2016年8月18日 第34号

プレーオフ進出に黄信号が点滅し始めた。シーズンも後半に入り、負けのスパイラルから抜け出せない。ホワイトキャップスが最後に勝ち星をあげたのは7月13日ホームでのリアル・ソルトレイク戦。以来、引き分け2つを含むものの、4試合連続勝ち星なし。 この日は長いアウェーを終え、ホームで7位サンノゼ・アースクエイクスを迎えた。悪い流れを断ち切り、終盤戦の弾みにしたいところだった。

 

リードされ厳しい表情のMFボラノス(左端)、試合終了間際にゴールを決めたMFメスキーダ、FW工藤

 

8月12日(22,120)
バンクーバー ホワイトキャップスFC  1 - 2  サンノゼ・アースクエイクス

 先制は14分にアースクエイクス。一度はキャップスGKウーステッドが止めたかに見えたシュートは、ボールを持ったままゴールラインを割った。アースクエイクスは60分にも追加点をあげ2‐0。キャップスは94分にMFメスキーダがゴールしたものの時すでに遅く、3連敗。アースクエイクスに初アウェー勝利を献上した。

 

「毎試合、危機感を持ってやるしかない」

 この日もワントップで先発し、2本のゴール機会があったが、どちらも得点には結びつかなった。「なかなか狙い通りの形ができない中で、前半に自分らしい抜け出しができて、なんとか枠に飛ばしたかったんですけど」と工藤。「ああいう少ないチャンスをゴールにつなげていくしかないかなって自分で思っているので、それを得点につなげられず、それでズルズルと2失点してしまって、自分としても悔しさが残りますね」とフォワードとしての責任感を口にした。

 夏の踏ん張り時にチームは連敗。このままではプレーオフ進出も難しい。4試合アウェーが続いた後のホームゲーム。満員のファンの前で久しぶりの勝ち星をあげ、勢いに乗りたかった。「ホームでは何としてでも勝ち星を取らないと、これから厳しいなって思ってたんですけど。ここから1週間に1回の試合となるので、とにかく、毎試合、毎試合、危機感でやるしかないです」。

 この日は66分でFWペレスと途中交代。悔しさとストレスだけが残る試合となった。

 

5試合連続白星なし、立て直しは必須

 久しぶりのホームで快勝しプレーオフ進出に向け弾みをつけるはずだった。しかし結果は惨敗。点差以上に内容に差がある試合だった。前半のキャップスは、ちぐはぐなプレーが際立った。細かいパスミス、肝心なところでのセットプレーミス。MFボラノスは「ミスが失点につながった」と、反省を口にした。「ミスを減らしていかないと、いい流れに持っていけないし、悪い流れのまま終わってしまったんで」と工藤。まとまれないチームへのもどかしさに悔しさをにじませた。

 勝っても負けてもいつも記者会見では和やかなロビンソン監督も、この日は厳しい表情が目立った。「結果には非常にがっかりしている。修正部分は多くある。選手たちがしっかりといいプレーをするようにするのは監督の責任。この試合を見る限り、今の選手たちのプレーは必ずしもベストとは言えない」と厳しい表情で語った。

 緩慢なプレーも目立った。特に、この日移籍後ホームデビューとなったMFバーンズは、試合中のギアが入っている時とそうでない時の差が激しいように見えた。

 「もう一度よく見極めて、選手の入れ替えなどをしていかなければいけないと思っている」と監督。「残りは9試合しかない。毎試合が重要な試合となる」と終盤の追い上げに目を向けた。

 プレーオフ進出のボーダーラインとして勝ち点45から48に設定している。そのためには残り9試合で最低でも5試合は勝つ必要がある。そのために、「まずは次の試合で1勝しなければ」と語った。

(取材 三島直美 / 写真 斉藤光一)

 

次のホームゲーム
8月23日(火)7pm スポーティング・カンザスシティ戦(CCL)
9月3日(土)4pm ニューヨーク・レッドブルズ戦

 

 

相手選手と競り合う工藤。「チームがプレーオフに進出するというのが現実的な目標」そのために「目の前の試合でゴールを決めるっていうことだけしか今は考えられない」

 

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