2017年1月12日 第2号

 オンタリオ州ウォータールー出身の女性が、イタリアの山岳地帯で現地時間の1日、ハイキング中に転落、死亡した。

 この女性は、チェルシー・レベッカ・アルバレスさん(24歳)。イタリアとオーストリアの国境に広がる南チロル地方の、標高2200メートルほどの山岳地帯をハイキング中にバランスを崩し、150メートル下の谷底の岩場に転落、その場で死亡が確認された。

 アルバレスさんは最近、同州キチナーにあるコネストガ・カレッジの機械工学システム科を卒業したばかり。また彼女は、オンタリオ・ホッケー・リーグのチーム、バリー・コルツの元キャプテンのコリン・ビーナさんと婚約していた。ビーナさんは現在、ヨーロッパ・ホッケー・リーグのスターチング・ブロンコスに所属している。

 アルバレスさんが5年ほど働いていた地元のレストラン、セント・ルイス・バー・アンド・グリルの同僚は、アルバレスさんは明るく美しい女性で、みんなが訃報にショックを受けていると取材に話している。レストランは哀悼の意を表すため、2日夜は休業した。ホッケーチームのメンバーは、試合後によくこのレストランに立ち寄っていたという。

 ビーナさんがヨーロッパでホッケー選手として活躍するため、二人はほんの2〜3カ月前にウォータールーを後にしたばかりだった。

 

2017年1月12日 第2号

 ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドでは、生木のクリスマスツリーの無料回収を以下の場所で行っている。なお期間は今月31日まで。また持ち込む際には、飾りつけやライトなどを全て取り外しておかなければならない。

バンクーバー・サウス・トランスファー・ステーション
(377 West Kent Avenue North, Vancouver, BC)

バンクーバー・ランドフィル・アンド・リサイクリング・デポ
(5400 72nd Street, Delta, BC)

 またバンクーバー市内では、グリーン・ビン・プログラム(生ゴミと庭ゴミ回収プログラム)の一環として、14日にクリスマスツリーの収集が行われる。当日午前7時までに、家の外にクリスマスツリーを、他のゴミ箱とは1メートル以上離して出しておくようにする。もし最初の収集車でツリーが収集されなかった場合、そのままにしておけば、後で市の職員が収集することになっている。

 

2017年1月1日 第1号

 バンクーバー市警、バンクーバー市長など関係機関トップが12月16日、揃って記者会見を開き、現在バンクーバー市が直面している薬物過剰摂取による死亡者激増の危機的状況を改善する対策が必要と訴えた。

 記者会見が行われた前夜、バンクーバー市では一晩で9人が薬物過剰摂取で死亡したとみられる事態が起こっている。その原因の一つがフェンタニルではないかとみられている。

 バンクーバー市警アダム・パーマー署長は、この町で1日で9人も薬物過剰摂取で死亡するという信じ難い事態に対して、これらの人を長期的に援助する計画が必要だと訴えた。市警によれば11月だけで35人がフェンタニルの過剰摂取で死亡しているという。2016年はこれまで(12月16日現在)に違法薬物で死亡したのは159人。その多くがフェンタニルが原因ということが分かっている。2015年は1年間で67人だった。

 バンクーバー市グレゴール・ロバートソン市長は、薬物過剰摂取者の治療のための対策が早急に必要との認識を語り、フェンタニル過剰摂取者急増という危機的状況は、治療に当たる救急隊などの現場にも大きな影響を与えているとして、BC州政府の協力も必要と緊急事態を訴えた。

 バンクーバー市はフェンタニル過剰摂取危機に対応するための予算を捻出するために、12月13日、固定資産税を0・5パーセント引き上げることを決定し、2017年から実施される。これにより税収は350万ドル増となり、緊急対応基金とし、医療的緊急事態に対応するとしている。

 バンクーバー・イーストサイドには、この緊急事態に対応するために3つ目のバンクーバー消防救急サービスの医療チームが配属された。

 

2017年1月1日 第1号

 環境保護活動団体がトランスマウンテン・パイプライン拡張計画を承認したカナダ政府の判断に対して違法性があるとして19日、アルバータ州カルガリー市の連邦上告裁判所に提訴したことが12月20日分かった。

 法律事務所エコジャスティスを通して提訴したのは、リビング・オーシャン・ソサエティとレインコースト・コンサベーションの2団体。今回の自由党政権の決定は、絶滅の危機に晒されているブリティッシュ・コロンビア州南西部周辺の海洋に生息するシャチの生態系に大きな影響を及ぼす可能性があり、カナダの絶滅危惧種保護法に違反する可能性があると主張し、再調査をするよう求めている。

 キンダーモーガン社が手掛けるトランスマウンテン・パイプライン拡張計画は、アルバータ州エドモントン近郊からBC州バーナビー市までの現存する1150キロメートルのオイルサンドを運ぶパイプラインを拡張する計画。カナダ政府は現在アメリカだけに頼っている国内で産出されたオイルサンドの輸出先を、アジア方面にも拡大したい考えで、バーナビー市まで運ばれたオイルサンドはここからタンカーでアジア市場へと輸出される計画になっている。

 完成すればパイプラインのオイルサンド輸送量は現在の3倍に増加し、タンカーの航行数は7倍になると試算されている。バンクーバー市に隣接するバーナビー市からタンカーがバラードインレットを通り、太平洋へと抜ける間にシャチの生息地があり、タンカー航行数の大幅な増加がシャチの生態系に大きな影響を与えると訴えている。

 カナダ政府は2016年11月29日、国内で予定されていた3件のパイプライン計画のうち2件を承認すると発表。1件はアルバータ州からアメリカへと延びるパイプライン計画で、国内では特に大きな反対はなかった。そしてもう1件がトランスマウンテン計画。こちらは計画当初から、環境活動家をはじめ、パイプラインの近隣先住民族やバンクーバー市、バーナビー市などの関係市町・住民から強い反対があった。

 今回の提訴は、カナダ政府がトランスマウンテンを承認して以降としては初めてとなったが、すでに他にも、バンクーバー市、バーナビー市がNEBの調査に対して提訴、4つの先住民族も同様の提訴を行っている。

 連邦政府はトランスマウンテンの承認前に15億ドルの海洋保護計画を発表。うち3億4千万ドルがシャチを含めてクジラ類の保護に充てられるとしている。ジャスティン・トルドー首相はパイプライン計画承認発表時には、海洋保護が保障されなければ個人的にも容認することはなかったと語っている。

 ただ今後も政府に対してこの件での訴訟は増える可能性があると環境活動家らは予想している。

 

2017年1月1日 第1号

 カナダ政府は2018年を目途に国内でのアスベストの使用を禁止すると12月15日、発表した。同時にガンや他の病気を発症するとされる耐火性物質を含む製品の使用も禁止する。

 カナダは先進国の中でもアスベスト使用を認めている数少ない国であり、これでようやく世界に追いつく。

 2012年にはアスベスト輸出を停止。カナダはそれまで西欧諸国の中で唯一アスベスト輸出国だった。

 アスベストは耐熱材として、20世紀に世界中に普及し、建築物、工場、船舶、駅舎などで使用されていた。カナダは世界有数のアスベスト生産国で、長く輸出していた。

 世界保健機関は1987年にアスベストに発がん性が認められると発表。その後世界50カ国以上で使用禁止となったが、カナダはその後、輸出も国内使用も続けていた。

 国内では今回の発表に、アスベスト製造会社からの反発もあるが、今後は国内での規制に対する法整備を進めていくとしている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。