2018年3月8日 第10号

 今回はお菓子や食品から医薬品まで、よく表示されているSugar lessやSugar freeについてお話をしたいと思います。

 一般的に砂糖の摂取を控えることによって 私達は肥満を防ぎ、免疫力を高め、糖尿病の方は症状悪化を防ぐことができるので、極力摂取を減らすことは悪いことではありません。そのため、現在では食品をはじめ、飲料水からジュースなど、“糖質ひかえめ”などと表示がされた商品が店頭に数多く並んでいます。ところが、“糖質ひかえめ”または“糖質ゼロ”といわれているものは、単純に甘くないということではなく、ただ糖分/Sugarが他の商品に比べて少量含まれている、または、全く含まれていないという意味なのをご存知でしたか?

 糖分/Sugarが少なめとは、人間が糖分と認識できる砂糖を少しだけ使い、それとは別にArtificial Sweetnerといわれる人工甘味料を使い、甘さを調整しているのです。それと同じように脂肪に関しても、人間が脂肪と認識できない脂肪分を使って商品を作り“Fat free" や“Less fat" として表示しているのです。ですが、これらの人工甘味料や合成脂肪などは、身体の中で果たしてどのように吸収され、排出されているのかなど、あまり解明されていないことが多い物質なのです。そのため、糖分や脂肪分として、これらを食品表示する必要がないのです。そのため数値は消化できる、正当の砂糖や油だけを表示しているだけに過ぎないので、低カロリー/糖分控えめと書いてある食品には砂糖は入っていなくても、加工物が代わりに多く含まれているという意味でもあるのです。

 体重管理アドバイスなど行うときに、ほとんどの人達がこぞって“正しい食品の選び方”として食品表示のカロリー数値、脂肪分と糖分の数値を特に気にして数値の少ない物を選ぶようにと勧めます。この方法には先ほどお話したことを考慮すると、カロリーや糖質、脂肪分を摂取することは控えられても、それ以外の別の問題を引き起こすことも考えられるのです。つまり、Sugar freeやFat freeばかり摂取していると、体内に多くの化学物質を摂取することになるのです。中には本当に排出されているのかもわからない物質があるので、できれば少なめに摂取し、人工物ではないものを摂取するように心がけたほうが良いでしょう。

 Artificial Sweetner/人工甘味料は、血糖値を上げず、甘みだけを感じることができる物質なので、体内に入っても砂糖とは別の消化の方法を使います。そのため、多く摂取すると体内からすぐに排出しようとするので、下痢を引き起こすことがあります。特に子供や高齢者などは極力、摂取量と回数を減らすほうがよいでしょう。有名なArtificial Sweetner/人工甘味料として挙げられるのはSucralose, Acesulfame potassium(Ace K), Saccharin, Aspertameなどがあります。これらはPopなどによく含まれていて、全て大量摂取するとガンを発症することがわかっています。そのため砂糖の代わりに全て人工甘味料を料理や、飲料などに使うと糖尿病は防げても、いつかガンを発症する恐れがあります。中には発がん性ではないものもあり、Sugar alcoholーxylitol, sorbitol, manitol と呼ばれ、比較的安全といわれています。特にxylitolに関しては日本でキシリトールと呼ばれガムの商品名にまでなっています。カナダでも口内の善玉菌を増やす手伝いをし、虫歯を防ぐと言うことからガムや歯磨き粉などに多く使われています。のど飴にも使われている物もあります。ですが、これらも同じで、摂取しすぎると下痢などを引き起こすことが多いので一日に食べる量を考えて摂取しましょう。

 だからと言って全てのSugar free食品が悪いというわけではありません。砂糖も摂取しないと、われわれ人間はエネルギーを燃焼することができずに疲れた状態でいることになります。なので食品を手に取る時、食品表示を気にするだけではなく、必ず Ingredients(原材料名)を見て、化学調味料や化学物質などが入っていないかなど確認するのが良いでしょう。中には食品の素材を安定させる為に必ず入っている化学物質もあります。なので摂取回数と頻度、これらをきちんと理解して利用すると良いでしょう。 

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

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