2017年7月6日 第27号

 カナダの大手ドーナツチェーン店ティムホートンズが、カナダ建国150周年を記念して、いかにもカナダらしいドーナツを1日から販売開始した。

 それはプーティン・ドーナツ。同店のオーソドックスなドーナツ、ハニー・ディップ・ドーナツの上に、同店のフライドポテトを乗せ、さらにグレービー・ソースと粒状のチーズ・カードをかけたもの。

 あまりにもカナダらしいドーナツだが、なぜかアメリカだけの販売となっている。ティムホートンズ・アメリカの副社長フェリペ・アシアイジさんは報道機関向けの発表で、カナダの伝統を誇りに思っており、それをアメリカでも分かち合おうという思いから、この新商品が生まれたと語っている。また、これらの新商品はアメリカ人がカナダ建国150周年を祝うのに最適だと付け加えている。

 このプーティン・ドーナツと同時に発売された新商品は、メープル・ティムビッツとメープル・ベーコン・アイスキャップ。メープル・ベーコン・アイスキャップは、同店定番のアイスコーヒーに乗せられたホイップクリームに、メープル味のフレークと粒状ベーコンがトッピングされている。

 また、これらが提供される店は、オハイオ、ミシガン、およびニューヨーク州の5店舗のみ。なお、カナダ人の間からは、どうしてカナダで販売しないのかという不満の声が高まっている。

 

 

2017年6月29日 第26号

 ブリティッシュ・コロンビア州議会は22日に、自由党少数派政権の議会開会の式辞がジュディス・ギチョン副総督により発表され、5月9日の選挙後、正式に議会が再開した。

 その内容は、自由党が選挙期間中に掲げていた公約にはなく、新民主党(NDP)やグリーン党の公約が多く盛り込まれていた。

 顕著なものでは、企業・組合からの政党献金の廃止、個人献金額の上限設定、選挙制度改革に対する住民投票の実施、チャイルドケアの充実、生活保護給付金を月100ドルに引き上げ、ポートマンブリッジ通過料の廃止、2022年までの炭素税引き上げなどで、これらは自由党が選挙期間中も反対を表明していた野党の提案だった。

 これについて自由党クリスティ・クラーク州首相は、選挙を経て州民の声に真摯に耳を傾けた結果の内容であり、NDPやグリーン党の公約を借りたものではないと強調した。

 しかし誰が見ても、その説明には無理がある。NDPジョン・ホーガン党首は「自由党は自分たちの方針を見失った」と語り、自由党に投票した有権者の信頼を失うだろうと語った。グリーン党アンドリュー・ウィーバー党首も、自由党のあからさまな方向転換を非難する声明を発表、不信任を確信したと語った。

 自由党は5月9日の選挙で87議席中43議席を獲得。1953年以来の少数派政権となることが決まった。一方、NDPが41議席、グリーン党3議席が政策によって協力することで合意。結果、NDP・グリーンが44議席となり自由党政権不信任でも合意した。

 

 

2017年6月29日 第26号

 ブリティッシュ・コロンビア州自由党少数派政権で22日に再開した議会は、同日午前中に議長を選出。自由党のケローナ‐ミッション選挙区スティーブ・トムソン議員が選ばれた。新民主党(NDP)ジョン・ホーガン党首もトムソン議長誕生を歓迎した。その後、議会開会の式辞で自由党があからさまな方針転換を発表し、波乱含みの議会の幕が開けた。

 26日にはNDPが自由党政権への不信任決議案を提出。即日投票に自由党が応じなかったため、29日の投票になる予定。

 しかし翌日、自由党政権が奇策に出た。自由党内総務マイク・デヨン議員が、トムソン議長宛てに「議長の役割」についての4ページにわたる質問状を送付。議員全員の関心があるところだと思う、とその理由を説明した。質問には、さまざまな局面での議長の役割や決議案の投票で同数になった場合に、議長がどういう判断をするのかなどが盛り込まれていることをデヨン議員は記者に語った。

 今年5月9日の選挙では、自由党が43議席、NDPが41議席、グリーン党3議席で64年ぶりの少数派政権が誕生した。しかし、選挙後NDPとグリーン党が公式な連立を組むことは避けたものの、政策で協力することで合意。合わせて44議席となることで打倒自由党政権でも合意した。

 22日に自由党から議長を選出したため、現在は自由党42議席、NDP・グリーンが44議席で、不信任案が提出されれば可決は確実となる。

 そのため、今回の質問状提出は自由党の不信任案決議引き伸ばし作戦ではないかとNDP総務マイク・ファーンワース議員は非難した。ただ29日には結果が出るとも語った。

 自由党政権への不信任が可決されれば、NDP政権誕生の第1歩となる。しかし、クリスティ・クラーク州首相は不信任による解散で再選挙もあり得ると含みを持たせている。

 

 

2017年6月29日 第26号

 ブリティッシュ・コロンビア州自由党クリスティ・クラーク州首相と同党スティーブ・トムソン議員を脅迫した罪で、ケローナ在住のパブラ・ジャネコバ容疑者が起訴されていたことが27日分かった。特別検察官の広報が公表した。

 発表によれば、ジャネコバ容疑者は、今年4月30日頃に起こったことに対して、両者を殺害するか、危害を加えると脅迫したという。

 クラーク州首相も、トムソン議員もケローナ地区を選挙区としているが、4月30日頃には選挙活動中でケローナにはいなかったことが分かっている。

 脅迫内容など詳細については公表されていない。同容疑者は今月30日に、ケローナの州裁判所に出廷する予定になっている。

 

 

2017年6月29日 第26号

 トロントで25日に行われたプライドパレードに、ジャスティン・トルドー首相が今年も参加した。カナダの首相として初めて参加した昨年に続き2回目。首相とともにソフィ首相夫人と、その二人の子供も参加。LGBTQコミュニティのシンボル、虹色の旗を振って行進した。他にも、自身が同性愛者であることを公表して州首相となったオンタリオ州キャサリーン・ウィン州首相とそのパートナーや、トロント市ジョン・トーリ市長も行進に加わった。

 頬に虹色のメープルリーフのフェイスペイントをしたトルドー首相は、行進前に記者団の質問に応じ「多様性こそがカナダの強みであり素晴らしさ。今日はそれを祝う一日」と語った。

 さらにこの日は、「イード・ムバラク」と書かれた靴下をはいていたことでも注目された。ラマダン明けを祝うイード・アル・フィトルで使われる言葉。前日に明けたラマダンを祝い、イスラムコミュニティに敬意を示したようだ。

 多様性を祝う象徴となっているプライドパレードだが、今年はトロント市警のユニフォーム姿での参加は見送り、警察官は私服で警備にあたった。これはプライドパレード組織委員会が黒人団体ブラック・ライブズ・マターのトロント支部の要求に応じたもの。ジョン・トーリ市長は、来年のパレードまでにはトロント市警との関係を改善していることを願っていると語った。

 この日は約150の団体・機関が参加。国内最大のパレードとなった。

 

 

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