わくわくする季節の始まり

澄みわたった青空、コントラストの強い日向と木陰、歩き回っても汗をかかないドライな空気……ちょうど一年前、バンクーバー国際空港に降り立った時と同じ季節が今、目の前にあります。昨年の夏は初めての土地でプリスクール探しに奔走したり、2つのホームステイを経験したりと、それなりに予定を詰め込んで生活していましたが、でも時間はゆっくりゆっくり流れていたのを覚えています。  そして一年後。二度目の夏がめぐって来ました。6月後半にプリスクールの卒業式があり、キンダーガーテンスタートの9月初旬まで、まる2カ月半のロングバケーションです。誰もが待ち焦がれたキラキラした夏ですが、「やったー、休みだー」と手放しに喜べないお母さん方もきっとバンクーバー中に溢れていることでしょう。私も期間限定滞在の身、夏休みを「長いなぁ」とため息ついて過ごすことは避けたいと考え、4月5月のプリスクール卒業関連イベントを飛び越えて、春先からサマーキャンプチェックに余念がありませんでした。私自身のESLも娘のサマーキャンプと並行して組み、親子伴走の図で乗り切ろうと計画を立てました。

コミュニティセンター礼讃

こうして迎えた夏休みですが、ここまでのひと月は1週間にも思えるほどあっという間でした。娘のサマーキャンプ&私のESLの日々は、むしろ週3のプリスクール時代より疾走感があります。  それにしても、世のお母さん方の「子どもの夏休みを可能なまで充実させたい」という願いを代弁するように、サマーキャンプの多種多彩なこと。各地域のコミュニティセンター、スクールボード、YMCA、プリスクール、デイケア、サイエンスワールド、各習い事教室などがそれぞれにプログラムを用意しています。中でも豊富なラインナップと安価な受講料設定のコミュニティセンターにはいつも親愛の情を抱いています。日本で言うと公民館に当たるのかしら? 一般に地域の公民館は場所貸し中心で囲碁クラブやカラオケサークルは見かけても子どもの習い事が充実しているとは言えません。あるいはカルチャーセンターも3カ月ワンタームで子どもから大人まで様々なプログラムを主催していますが、入会金もあり受講料も安いほどではありません。一方、カナダのコミュニティセンターは習い事の場であるだけでなく、場所によっては図書館やプールやアイススケートリンクも併設され、祝祭イベントも頻繁に開催されて、地域の重要な盛り上げ役であると同時に居住地域を問わない誰でもウェルカムな社交場です。日本にもこんな場所があったら、子育てママさんやリタイヤードの人びとが心の拠り所にできるのに。  さて、娘たちには朝から夕方の一日プログラムにポンと参加させたかったのですが、5歳児は半日プログラムしか見当たらず。それも私のESLの授業時間より短時間ときているため、ベビーシッターさんの手を借りながら午前中のプログラムに参加しています。これまで通っていたレッスンのサマーキャンプバージョンで、娘たちは慣れ親しんだ先生とのびのび過ごしているようです。私は授業終了後、まさしく駆け足で迎えに急ぎます。そして公園の木陰でランチした後、砂場や遊具で遊ぶ娘たちを横目にESLの宿題をする、そんな日々です。  オフの時間は、ファーマーズマーケット(6月〜10月)をのぞいたり、スタンレーパークのプールで泳いだり、バーナビービレッジミュージアム(夏期無料)を見学したり、スティーブストンでフィッシュ&チップスを堪能したり、バースデーパーティーに水着で参加したりと、まあ太陽の下でよく遊んでいること。もちろん肌は真っ黒。ちょっとがんばり過ぎたのか、ついに今週末、二人とも日本でも大流行の手足口病にかかって寝込んでしまいました。

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2013年8月1日 第31号 掲載

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