フィリピンで手続き!?

親子留学先をバンクーバーに決めた私が真っ先に考えたこと、それは「どうしても7月に行きたい!」でした。語学留学時代、西海岸のポートランドに到着したのも7月。その時のまぶしい緑、澄んだ青空、初めてちゃんと両目を開けたかと思った世界が忘れられませんでした。同時に、秋から冬は雨続きというのも忘れていません。
学生ビザ取得へ向けて動き出すと、なんと前月の4月1日付けで東京にある在日カナダ大使館の査証部が閉鎖していたではありませんか。「ビザの申請はマニラへ!?」在フィリピンカナダ大使館まで書類を郵送して申請するため、ネット情報によると取得に3か月かかるとも言われています。カナダ大使館へ電話をかけるも対話の相手は音声アナウンスばかり、メールを送ってみるも欲しい回答は得られないままでした。
どうせ行くなら一番美しい季節に行きたい!でもビザを待っていると秋になってしまう……そんな堂々巡りに陥った私は、今回の計画を応援してくれている妹にため息交じりで報告しました。すると一言、「観光ビザで行ったら?」
目から鱗がこぼれ落ちました。言うまでもなく、カナダにはノービザで6か月間滞在できます。ビジターとしてなら、航空券さえあれば明日にだって出発できます。
よくよく考えてみると「親子留学」なんて謳っていましたが、あくまで子どもの留学が目的です。私の学校通いは二の次でけっこう。ビジターとして滞在する6か月間にも、学校へ通うことは可能です。また最初から「1年半帰国しません」というより、「半年でいったん戻ります」という立ち位置のほうがどんなに気を軽くしてくれるでしょう。子どもたち、お父さんにも会いたいですしね。
こうして「親子留学」改め、ひとまずビジターの子ども留学へ向けて、超特急の準備が始まりました。

予算オーバーをどうする?

今回の計画にあたって夫が出した条件は、航空券と保険料を除いた予算が、日本で生活した場合とカナダで生活した場合とを比べ「ほぼとんとんになるように」でした。わが家の場合、夫は単身赴任中なので、親子3人の生活費できっちり比較できます。
留学エージェントの無料見積もりを数社依頼しましたが、結果はいずれも予算オーバー。それも考えられないくらいの……!でした。内訳は、私の語学学校が年間1万1117ドル、その手続き費用2100ドル、子どものデイケア代年間1万4400ドル×2人、その手続き費用賃貸4200ドル、留学用医療保険913ドル×3人、家賃が月およそ1000ドル、生活サポート費840ドルといった具合です。
「ビジター」を選択することで、上記見積もりからだいぶカットすることができました。往復航空券が余分にかかりはしてもです。私の学費がない上に、語学学校通学に伴うデイケアの長時間保育を考えずに済みます。子どもを短時間のプリスクールに入れることも可能になりました。
留学エージェントによって費用はまちまちで、もっとリーズナブルな会社、あるいは学校の手続き費用をとらない会社もあるでしょう。ただ「日本から、親子留学で」となると、通常の留学より手続きやサポートにプラスでかかってしまうようです。
幸い、某日系掲示板を通して私たち親子を受け入れてくれるホームステイ先がみつかったので、もろもろ手続きは自分でするとして、留学エージェントに頼らず行く勇気を持つことができました。

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2013年2月21日 第8号 掲載

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