ノバスコシア州東端に位置する、ケープ・ブレトン島。最近この島の観光業が賑わっているが、その原動力となっているのが、実はアメリカの大統領選挙。
過激な発言で話題に事欠かないドナルド・トランプ候補の当選を危惧するアメリカ人に向け、この島のラジオ局のホストが今年2月に立ち上げたウェブサイト「ドナルド・トランプ候補が当選した場合のケープ・ブレトン」が、そもそもの発端だった。
このサイトは瞬く間に世界中の注目を集め、アメリカのケーブル・ニュース会社大手CNNも取材に訪れたほど。サイトの訪問者数は予想をはるかに上回る150万人を超え、その約3分の1がアメリカからのアクセスだという。
さらにケープ・ブレトン島観光協会もこれに呼応し、ドナルド・トランプ大統領となったアメリカには住みたくないアメリカ人に対し、どのようにカナダに移住しケープ・ブレトン島に居を構えるかを説明するウェブサイトを立ち上げた。
その効果は、同島のホテルやB&Bの利用者数の増加に現れている。今年4月の宿泊者数は、昨年の同月比で30パーセント増加していたことが、ノバスコシア州観光局の調べでわかった。また同観光局は、増え続ける問い合わせに対応するため、フルタイムの職員を少なくとも2人は増やす必要があると取材に答えている。
さらにケープ・ブレトン島観光協会は、オバマ大統領が北米サミットのため6月にオタワを訪問したのに合わせ、ケープ・ブレトン島を紹介してくれたことへのお礼として、手書きの招待状を同大統領に送付した。オバマ大統領は3月10日、ホワイトハウスで行われたジャスティン・トルドー首相の歓迎晩餐会で、同島の取り組みに感謝の意を表していた。
さらに同協会は、ミッシェル・オバマ大統領夫人と娘のサシャさん、マリアさんには、地元の特産品である、手作りのハンドバッグをプレゼントしている。このブランドは最近脚光を浴び始め、カンヌやゴールデン・グローブといった国際的映画祭でセレブたちが商品を手にするギフト・スートにも選ばれている。
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