2018年11月15日 第46号

2018年9月、ブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバーのシーバスロンズデールキー駅から徒歩5分のPinnacle hotelの一室に、高塚理恵さんが日本語で学習をサポートする学習塾「JP Academy」を開いた。

対象はカナダに駐在する日本人の子供や、カナダで生まれた子供、または日本語に興味がある大人等様々で、年齢も国籍も問わない。

今回は、高塚さん自身の話と、塾を開いた経緯について聞いた。

 

ホテルの一室を利用しているのでセキュリティー面での不安もなく、ガラス張りの部屋は両親がガラス越しから見学も可能。広々としたスペースで最高4人まで同時に教えることができる

 

海外勤務と教師の経験

 日本の大学卒業後、海外の免税店等を経営する企業に就職。その後半年でオーストラリア勤務に抜擢される。日本の商社に就職しオーストラリアに駐在していたご主人と出会い、後に結婚。日本に帰国後は海外で経験したことを子供たちに伝えたいと考え、英語教師になる。カナダに来てからも現地の学校で日本文化や算数の教育に携わる。そこで子供たちのスポンジのような吸収力に驚くと同時に、特に小学校の時期の教育の大切さを知ったと高塚さんは語る。

 

世界で活躍する人材とは

 高塚さん自身の経験、または商社での採用経験のあるご主人いわく、世界で活躍する人材とは、英語がネイティブのように流暢に話せるのはもちろんのこと、日本やカナダなどの、その国の文化的背景を知っている人、会話の力、コミュニケーションの取り方、相手の意図を察する力を持っている人のことだと言う。

 この学習塾では、上記の能力を持った世界で活躍する人材を、自身の経験を生かして「日本の教育の良さ」と「カナダの教育の良さ」を融合させて育てていきたい。

 さらに、高塚さん自身は音楽の経験もあり、その経験をふまえて物事に取り組む姿勢や考え方、発想力や創造性など、心の豊かさの教育も伝えていきたいと語った。

 

柔軟性のある学習項目

 駐在している子供には、何年か後に日本に戻ったときに英語が話せるという長所はそのままで、他教科で学習の遅れがないように日本の教材やカナダの学校で使用されている教材を使って日本語で教えている。国語、算数、理科、社会など好きな教科を選択することが可能だ。また、カナダ生まれの日系人や子供には、絵本の朗読や、日本の文化背景など、柔軟に学習することができる。片方または両方の親が日本語を話せても、子供が日本語を使わなかったことにより、日本語を話せない日系カナダ人はたくさんいる。それは子供の特別な可能性を狭めてしまい、非常にもったいないと高塚さんは言う。

 

受講時間や今後の展開

 この学習塾は月曜日から日曜日まで、朝7時から夜7時まで好きな時間を生徒と相談しながら決められる。受講したい人の年齢も国籍も問わない。実際に現在カナダ人の大人の生徒も日本語を学んでいるという。「他の習い事や、学校の送り迎え、仕事等で時間が限られていたり、得意科目や進むペースも人それぞれ違う」「これらの要望をすべて叶えてあげたい!」「そうなると私の時間は少なくなりますが…」と高塚さんは笑顔で語り、このインタビューを締めくくった。

 

高塚理恵さん
京都府出身、日本企業に入社しオーストラリアでの海外勤務を経験。日本に帰国後は海外勤務の経験を生かし、2歳から高校3年生までを対象にした英会話学校で英語教師となる。
その後2014年に家族でカナダに移住。現在は自然豊かなカナダにて男の子二人の子育てに奮闘中。ダイエットも兼ねハイキングを楽しんでいる。

JP Academy
HP : https://abcanada.wixsite.com/jpacademy
Email : This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
Call : 604-723-8754

(取材 舛岡雄介)

 

高塚理恵さん

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。