2018年3月29日 第13号

 ニューファンドランド・ラブラドール州東部、トリニティ湾に面した人口700人弱の町ハーツ・デライト沖で18日、ハナジロカマイルカ(white-beaked dolphin)6頭が流氷に閉じ込められ、外海に出られなくなった。

 さらに22日には風向きが変わり、流氷が岸に向かって集まり始めて海水面はさらに縮小、イルカたちは狭いエリアをぐるぐる回りながら泳ぐようになり、その安全性が危惧されていた。一時は、海洋漁業省の船で氷を割り逃げ道を作る案も出たが、イルカが動揺して沖に上がってしまったり、氷の下に潜り込み浮上できなくなったりする恐れから実行できずにいた。

 その状況を救ったのは、地元消防団のスタン・レッグさん。彼はパワーショベルを用いて、町の突端部分にある埠頭に接岸していた流氷を取り除き、外海につながるルートを確保し始めた。そしてある時点で風向きが変わり、流氷が岸から離れ始めると、イルカたちは無事外海のトリニティ湾に脱出することができた。

 このイルカの状態をモニターしていた海洋漁業省によると、狭いエリアに閉じ込められていたものの、イルカの健康状態に異常は見られないという。

 

 

2018年3月29日 第13号

 カナダ政府は、ロシアの外交官4人を国外追放したと発表した。今月イギリスで起きたロシア人による元ロシア秘密工作員毒殺未遂事件を受けての対応。

 クリスティア・フリーランド外相は、「4人は情報高官、もしくは外交官としてカナダに滞在し、カナダの安全と民主主義を阻害しようとしたことが明らかになった」と声明で理由を発表した。

 カナダ政府のロシア外交官追放は、ヨーロッパでの措置に同調したもの。イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスを含む21カ国が同様の措置をとり135人のロシア外交官が追放されている。

 

 

2018年3月29日 第13号

 メジャーリーグサッカー(MLS)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは24日、バンクーバー市BCプレースでLAギャラクシーと対戦した。

 3月4日ホームで迎えた今季開幕戦でモントリオール・インパクトに勝利すると、アウェイ2試合は、ヒューストン・ダイナモに2ー1と勝利、アトランタ・ユナイテッドFCには1ー4で敗れたものの、開幕からの3戦は2勝1敗とまずまずの滑り出しで、この日を迎えた。

 試合は、前半は両チームともにほとんどゴールチャンスがなく無得点。後半に入り、ホワイトキャップスは相手反則によるFKやFWカマラがゴールキーパーと1対1になるなど決定的なゴールチャンスを作ったが結局無得点に終わり、0ー0と引き分けた。

 試合後ロビンソン監督は決定力不足だったと振り返った。この日は、キャプテンDFワストンが国際試合出場のために欠場。主力の穴は他の選手でカバーするしかないと語った。

 

 

2018年3月29日 第13号

 アルバータ州のスケートボード愛好家らが、メキシコの女性支援施設に寄付するため、パーティードレス集めを行った。

 同州南部、人口6万3千人ほどの町メディスン・ハットのスケートボード協会メンバーがドレスを届けるのは、メキシコのバハ・カリフォルニア沿岸の町エンセナダにある女性シェルター、カサ・エスター(Casa Esther)。2010年に開業したこの施設を運営するのは、やはりアルバータ州のロイドミンスター出身のランディとサンドラ・ヒューバートさん夫妻。ここには売春強要や薬物乱用、ネグレクトなどから逃れてきた、身寄りのない若い女性たちが身を寄せている。

 スケートボード協会のメンバーのひとりで、先月この施設を訪れたレビ・スィッツァーさんは、ここで暮らす女性たちの生活を目の当たりにした。ここで暮らす少女らは、メキシコで一般的な、15歳になった少女を祝う伝統行事キンセアニェーラのために着るパーティードレスもない。また施設のスタッフが、特別な時のために保管しているドレスですら、泥にまみれていた。

 帰国後、スィッツァーさんがソーシャルメディア上でドレスの寄付を募り始めたところ、目標の120着を上回る169着が集まった。同時に、施設の拡張工事のための資金1万ドルも集めたスケートボード協会の有志らは、かさ張るドレスを詰めたスーツケースとともに、メディスン・ハットからバスでメキシコを目指した。

 

 

2018年3月29日 第13号

 ブリティッシュ・コロンビア州政府は21日、膝や股関節手術の待ち時間短縮などを目指す政策を発表した。2016年から17年にかけ、同州で外科手術を26週間以上待った人は、股関節手術が30パーセント、膝関節手術が38パーセントだった。

 州政府の新たなプログラムは、同州リッチモンド市総合病院で2004年から10年まで続けられていた『リッチモンド膝および股関節治療プロジェクト』をもとにしたものになるという。このシステムのもと、標準化された手順に基づいた手術が、効率よくスケジュールされた医師とスタッフで行われていた。さらにこのシステムでは、手術前の患者の待ち状態や術後のケア管理も同様に行われ、システム全体の成功につながっていた。今回の政策で、新たな膝および股関節手術センターがバンクーバー市総合病院に開設されることとなる。

 好評を得ていたリッチモンドのプロジェクトはしかし、試験運用という位置づけだったため、2010年に終了してしまった。今回州政府が各種手術の待ち時間短縮のためにつぎ込む予算は、今年度(2018〜19年)は7500万ドル、来年度(2019〜20年)には1億ドルとなる。同州のエイドリアン・ディックス保健大臣は、来年度には26週以上の手術待機患者数をゼロにすると宣言している。

 

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。