民はカナダ国内に溶け込もうとしない」という表現に対し、自分が知っている移民の9割以上は入国前に何らかの英語の学習を行っていたとして、公平ではないと反論している。

 マスメディアや人種、民族問題に詳しい、クワントレン大学のチャールズ・キスト=アデデさんも、今回のビラの一件には驚き憂えていると取材に語っている。キスト=アデデさんは1992年にアフリカ・ガーナからカナダに移民している。その上で、中国からの移民は地元の文化―ヨーロッパ系白人の文化―に溶け込む努力を行っておらず、そのことが差別主義団体の行動を正当化させていると率直に指摘している。

 一方、ビラに対するリッチモンド住民、特に白人の対応には感心させられたとも語っている。27日のデモには、東部リッチモンド選挙区選出のBC州議会議員リンダ・リードさんとその家族など、非アジア系の住民も加わっていた。

 

2016年12月8日 第50号

 オンタリオ州のナイアガラ・フォールズが、新しい照明設備でライトアップされるようになった。

 過去20年間にわたり、白熱(ハロゲン)電灯で照らされてきたナイアガラ・フォールズだが、1日からはエネルギー効率の高いLEDを用いた照明設備によって、様々な色にライトアップされるようになった。

 カナダ側のホースシュー滝を照らすタワーは、その真横にあるテーブル・ロック・センターに、アメリカ滝とブライダルベール滝については、対岸のカナダ側に設置されている。

 滝を管理するナイアガラ公園委員会によると、400万ドルの予算をかけたLED化により、使用電力を削減しつつ約2倍の明るさでライトアップすることを実現したという。また色の範囲も広がったほか、プログラムで光を自在に操ることも可能になった。

 なおナイアガラ・フォールズが最初にライトアップされたのは、1860年のこと。この時は航海用信号灯200個が用いられた。また電化されたのは、1879年。

 ライトアップのスケジュールは、月ごとに変わる。詳細は、ナイアガラ公園委員会のウェブサイトで確認できる(『Niagara』『Falls』『illumination』で検索)。

 

2016年12月8日 第50号

 ケベック州控訴裁判所は1日、ピットブルに関する同州モントリオール市の条例を制限するよう求めた訴えを退ける判決を下した。

 この訴えは、モントリオール市が9月に動物に関する条例を変更、ピットブルなど危険性のある動物を規制できるようにしたことに反対して起こされていたが、今回の判決により同市では、ピットブルの所有に関する制限が施行されることとなった。

 現在、同市内で飼われているピットブルの所有者は、12月中に登録を済ませる必要があるほか、口輪をはめること、短い綱につなぐこと、および大人が世話をすることが義務付けられる。

 しかし今年9月27日以降にモントリオール市で飼い始められたピットブルについては、市内での所有が認められなくなった。

 動物愛護協会モントリオール支部は、控訴審の判決に失望すると同時に、健康的で素行に問題のない犬たちの里親を市内で探すことができなくなったことを憂慮しており、この条例に反対し続けていくという声明を同日発表した。

 またかねてから条例に反対してきた同市議会議員のスターリング・ダウニーさんも、今回の判決でも条例の不備は変わらないし、犬による傷害事件も減らないだろうと指摘している。

 一方、条例賛成派は、犬種による規制は他の都市や州でも行われていることであり、重篤な傷害事件をできる限り減らすことがその目的だと主張している。デニス・コディーレ、モントリオール市長も、控訴審における勝訴を喜んでいるひとりだ。同氏は、ケベック州の別の裁判所でも数日前にピットブル規制を支持する判決が出されたことに触れ、危険性をはらんだ犬の所有を制限する必要性が合法的であることが認められたと、取材に答えていた。

 

 

今週の主な紙面
3月21日号 第12号

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