豪華客船ザーンダム

創業135年の歴史を持ち、プレミアム・リーダーと位置づけされた伝統と格調あるクルーズラインで数々の賞に輝いたクルーズ会社「ホーランド・アメリカ・ライン」。今回乗船したザーンダムという客船は、船客1432人、クルー620人、デッキが10、船客用のエレベーターが12、パブリックルームが18、と迷子になってもおかしくはないほどの広さ。180度海を見渡せる清潔なジム、スパ&サロン、オーシャンビューの屋外プールや天井の開閉が出来るプール、ジャグジー、海を一望するテニスコート、バスケットコート、種類の異なるラウンジやバー、ソファーが沢山ある図書館や映画館、インターネットカフェ、レストラン、カジノにアートギャラリー、託児所などあらゆる設備が整っている。
毎朝、部屋にその日のショーやイベント、アクティビティの詳細が書かれた日程表のような船内新聞が届く。ショーやプログラムの案内だけでなく、その晩のディナーのドレスコード、クルーズライフに欠かせない情報が詰まっている船内新聞には必ず目を通したい。

船での買い物は、チェックイン時に渡される身分証としても使う部屋のカード(鍵)で全て支払うので、常に財布を持つ必要がなく便利。部屋にはセーフティーボックスがあるので、財布などの貴重品はその中へずっと入れておけば大丈夫。オールインクルーシブでも、アルコール類やスパなどのリラクゼーション、お土産店や宝石店、インターネットやカフェで個人で利用したものは有料となる。

驚きの連続!クルーズの食事!

船での一番の楽しみは食事と言っても過言ではない。食事を理由にクルーズのリピーターになる人も多いほどだ。その土地の新鮮な味と伝統料理など多国籍のメニューが用意されており、選択肢がとても多いので同じメニューに飽きるということはまずないだろう。また、ビュッフェタイプのレストラン、フルコースが楽しめる本格的なレストランも数件あるほか、ルームサービスなども選択できる。ビュッフェも朝、昼、夜とメニューは毎日変わり、さらに、サラダバー、スープやパン、デザート、イタリアン、お寿司、メキシカンや種類の多さに目を見張るほど。プールサイドにあるカジュアルなビュッフェではバーガー、ホットドッグやピザ、ブリトーなどのお手ごろスナックも並ぶ。ディナーはメインレストランで毎晩、食事の開始時間とテーブルが決まっており、同じウェイターから最高のサービスを受けながらのフルコース料理となる。サラダ、前菜、メイン、デザートを豊富なメニューからセレクト。どれにするか決めかねている人や、お腹がすいている人は、メインを2皿頼んでも、デザートをいくつ頼んでもいい。子供用のフルコースメニューもあり。バラエティーに富んだメニューを日々堪能できるので、味にこだわりのある日本人でもこれなら満足すること間違いなし。
ディナーはドレスコードがあるので注意。子供でも、それに応じた服装をすることがマナー。日常生活を忘れ、たまには思い切りドレスアップするのも楽しいものだ。

驚きの連続!クルーズの食事!

プエルトバジャルタは、独特な建築物や石畳の道が目立つ古風なコロニアルの街。年間300日もの晴天に恵まれており、平均気温が28度でハワイの気候に似ていると言われるが、念のため折りたたみ傘は持参したい。港から徒歩5分ほどの所に大型スーパーがあり、そこでまとめてお土産を買う人も多いが、私は英語の全然通じないタクシー運転手とチンプンカンプンな会話を交わしながら街の中心部へ。ダウンタウンは古風な露店、ブティック、アートギャラリー、酒屋、宝石店やお土産屋さんがズラリと並んでいる。シルバーやターコイズなどはカナダで買うよりも安いが、ついている値段はどれも観光客用なので、値切りながらメキシコ人との駆け引きをするのもまた楽しい経験だ。ペソを用意していなくても、アメリカドルならほぼどこででも使える。アメリカドルはタクシーでは使えるが、バスではペソのみ、またペソを使ったほうが安く買える場合が大半なのは覚えておきたい。ビーチ沿いはレストランやお土産屋、プエルトバジャルタ名物の銅像がズラリ。ダウンタウンから少し歩き、旧市街地へ行くと、一気に雰囲気が変わり、地元で生活している人たちの活気で溢れていた。本当のメキシコに来ている気分に浸れるが、英語はあまり通じない。ここで私が最も興奮したのは、ハンドペインティングのメキシカンタイル店。カラフルな食器やタイルに目移り。お店の二階に上がれば職人さんがペイントしているところが見学できる。私はカラフルで様々な柄のタイルを数十枚、食器などを買って大満足したところまでは良かったが、重くて泣きそうに。優雅な船での生活とは違い、寄港地ではバックパックが必需品!

カボサンルーカス

海亀の産卵、アシカやマンタの生息地として知られ、「世界で最も海洋生物が棲みやすい」と言われるカボサンルーカスは、多くのハリウッドスターが豪華な別荘を持ち、セレブ御用達の避寒地としても知られる。大きな客船が接岸できるほどの桟橋がない小さな港なので、港へは船からのテンダーボートを利用。港に着くまでの約10分間には、アーチ型の天然岩エルアルコなどの絶景にうっとり。テンダーボード乗船中は、沢山のシャッターチャンスがあるのでカメラは手元に!テンダーボートを降りてからは、コルテス海と太平洋に囲まれた内陸だけにサボテンがやたらと目に付く。カボサンルーカスは、ほぼどこにでも徒歩で行ける。正面の噴水が目印の大きなショッピングモール“プエルト・パライソ”には、港から徒歩で約15分。プエルト・パライソに行く間にもユニークな出店が沢山ある。ダウンタウンには沢山のメキシカン音楽が聞こえてくる陽気なレストランやバー、お土産屋が軒を連ねるが物価は高め。人気のターコイズやシルバージュエリーは、カボサンルーカスよりもプエルトバジャルタのほうが断然にお得だ。街に隣接する穏やかな海のメダノビーチは、今流行りのスタンドアップ・パドル・サーフィンを始め、色々なマリンスポーツが堪能できる。

忘れたくないもの!一押しアイテム!

日焼け止めクリーム、サングラス、帽子は必須アイテム。あと、頭痛薬や酔い止めなどの常備薬も忘れたくない。普段は車酔いや船酔いをしない人でも、旅先での疲れから体調を崩し船酔いをする可能性もあるので、必要ないと思う薬でも持参するのが無難だ。晴天の多いメキシコと言えど、レインジャケットと折り畳み傘はマスト。のんびりする時間がたっぷりあるので、読みたいけど普段は時間がなくて中々読めなかった本なども数冊持参したい。船には図書館もあるが、必ずしも読みたい本があるとは限らないので自分で持参することをオススメ。朝晩は肌寒い時もあるので、長袖の上着やストールがあると便利。

旅の終わりに!

乗船したその瞬間から、とてもフレンドリーなクルーたちに迎えられ、心配りの行き届いたサービスに感動。クルーズ代は事前に払っているものの、毎日、クルーたちへのチップ代がかかるので、最終日には合計日数のチップ代が請求されることをお忘れなく。部屋のカードを利用したショッピング代やインターネット代、アルコール代などは最終日にまとめて払えばいい。朝起きてから寝るまで、素晴らしいサービスと贅沢を堪能できるクルーズは、シニア層が多いイメージがあるが、意外なことにも若いカップルや家族連れも多く見られ、幅広い年齢層で楽しめる。ただ、寄港地での自由時間があまり多くないので、その街で何をしたいか事前に計画を練り、有効に時間を使うことをオススメ。「今度はカリブ海に行ってみたい」と次の計画を練りながら、クルーズに魅せられるメキシカンリビエラクルーズが幕を閉じた。

 

(取材 門利 容子)

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