2018年8月30日 第35号

 土器を発明したと思われる日本の縄文文化は、西洋の源(みなもと)になったと思われるエジプト文明の土器より古く、それ(縄文土器)は、大げさにいえば、今日の私たち現代文明発展のもとになりえたのではないかと、ぼくはビクトリア博物館のエジプト展の展示品である赤茶色の縄文土器によく似た円錐形の紀元前三千年前のエジプトの土器を見ながら、そんなことを想像していた。

 僕の想像はさらに膨らんでゆく。過去の大戦(太平洋戦争)で、日本では大東亜共栄圏という大義名分のもとに戦争は続けられた。このことは、西洋の植民地主義からアジアの人々を解放することになったようにも見える。日本は現地に日本の学校を作り、現地の人々の教育にも力を入れていることは、いわゆる現地人の日本人化であり、日本による、別の植民地主義の押し付けであったのかもしれない。日本は戦争に負けたけれど、結果的には東洋の解放ということになったのかもしれない。

 小生の悪い癖で、想像力はかなり飛躍してしまう。理論的にどうかといわれれば、返事につまってしまうが、自分の直感力はかなり正しいのではと思ったりする。

 日本には、関東ローム層という赤土の粘土質の土の層がある。僕の育ったところは、戦争中は陸軍の航空練習所があり、戦争中は赤とんぼと呼ばれる複葉機が飛んでいた原野で、雑草の下は赤い土ばかりで、粘度質の土は、切りわらと一緒にこねまわせば、いい壁土となった。こんな土地だから、簡単に土器はできそうである。

 縄文人もぼくと同じ発想であったのかもしれない。赤土で作った土器を太陽で乾燥させたものでどんぐりなどをゆがいて、アク抜きをしたのかもしれない、木の枝がパチパチと燃えると同時に、土器は素焼きのように硬くなってきたのかもしれない。

 これが、焼き物の土器の始まりではないかと想像してみると、一万年前の縄文時代にも同じことが行なわれたかもしれない、土器の発明は寒い冬でも、蓄えた木の実や貝や魚の干物を料理できるようになったのではないのだろうか?

 この土器の技術は、100年、500年かけて、いろんな人種の人々が交流してゆくなかで、エジプトまで伝わったのかもしれない。日本には南方のひょうたんや米も伝えられたかもしれない。もしそうであれば、縄文土器の発明は、エジプト文化の勃興にも大きく影響したのでは、と想像をたくましくすると、歴史が楽しくなる。

 土器を作る技術は、小麦からパンを作ったりすることにも役立ったのかもしれない。さらに、金や銅を溶かして金属製の道具を作るアイディアになったのかもしれない。でなければ、あの巨大なピラミッドもできなかったかもしれないとも思える。

 エジプトと地中海との交流はやがて、鉄の発明に繋がったと考えるのは、すこし勝手かもしれないが、縄文土器は、人類の歴史を変えた、すごい発明であったように思えてくるのである。

 おだやかな夏のある日に観たエジプト展、小さな発見の旅であった。

 

 


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