2019年12月19日 第51号

12月8日、バンクーバー市のシェラトン・バンクーバー・ウォールセンターで、企友会(バンクーバー日系ビジネス協会)が主催する日系ビジネスアワード授賞式とクリスマスパーティーが開かれた。羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事や石川征幸領事をはじめとする約90人が出席した。

 

企友会日系アワード大賞を受賞した吉川美砂子さんの代理として受け取ったおのさん(右)。左は昨年同賞を受賞した田村徳樹さん

 

日系ビジネスアワードとは

 開会にあたって企友会の澤田泰代会長があいさつした。今年、企友会では14のイベントを開催したと述べ、バンクーバーの日系団体の中でこれほど頻繁にイベントを開催し、活発に活動している会は他にないと自負していると話した。またウェブサイトのリニューアルも終了し、今後は対外的にもより効果的に発信していきたいと述べた。

 日系ビジネスアワードには、バンクーバー地区における日系ビジネス関係者に励みと模範となっている人を紹介すること、功績があった人をねぎらうこと、このアワードをきっかけにして日系ビジネス全体のより一層の発展を願うという3つの目的がある。審査委員会は企友会現会長と理事2人、会長職経験者から2人の計5人で構成されている。またバンクーバー新報社津田佐江子社主がオブザーバーとして加わり、公平な観点から審査をしている。澤田会長は総評で、ビジネスの形も変化を遂げる時代であり、日系ビジネスにおいても自分たちがまだ知らない活躍をしている人や、スタートアップの人たちがたくさんいるということを認識したと語った。

日系ビジネスアワード受賞者
企友会日系アワード大賞
吉川美砂子 さん

 会の内外を問わず、BC州内における事業で大きな功績を残すと共に日系社会に貢献している人を対象に選出している。吉川さんは日本へ出張中のため、スタッフの一人である、おのさんが代理で盾を受け取った。

 ミサコズ・ヘアサロンのオーナーである吉川さんは、バンクーバーで40年にわたりヘアサロンを経営、現在も日本人美容師として活躍している。滋賀県出身で兵庫県宝塚市で幼少期を過ごした。美容学校を卒業後、大阪のヘアサロンに就職。その後、東京・田園調布の高級ヘアサロンに勤めると、瞬く間に売り上げナンバー1となりマネージャーになった。1977年、活躍の場を広げるため単身カナダに移住、その2年後にはバンクーバーに自身のサロンを開いた。ダウンタウン、リッチモンド、メトロタウン3店舗を展開し、現在所属するスタイリストは14人。プロのスタイリストとして常に顧客を飽きさせないことを大切にし、年に4〜6回は東京を訪れ、新しい人材の面接や仕入れをしながら、美容業界のトップとも情報交換をしている。今回は、ヘアサロン開業40周年を記念して、これまでの長きにわたる活躍と成功に対し大賞が贈られた。

 吉川さんはビデオ出演し「29歳から起業して40年、波乱万丈の人生でした。失敗もありいろいろな経験を積み、今があります。長年にわたるお客様のサポート、歴代のスタッフ総勢300人以上の力で、この大賞を受賞できたと思い感謝の気持ちでいっぱいです。これからは、若いスタッフたちがミサコズを力を合わせて盛り上げてくれると思います」と語った。

日系社会功労賞
五明明子 さん

 会の内外を問わず、BC州において長期にわたり日系社会に貢献した人を対象に選出。

 五明さんは兵庫県西宮市出身。父の仕事の関係で9歳から14歳までドイツのデュッセルドルフで過ごし、1976年に上智大学外国語学部ドイツ語学科を卒業。エルサルバドル、コスタリカにも滞在経験がある。結婚後カナダに移住。1988年、カナダの食品ギフトを販売するサーモンビレッジを前夫と立ち上げた。2003年に前夫を水難事故で亡くしてからは、小売店と工場を運営管理してきた。その後、ダウンタウンの小売店を閉店、スモーク工場を従業員に譲った。リタイア後はボランティア活動にますます積極的に取り組んでいる。日系センターの立ち上げには当初より関わってきた。2016年から3年間は日系文化センター・博物館の理事長を務め、現在は副理事長として現理事長をサポートしている。今回は、長期にわたり尽力している日系センターでの活動を中心とした、日系コミュニティーへの貢献に対し功労賞が贈られた。

 五明さんはあいさつで、この賞は自分一人の力で受賞したものではないとして、日系センターで達成できた事柄や日系祭り実行委員長を務めた際も、周りの人やスタッフ等に支えられてできたことだと述べた。そして、「日系コミュニティーには100以上もの組織がある中、建物を持ち、運営しているのはバンクーバー日本語学校、隣組、日系センターです。この3団体は過去には多少ぎくしゃくしていたこともありますが、最近はお互いの信頼関係もでき、必要に応じて協力しあえる良い関係であると思います。持ちつ持たれつ、それぞれの分野での特色を生かして共存し続けることが、日系社会にとって必要であろうと思っています」と語った。

企友会新人賞
ゆりえほよよん さん
高岡利和 さん

 企友会の会員の中から特に活躍をしている人に贈られる。新たにビジネスを立ち上げたり、新規事業を運営するなど創意工夫、企画等を含めて選考される。

 ゆりえさんの活動は声優、テレビリポーター、イラストレーター、イベントの企画運営と多岐にわたる。声優としては、クライアントベースが現在58カ国、700社以上、ジャンルは日本語ラーニング、ゲームキャラクター、CMなど。日系コミュニティーイベントのMCやNikkei TVのリポーターとしても活躍している。夫が手がける地ビールブランドのビールラベルのデザインを手がけたり、自身のブランドであるキューティー・キューティー・バンクーバーを展開、バンクーバーに日本的なかわいらしいデザインを広めている。また、バンクーバー市やパウエル祭事業部からバックアップを得て、詩のイベントを企画運営する。最近は有志3人で日系クラフトイベント、ジャパン・マーケット・バンクーバーの企画運営に携わる。今夏の開催時には1日に1万人の来場数を記録した。今回は、そのマルチな才能と日系コミュニティーのさまざまな場面で積極的に活動、分野や業態を超えたビジネスパーソンとしての新たな在り方をコミュニティーに示したことから受賞となった。

 ゆりえさんは「バンクーバーの中にかわいいものが足りないと思い、かわいいものを含めた日本文化をもっと広めたいと思っていろいろな活動をしています。今いちばん力を入れているのはジャパン・マーケットですが、たくさんの人に来ていただき、ベンダーも90社ほど入ってもらっています。バンクーバーの日本人コミュニティー以外の人にも日本の良さを広めたいと思っています」と語った。

 高岡さんは、IACEトラベル・バンクーバー支店の支店長を務めている。北海道で生まれ大阪育ちの高岡さんは、19歳の時、語学留学のためにトロントに渡った。語学学校を修了後、セネカ・カレッジに入学、旅行業を学んだ。2009年の卒業と同時に、インターンをしていたIACEトラベル・トロント支店に入社、主に営業、団体、予約業務に携わった。トロント支店でオペレーションマネージャーと支店長を経験した後、2016年にバンクーバー支店へ支店長として着任した。旅行もオンライン予約が多くなっている中で、オンラインではできない提案やサービスをモットーに、旅行業に従事している。また企友会の活動にも積極的に参加し、BBQやボーリング大会などの懇親イベントの企画運営と、会の会計も担当している。今回は、自身のビジネスに加えて、コミュニティーでも積極的に活躍していることからの受賞となった。

 高岡さんは「企友会のいろいろなイベントを手伝ってきて、皆さんとこのようにつながっていけたと思っています。来年の東京オリンピック観戦のために日本に行くカナダの人も多いので、こちらでも盛り上げていけたらいいと思っています」と述べ、今後も仕事や企友会での活動で頑張っていきたいと語った。

楽しい歓談のとき

 続くクリスマスパーティーの冒頭で羽鳥総領事が乾杯の発声をした。企友会には、自分でビジネスを始めて大きく育ててきた人が多く、その活躍ぶりはまぶしく映ると語った。日本の文化、製品、サービスをカナダの地に提供することによって、日本に対する印象がさらに良くなっていくことは、外交といった観点でも大きな貢献であると述べた。

 食事を楽しみながらの歓談の時間には、ギタリストの中島有二郎さんがウクレレを演奏し、優雅なクリスマスの雰囲気を演出した。続いて、ドアプライズと50/50ラッフルの発表がおこなわれた。企友会会員からの寄付により、パーティー出席者全員がドアプライズを手にすることができ、一足早いクリスマスプレゼントとなったようだ。出席者同士、積極的に交流を深めている姿が見られ、企友会が明るく親しみやすい雰囲気で運営されていることがよく分かる。最後に企友会の谷口明夫副会長があいさつし「来年も企友会ではいろいろな取り組みを考えており、皆さんのご協力とご支援が何より必要ですのでよろしくお願いします」と締めくくった。

(取材 大島多紀子)

 

吉川美砂子さんはビデオ出演し受賞の喜びを語った

 

日系社会功労賞を受賞した五明明子さん(左)と、昨年同賞を受賞した松野洋子さん

 

企友会新人賞を受賞したゆりえほよよんさん(右)と、昨年同賞受賞者の荒木大輔さん

 

企友会新人賞を受賞した高岡利和さん(右)と荒木大輔さん

 

羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事

 

たくさんの出席者を迎えて華々しく開催された授賞式とパーティー

 

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は今号をもちまして終了いたします。

しかし、日系コミュニティーに支援されて41 年余り続いてきた新報を存続させたいとの思いから、オンラインによるウェブサイトでの情報発信を継続することになりました。

SNS を含むオンラインは、弊紙で記者をしておりました三島直美と西川桂子が、責任者として引き継ぎ新体制で再出発いたしております。

2020年7月1日より公開されました新バンクーバー新報サイトは以下となります。

今後も引き続き、ウェブサイトの閲覧をよろしくお願いいたします。

https://www.vancouvershinpo.ca/