サスカチワン州北部の町ラロシュで22日午後、学校などで青年が銃を乱射、4人が死亡、7人が重軽傷を負う事件が起こった。

 ラロシュは先住民が多い人口約3000人の町。この町のコミュニティ・スクールの中高生が通う校舎で銃声がするとの第一報が警察に入ったのは、午後1時ごろだった。

 事件当時校舎にいた生徒の一人は取材に対し、銃を持った青年が学校敷地内に入った後銃声が校舎内外から聞こえ、叫び声とともに生徒らが校舎の外へ逃げ出した。銃声は少なくとも7〜8発は聞こえたと、当時の状況を説明していた。 この銃撃で、同校の教諭アダム・ウッドさん(35歳)と教師補助マリー・ジャンビエさん(21歳)が死亡したほか、7人が負傷した。そのうちの少なくとも3人は高校生とみられ、1人は重態。 容疑者の青年は銃を持ったまま校庭にいるところを、駆けつけた警察官に取り押さえられた。 また警察は、デイン・フォンテーン(17歳)さんとドライデン・フォンテーンさん(13歳)が町内の家で射殺されているのも発見。事件を起こしたとみられる17歳の青年には、4件の第一級殺人と7件の殺人未遂、および火器の不法所持の容疑がかけられている。なお、少年法によりこの青年の詳細は公表されていない。

 メディアは、事件直前「2人を殺したところだ。これから学校でもぶっ放す」「なぜだ?」という会話がやり取りされている携帯電話上のソーシャルメディアのスクリーンショットを、銃撃から逃れた生徒から入手している。警察はこの会話についてはコメントしていない。

 また容疑者青年と親しかったという25歳の友人は、容疑者は学校で体形などからいじめを受けていたと取材に話している。しかしそのことを友人にも相談しておらず、「もし話してくれていたら、こんなことにはならなかったのでは」と語り、自分もかつていじめを受けたことがあり、そのつらさを知っているだけに、彼を責める気にはなれない、責めるべきはいじめそのものだと、心情を吐露していた。

 この事件に町は大きなショックを受けており、24日に現地を訪れたサスカチワン州知事ブラッド・ウォール氏は、住民に対するカウンセリングなど必要な支援を行うと表明。また、今回の事件で先住民コミュニティにおける問題ー中毒問題への不十分な対応、青少年向けプログラムやアクティビティ、およびメンタルケア・サービスの欠如などーが浮き彫りになり、その解決に皆で取り組まなければならないと語っていた。

 

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