ブリティッシュ・コロンビア州最大の不動産団体グレーターバンクーバー不動産協会(REBGV)が22日に、同州クリスティ・クラーク州首相に宛て、懸念を示す書簡を送っていたことがバンクーバーのタブロイド紙プロビンスが同書簡を入手して明らかになった。

 同協会広報はクレイグ・マン前会長の名前で書簡が送られたことを認め、あくまでも協会内で共有するものであり、公に発表する予定にはなっていなかったと語った。

 書簡内容は、今月クラーク州首相が不動産の脱法的転売行為、いわゆる「シャドー・フリッピング」について規則強化を発表したことに対する懸念を示すもので、「市場に制限を設けることは予測不可能な結果を招く」と、警告ともとれる文章が綴られている。さらに、メディアの過剰な反応にも懸念を示している。

 シャドー・フリッピングの実態は先月、全国紙グローブ&メールが記事を掲載し、BC州野党新民主党(NDP)の反応も加わって、メディアでも大きく取り上げられた。BC州政府はBC州不動産協議会に不動産売買に関する調査を依頼し、その結果を待って対策を講じるとしている。シャドー・フリッピングはマネーロンダリングも絡んでいる可能性があるとの指摘もされている。

 REBGVは先週開かれた年次総会で、不動産売買時に不正行為をした不動産業者への罰金をこれまでの1万ドルから3万ドルに引き上げることを、賛成多数で可決した。この総会で新会長に就任したダン・モリソン氏は、シャドー・フリッピングの問題があったことが罰金引き上げの理由ではないことを強調。現在の不動産価格を考えるとコミッションも増えているため罰金引き上げは妥当な判断、それまでの金額設定は古すぎたと説明した。前回の改定は2004年。罰金は3倍になったが、この間の不動産は3倍以上伸びている。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。