2017年6月1日 第22号

 ブリティッシュ・コロンビア州で5月9日に実施された議会議員選挙で、41議席を獲得し最多43議席の自由党に2議席に迫ったBC新民主党(NDP)が、3議席のグリーン党と主要政策で協力することが明らかになった。

 29日にビクトリアで記者会見を開いたNDPジョン・ホーガン党首とグリーン党アンドリュー・ウィーバー党首は、両党が主要な政策について協力することで合意したと発表。5月30日には揃って合意文書に署名し、2党の協力体制を強調した。

 選挙期間中に掲げた両党の公約は大部分が重なるため、それらを実現するための協力体制と語った。ただ公式な連立政権ではない点を強調。グリーン党はあくまで一致する政策でNDPと協力する形を取り、NDP政権が誕生した時に内閣入りすることはないと説明した。

 合意した政策内容の詳細も発表。企業、労働組合、BC州以外からの献金受け取り禁止、選挙制度改革の実現、住宅増加などによる適正価格での住宅供給、教育・医療制度の適正化、BCハイドロのサイトCダム建設の停止、キンダー・モーガン社によるトランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画停止などが盛り込まれた。

 特に注目を集めたのは、トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画停止。同プロジェクトは、昨年11月にすでに連邦自由党政権が承認。その後、BC州クリスティ・クラーク州首相も承認している。今年9月には工事着工が予定されているが、今後の動きが注目されている。

 

 

2017年6月1日 第22号

 連邦保守党の党首にアンドリュー・シェア議員が選ばれた。5月27日にトロントで行われた党員による選挙結果は予想外だったが、シェア党首は党内の結束を強調した。

 18カ月前に始まった党首選は、16人が立候補。3人が離脱、13人でスティーブン・ハーパー前首相の後任の座を争った。

 党首選期間中は、ケベック州のマキシーム・ベニエ議員が有利との予想だった。今年に入り、テレビ出演で人気のケビン・オラリー氏が参戦し、一時は先頭を走っているとも言われたが、4月に党首選からの離脱を発表。ベニエ候補支持に回ると表明したことも理由だった。

 しかし、12回に及んだ投票の最終決戦ではシェア候補が51パーセントで、49パーセントのベニエ候補を突き放して党首に選ばれた。

 ハーパー政権時代に下院議長を務めた以外には、閣僚も経験していない、ほとんど知名度なしのシェア党首。現在38歳。5児の父で、サスカチワン州選出。ハーパー前首相に政策では比較的近いとされている。勝利宣言では、「2019年総選挙で自由党政権を倒すためには、党の結束が必要」と語り、次期総選挙に向け保守党をまとめていくと語った。

 

 

2017年6月1日 第22号

 カナダ食料検査庁は5月27日、大腸菌O121に汚染されている恐れがあるとして、すでに出されていた小麦粉、および小麦粉製品のリコール対象を、さらに拡大すると発表した。

 今回の対象には、インドのナンなど、南アジアの一般的な家庭料理チャパティ(平たいパン)を作るためのデュラム・アタ小麦粉や、インドやパキスタン料理のデザートで使用されるスージ小麦粉も含まれた。

 そのほか全粒粉や、マルチグレイン・ブレッド用小麦粉も対象リストに加えられた。

 同庁では、大腸菌に汚染されている小麦粉でも見た目やにおいも変化がないため、気を付けるよう呼び掛けている。また、調理前の小麦粉生地や衣も口にしないよう、付け加えている。

 大腸菌による食中毒の症状としては、吐き気、嘔吐、中程度から激しい下腹部の痛みのほか、水様便や血便を伴うこともある。

 なお今回のリコール対象は種類やロット番号が多岐にわたり、紙面上では、その一覧を掲載できない。対象製品の確認については、次のキーワードで検索したカナダ食料検査庁のウェブサイトを参照のこと。『flour』『recall』『Canada』『food』

 

 

2017年6月1日 第22号

 車に子供を乗せるときに必要なチャイルドシートが、リコールされた。

 ベビー用品製造メーカーのグレコ・カナダによると、対象製品は同社のシート『マイ・ライド(My Ride)65』。特定の製造時期の製品のみだが、肩ベルト(ハーネス)の締め付け機構の不具合が製品の検査中に発見された。肩ベルトの強度が、定められた基準値に達していないという。

 対象となるチャイルドシートの型番と、その製造時期は次のとおり。

1910553:2014年5月14日~同年7月18日
1910552:2014年7月11日~同年7月30日
1910395:2014年5月14日

 型番はシートの底、または背面に貼られているステッカーに記載されている。製造時期は、肩ベルトの根本(チャイルドシート底面)に縫い付けられている符丁コード(webbing tag code)に記されている。

 カナダ国内で対象となる製品数は、1393個。グレコ・カナダは、連絡の取れた購入者に対し、改良された肩ベルトの締め付け具を無償で提供すると話している。締め付け具が届くまでの間は、現在のチャイルドシートを継続使用してかまわないと、同社では説明している。

 また所有者も、グレコ・カナダのウェブサイトやフリーダイヤル(1-800-345-4109)から連絡を取ることが可能。

 アメリカでは、2万5000個あまりの同製品がリコールされている。

 またカナダ交通省の自動車リコールのデータベースによると、同製品は過去にも2回、2013年と2014年にリコールされている。

 

 

2017年6月1日 第22号

 カナダ国境サービス庁は5月29日、ノバスコシア州ハリファックス港で、4月だけで19台の盗難車を押収したと公表した。

 最初に盗難車が輸出前のコンテナから発見されたのは、4月11日のこと。3つのコンテナから4台の車が押収された。

 それからしばらくして、今度は2台の輸出用コンテナから4台の盗難車が発見されたのに続き、翌日の検査で他のコンテナから、さらに6台が見つかった。

 さらに同庁の検査官は4月29日の検査で、輸出前の5台を押収。これで押収台数の合計は19台となった。また、その価値は65万ドルになるとみられている。ハリファックス警察が現在捜査中の事案として、捜査を引き継いだ。

 

 

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