ケベック州モントリオールに本社を置く航空宇宙産業大手ボンバルディア社は17日、国内外約7千人を解雇すると発表、同時に、エアカナダ社から大型受注を受けたことも発表した。

 解雇はカナダ国内とヨーロッパがほとんどで、7千人のうち2千人は契約社員。部署別では、3千2百人が鉄道部門で、残りは宇宙開発やエンジニアリング部門が主となっている。航空機部門では増員を予定している。

 ボンバルディアはアメリカのボーイング、ヨーロッパのエアバスに次ぐ、世界第3位の航空機メーカーで、中小型機を専門に製造している。このクラスではブラジルのエンブラエル社がライバルとなる。

 ボンバルディア社は新世代中型機Cシリーズ(CS)を10年以上かけて開発。しかし予定より2年開発が遅れ、予算的に20億ドル超と苦戦し、販売もなかなか進んでいない。しかしこの日、同じくモントリオールに本社を置くカナダ最大手航空会社エアカナダ社がCS300を45機購入したと発表、さらに30機追加受注する可能性もあると語った。

 ボンバルディア社は同日に公表した2015年の会計報告書と2016年の見通しで、2015年は53・4億米ドルの純損失となり、2015年第4四半期は6・7億米ドルの損失となったと報告した。2015年の収入は182億米ドルで、2014年の201億米ドルから減収、2016年はさらに減少し165から175億米ドルになる見通しと報告した。

 同社は昨年後半、連邦政府にCSを軌道に乗せるための緊急支援を要請している。ケベック州は緊急措置として昨年すでに10億ドルの支援を表明した。連邦政府ナヴディープ・ベインズ、イノベーション・科学・経済開発大臣は「この件に関してボンバルディア社と協議を続けている」と声明を発表した。

 

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