人口8万5千人ほどの比較的小さなカムループス市に本格派ラーメンショップが2月からオープンした。宣伝など何もせずに始まったこのいわゆる「ヌードルショップ」、いきなり大人気と聞いて、すかさずチェックしにいった。
お店の中に入ると、屋台風のカウンターがまず目に入る。木製のテーブル、椅子が店内にあり、内装、家具はすべてオーナーの荻田幸宏さん(通称ユキさん)の手作り。カナダでログビルダーをしていたユキさんは常にこういったお店を持ちたいと計画していた。
そこでついに日本でシェフをしていた奥さんの千恵さんと共にラーメン屋を企画。スープの開発から始めた。スープには豚骨と野菜スープの2種類がある。現在日本人が700名ほどしかいないと言われるこのカムループスで成功するためには、一つのスープでは限界があるとユキさんは見抜いた。そこで日本人を対象とせずに、カナダ人に受けるスープを作成。これが現地の人に受けた。
スタッフを集めるのに苦労したとは言うもの、オープンしてからここまでの出だしは好調。食べ終わった後のお客さんたちの満足した顔を見て手応えを感じている。初めは食べ方に戸惑っていた現地のお客さんが2度目からラーメンをすするのを見るのが嬉しいとユキさんは語る。トンプソンリバー大学で知られるカムループスにはアジア各国から来る生徒も多く、客層は意外と広い。
麺には東京豚骨に見られる太目の麺を使用。沖縄そばに似たコシのある麺がこってりとしたスープによくあい、満足度が高い。 スープにはみそ味もあり。あっさりした味が好みの方には野菜スープがベースで自家製のチャーシューがこんもりもられている「肉そば」がお勧め。ラーメンの値段は7ドル〜9ドル。その他品目は少なめながらも餃子、スタミナ丼、ビーフ丼など用意されており、価格も4ドル以下と安い。
お店がオープンしたばかりの今はまだ挑戦期間と感じている ユキさんにはこれからの抱負も大きい。去年日本で東北大震災が起きたとき何もできなかった自分が歯がゆかったと語る。今年3月11日には売り上げの一部を大震災の復興活動に寄付した。お店を土台として次にまた大きなことをできるその力をつけていきたいと意気込んでいる。
(取材 亀谷長政)

住所:310-1210 Summit Drive, Kamloops

電話:1-778-571-6011

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