2019年1月1日 第1号

 みなさん、クリスマスはどうお過ごしでしたか?日本でクリスマスといえば、恋人と過ごすロマンチックな日ですよね。ケンタッキーフライドチキン(以下KFC)に、サンタさんがついたクリスマスケーキ、そしてプレゼントが定番だと思います。

 多文化主義国家のカナダでは、ご存知の通り、各家庭の宗教や文化によって、クリスマスの過ごし方も違ってきますが、KFCでお祝いするのは日本独特で、西洋の人が聞くとかなりビックリします(笑)KFCも、マクドナルドやバーガーキングといったファーストフードなので、こんな大切な日をファーストフードで済ませてしまうことに引っかかるようです。(日本人の感覚でいうと、お正月をおせち料理ではなく、家族、親戚一同揃ってファーストフードでお祝いするとなれば、ちょっと驚きますよね)それでは今回のまるごとカナダでは、軽〜く西洋のクリスチャンがお祝いするクリスマスについてお話ししたいと思います。

 まず、クリスマスとは英語表記でChristmas。これは Christ(キリスト)+ Mas(ミサ)が一つになった言葉です。そしてこの日には、イエス・キリストの誕生をお祝いします。イエス・キリストの誕生“日”と誤解されがちですが、聖書にはイエスの誕生日に関する記述はありません。

 一般的にクリスチャン家庭では、クリスマスはイエスの誕生をお祝いする日であるのと同時に、「大切な家族と共に過ごす日」そして「愛の日」でもあります。本来のクリスマスとは関係のない商業化されたサンタクロース(4世紀頃の聖ニコラスの伝説が起源)が登場してからは、クリスチャン家庭の子供たちにとっても、プレゼントがたくさんもらえる日になりましたが、本来の「愛」を分かち合う日であることを忘れないようにと、学校や教会、また家庭では、もらうばかりではなく与えることの大切さも学びます。我が家の子供たちも毎年今の時期になると、経済的に不利な環境にある家庭の子供たちに寄付をしたり、オタワに難民としてやって来た子供たちに何かプレゼントをしようと考えたりなど、与えることを学んで帰って来ます。

 同じ「愛」でも、日本のような恋人との愛がメインではなく、家族愛や隣人愛に焦点を置いた日なのですね。よって、クリスマスには、家族や親戚、友達などがみんな揃って、七面鳥を囲んでほっこりと楽しむのが一般的です。さて来週は、お正月です。カナダには18年間住んでいますが、私はやはりクリスマスより、お正月が待ち遠しいです。読者のみなさまも素敵な新年をお過ごしください。

 

 


 ■ 小倉マコ プロフィール

カナダ在住ライター。バンクーバー新報での「まるごとカナダ」「小倉マコのオタワ便り」コラムを始め、新聞記者、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。フェイスブックも始めました!読者の皆さんと繋がれたら嬉しいです。https://www.facebook.com/ogura.mako1

 

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