2018年11月22日 第47号

在バンクーバー日本国総領事館総領事に就任した羽鳥隆氏の歓迎会「羽鳥隆総領事夫妻歓迎レセプション」が13日、バンクーバー市内のホテルで開催された。 ブリティッシュ・コロンビア州政府からはブルース・ラルストン雇用貿易技術大臣が出席し、歓迎の言葉を述べた。

参加者は約170人。日系コミュニティを支える文化系、ビジネス界から各団体関係者など、コミュニティを代表する人々が羽鳥総領事のバンクーバー着任を歓迎した。

主催は羽鳥隆総領事夫妻歓迎レセプション実行委員会。日系コミュニティ団体から、隣組、日系文化センター・博物館、バンクーバー日本語学校並びに日系人会館が文化系団体として、ビジネス界からはバンクーバー日系経済団体連絡協議会から日系女性企業家協会が中心となり実行委員会を構成した。司会は、岡本裕明実行委員長とデイビット・イワアサ隣組理事長が務めた。

 

羽鳥総領事が英語より韓国語が得意と話すと会場が和んだ空気に包まれた

 

●日本とBC州、カナダ、バンクーバーの関係強化のために尽力したい

 あいさつした羽鳥総領事は、日本とブリティッシュ・コロンビア州、管轄内のユーコン準州をはじめ、日本とカナダ、日本とバンクーバーのこれまでの良好な関係をさらに強化するよう「力を尽くしたい」と語った。

 外務省に入省後、韓国で3回勤務。前任地も韓国大使館で経済公使を務めた。その前には外務省で原子力関係を担当していたと語り、日本企業と韓国との橋渡しやエネルギー関係についての経験を、日本とBC州・カナダとのエネルギー関連事業の協力に生かせるのではないかと思っていると経済分野での尽力を強調した。

 ラルストン大臣も日本とBC州の経済関係の重要性を語った。最近、富士通がバンクーバーにAIセンターを設立したことやエンターテイメントコンテンツ事業セガグループの投資、三菱商事のLNGカナダ参加など、テクノロジー関連、エネルギー産業で日本企業のBC州への投資が進んでいることを紹介。大臣は「私の考えでは、ビジネスの関係というのは、人と人とがお互いをよく知り、理解し、信用しないと深い関係は生まれないと思っています」と、ビジネスの先にある日系コミュニティとBC州の関係の深さが重要と語った。

 1887年に横浜とバンクーバーを結ぶ定期航路が開港したこと、その2年後、オタワの日本大使館が開館される40年前にバンクーバー領事館が開館したことなどを紹介し、「日本とBC州の関係の深さをまさに物語っていると思う」と、これからも良好な関係を継続していけることを期待したいと語った。

 

●日系コミュニティの人々の話を聞かせてもらいたい

 羽鳥総領事はバンクーバーに11月8日に到着。週末には早速、夫人とともに街を探索したとその時の様子を語った。コンパスカードを購入し、バスやスカイトレインを利用した時に道が分からなくて通りすがりの人に聞いたら「すごく皆さんが親切にしてくれたのが印象的でした」と笑った。

 バンクーバー着任前からいい街だと聞かされていたという。「(バンクーバーの皆さんには)いろんなお話を聴かせていただいて、ぜひいろんなことを助けていただければと思います」と語った。そして歓迎会を開催したコミュニティの人々に感謝した。最後にはロックバンド結成の固い決意も忘れずに付け加え、ラルストン大臣が「そんな趣味があるとは初めて聞いた。メンバーが見つかることを祈っています」と、笑いを誘う場面もあった。

 羽鳥総領事、ラルストン大臣のあいさつが終わると、会は歓談の時間へ。羽鳥総領事に声をかけるために長い列を作った参加者との歓談は遅くまで続いた。

(取材 三島直美)

 

「これからさまざまな場面で協力できることを期待しています」と歓迎の言葉を述べるラルストン雇用貿易技術大臣

 

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