掲示板で家探しはふつう?

夏休みだけの予定が、つい長居してしまったホームステイ。雨の季節に入った頃、「そろそろ自立の時!」と家探しすることになりました。家探しの一歩として、日本ではまず不動産屋に(あるいは不動産サイトに)飛び込むところですが、こちらの友人は皆、口を揃えて「Craigslistを見てる?」。
Craigslistは北米で最もポピュラーな掲示板ということはご存じでしょう。会員登録などせず利用できるためリスクは潜んでいますが、それを見極める目さえあれば、豊富な情報から自分の求めるものに出会う確率は高そうです。
というわけで、Craigslist検索を開始。私の希望は、プリスクールに通いやすいこと、バスやスカイトレインのアクセスがよいこと、プライバシーの保てる環境であること、家具付きであること、治安に心配のないこと、家賃は抑えめに、といったところです。総合的に考えて、アパートやコンドミニアムではなく、落ち着いた住宅地にある一軒家のベースメントスイートが候補になりました。
手始めに条件を満たす3〜4件にメールを送ってみました。2日ほど待っても返事がありません。さらに4〜5件送ってみましたが、やはり返事がありません。そもそもCraigslistからオーナーへメールが転送されていないのではと疑った頃、1件だけお断りメールが来たので届いてはいるらしい。「それにしても、なんで返事がない?」友人に相談すると、1ベッドルーム3人入居にオーナーが難色を示している、あるいは子連れが歓迎されないといった理由がありそう。希望に添わない借り手からのメールは、スルーするのが一般的のようです。
そこで、家賃をもう100ドル上げて検索を再開。メールには、私たちがカナダに滞在する理由や今後の計画など、より誠意の見える文章を付け加えました。すると、ポツポツ返事が届くようになりました。「一度、見に来ませんか?」と。

個性豊かな家と家主たち

その週末、5件のベースメントスイートを見学しました。娘たちはわけのわからぬままちょこちょこ私の後をついてきます。事前のメールのやりとりから、オーナーの出身や性格はある程度、予測することができました。見学した物件の感想はこんな感じです。
1件目、リビングから長い廊下を通って(バスルーム経由)ベッドルームへ続く細長い間取り。各空間は狭いが、シングルベッドが2つ連なり、寝る時だけはのびのびできそう。
2件目、プライベート環境ながら同じフロアに数人が入居。清潔感イマイチ、家賃も安め。テンションの高いオーナーに「庭にジープがあるから乗っていいよ」と言われても…。
3件目、ペンキ塗り立てをセールスポイントにしていたが、「たしかに塗り立てだ」というにおい。生活用品は完備してくれると手厚い印象だが、「洗濯、週1回」は子連れには厳しい。
4件目、ほやほやの新築、いや未完成か? オーナーは息子と暮らす父子家庭で、私たちのような女所帯が入居していいものか躊躇する。共同生活を始めるわけではないが……。
5件目、事前メールの丁寧さから期待度は一番だった。部屋は細かくチェックを入れるまでもなく「Comfortable!」。ベッドとソファを自分で用意せねば、という他は不満なし。
というわけで、5件目と無事契約するに至りました。プリスクールから徒歩数分圏内、スーパーも目と鼻の先とロケーションも申し分ありません。部屋はリビング・ダイニング・キッチンがひと続きの親子3人には十分な空間で、床のブラウンのタイルも気に入っています。オーナー家族には赤ちゃんがいて時々泣き声が聞こえ、そのたびに心癒されています。

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2013年4月25日 第17号 掲載

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