2017年12月21日 第51号

 連邦政府は州政府との話し合いでマリファナ税の分配で合意したと11日、発表した。前回の話し合いでは50ー50としていた分配を25ー75とする。25が連邦政府、75が州政府。

 連邦政府ビル・モルノー財相によると、今回の合意ではマリファナ税による連邦政府への歳入は年間1億ドルを上限として、それを超える額については州政府に分配することでも合意したという。試算では政府は年間4億ドルの税収を見込んでいるという。

 また2年を目途に今回の合意を見直すことでも合意。モルノー財相は「2年くらいが今回の合意が正しいものだったかを検討するいい時期だと思う」と語った。

 前回の話し合いで提案された、1グラムにつき1ドル、もしくは10パーセントとどちらか高い方を課税するという案には異論がなかったとも語った。

 モルノー財相は、政府としては価格を低く抑え、ブラックマーケットをなくすことが今回の連邦政府のマリファナ合法化の狙いと語り、それが実現するまでには少し時間がかかるだろうとも語った。

 前回の話し合いでは州政府が、マリファナに関する法整備や警察などの取り締まり強化、健康被害などへ対応するためのヘルスケアの充実、さらにはマリファナに関する教育など、州政府や市町村が負担する部分が多く、50ー50では厳しいとの見方を示していた。今回の話し合いでは、連邦政府がこうした州政府側の声に対応した。

 これについてジャスティン・トルドー首相は、価格とコミュニティでの監視のバランスを調整した良い形になったと語っている。

 マリファナの合法化は自由党の選挙公約であり、自由党政権は2018年7月1日からの実施を目指している。

 

 

2017年12月21日 第51号

 ブリティッシュ・コロンビア州メトロバンクーバーの公共交通機関を運営管理するトランスリンク社がスカイトレインの週末の運行時間の延長を検討していることが14日、分かった。

 住民やビジネス界からの要望が多く、検討することにしたという。同社CEOケビン・デスモンド氏はスカイトレインの週末運行時間延長の要望が多く、どのような形で実現できるか検討に入ると語っている。

 バンクーバーのダウンタウンと周辺市町村をつなぐ電車スカイトレインは、現在は開業当初から運行しているサレー市行きだけではなく、リッチモンド市やコキットラム市など、その他の地域にも延びている。そうしたことから利用者が急増、運行便数の増加など充実を図っている。

 ビジネス界からは、週末はダウンタウンのレストランやバーで遅くまで楽しんだ人々が郊外への帰宅に利用できるため、飲食店やエンターテイメントでの経済効果が見込まれるとして後押ししている。

 この動きにバンクーバー市だけでなく、コキットラム市の市長も歓迎の意向を表明している。

 トランスリンクは時間を延長することによるメンテナンスへの影響などを考慮して、今後調査を進めるとしている。

 

 

2017年12月21日 第51号

 ブリティッシュ・コロンビア州の小学校で、誤ってオンライン上のポルノ画像を壁に投影したとして、教師が懲戒処分を受けていたことが明らかになった。

 1999年に同州の教員免許を取得したジェフリー・ローヒン・ムサンナさんは昨年6月、6年生と7年生の合同クラスの授業に、オンライン上の教材を使おうとしていた。しかし児童や補助教員が見守る中で、操作したノートパソコンが壁のホワイトボードに投影したものは、こともあろうか女性の局部だった。

 ムサンナさんが使用していたノートパソコンは、教育委員会から貸与されたものだったが、彼はこの2年間、勤務時間以外には、このパソコンでインターネット上のポルノサイトやチャットのサイトにアクセスしていたという。この事態に対し教育職員法委員会が昨年9月、ムサンナさんに13日間の無給停職処分を科したことが、最近公開された懲戒処分合意書からわかった。

 なお、ムサンナさんがどの小学校に勤務していたかは公表されていない。

 

 

2017年12月21日 第51号

 クリスマスまでの残りの日数を数える、アドベント・カレンダー。普通サンタクロースや雪だるまとといった、子供も喜ぶデザインのものがほとんどだ。しかし、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでマリファナ商品を扱う店が、マリファナ関連の商品を仕込んだ同様のカレンダーを製作・販売し始めたところ、瞬く間に大人気商品となってしまった。

 無免許でマリファナ商品を扱うコースト・トゥー・コースト・メディシナルが、このカレンダーを売り始めたのは、今月初めのこと。同店のロリリー・フェドラーさんは、ビールのアドベント・カレンダーがあるのを目にした時、マリファナ商品でも同じことができるのではと思ったという。

 先週までに150枚ほどを売り、ちょうど次の300枚の製作に取りかかった所だという。それでもまだ1500件の受注残を抱えているとのこと。

 フェドラーさんも、まさかこんなに注文が来るとは思っていなかったという。カレンダーに仕込まれるマリファナ関連商品は、マリファナの花の部分や、食用マリファナを混ぜたジンジャーブレッドマンやスノーフレーク・クッキーなどだという。価格は200ドルから230ドルの間。

 こうしたカレンダーが違法商品なのはフェドラーさんも認識しているが、気にしていないし警察も何も言ってこないと彼女は取材に語っている。これに対し、カナダ薬物摂取および中毒センターのレベッカ・ジェスマンさんは、このようなマリファナ商品が現行法で規制されていないことを懸念している。そのため品質検査を受けることもなく市場に出回り、THC(テロラヒドロカンナビノールーマリファナの有効成分の一つ)や、他のカナビノイドの含有率がわからず、摂取した場合の中毒の程度が予測できないことが問題だと指摘している。またカビや菌類、殺虫剤などによる汚染の可能性もあるとしている。

 一方、ブリティッシュ・コロンビア大学の住民・公衆衛生学教授マーク・ヘイデンさんは、アドベント・カレンダーにマリファナを組み合わせるのは、誤った選択だと非難している。またアドベント・カレンダーである以上、子供が開ける危険性がつきまとう点も指摘した。だがフェドラーさんは、それを避けるため、あえてデザインは醜いものにしていると反論している。

 同州バンクーバーにあるサイモンフレーザー大学の経営学名誉教授リンゼー・メレディスさんは、このマリファナカレンダーは、20世紀中頃にはやった、奇抜な商品や行動で消費者の関心を引きメディアへの露出を高めた、いわゆる『不意打ち広告(ambush advertising)』の手法そのものだと解説する。そして、これから成長するマリファナ産業がいずれ、まるで津波のように様々な商品を送り出してくることになるだろうと予測している。

 

 

2017年12月21日 第51号

 オンタリオ州トロントに住む男が、警察官に扮装した画像をインターネット上で公開、そこで知り合った人に金銭を要求していたことで逮捕された。

 この男はトロント東部のスカボロー地区に住む、ディ(ジェイソン)ユウ容疑者(32歳)。インターネット上のソーシャルメディアで、ヨーク地区警察の警察官を装い金銭を要求している人物がいるという通報が同警察に入ったのは、11月18日のことだった。以来捜査を続けてきた警察は6日、同容疑者を警察官になりすました容疑で逮捕するとともに、自宅の家宅捜査も行った。その結果、自宅からは警察官に扮装するためのユニフォームなどが2セット押収された。

 同警察はユウ容疑者の扮装姿を公開、ユウ容疑者と接触した人からの連絡を呼びかけている。

 

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。