2020年2月20日 第8号

一年を通じて雨の多いバンクーバー。最近は雪が降ってますます家から出たくない。そんな寒い冬に人気があるのは自宅で楽しめる映画。今はNetflix(月額$9.99〜契約で見放題)が普及し、映画館を飛ばしてネット公開される映画も増えている。だがもっと最新、特に今年のアカデミー賞候補の作品を家族全員で見たい人にはやはり自宅レンタルがお手頃。今回は昨年好評だった、レンタル可能(近々予定も含む)な映画を紹介したい。

 

 

Once Upon A Time In Hollywood

︎Once Upon A Time In Hollywood ©2019 Sony Pictures Releasing

ハリウッドのゴールデン・エイジが懐かしいコメディ

今年のカンヌ国際映画祭でプレミアしたクエンティン・タランティーノ監督の9作目の作品で、主演のレオナルド・ディカプリオが、往年の人気俳優バート・レイノルズにそっくりという見事な演技が光った作品。 舞台は1969年のロサンゼルス。人気TVスターのリック・ダルトン(ディカプリオ)は アルコール中毒と闘いながら、マッチョなイメージを保持し近代化する業界に必死でしがみついている。 レイノルズが惜しくも撮影開始時に亡くなったので、代理共演としてブルース・ダーン、そしてアル・パチーノも出演している。スティーブ・マックイーン、ブルース・リーなど往年の俳優が多数登場して昔が懐かしくなる映画。14A/2:41 

 

 

Joker

︎Joker ©2019 Warner Bros. Pictures

連続殺人犯がつくられる過程を描く

『バットマン』の悪者ジョーカーを描く作品で、ベネチア国際映画祭で最高賞を受賞し、アカデミー賞では主演のホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞した作品。舞台は1980年代の、財政難に陥ったゴッサム・シティ。大道芸人だったアーサー・フレック(フェニックス)は発作的に笑い出す病気を持っていたため、人々にからかわれ報われない毎日を過ごしていた。ある日、証券マンたちから突然暴行を受け、初めて人を殺してしまう。それから自分の母親など多くの殺人を重ねたジョーカーの生活をカメラが追う。トッド・フィリップス監督がマーティン・スコセッシ監督に影響されたことから撮影はニューヨークで行われ、『タクシードライバー』主演俳優ロバート・デ・ニーロも共演している。14A/2:02  

 

 

Maleficent: Mistress of Evil

︎Maleficent: Mistress of Evil ©2019 Walt Disney Pictures

アンジーの母性愛が光るディズニー大作

ディズニー映画『眠れる森の美女』の悪役マレフィセントのストーリーを描いたファンタジー映画の続編で、主演は国連特使で女優のアンジェリーナ・ジョリー、監督はヨアヒム・ローニング。ステファン王の死後、フィリップ王子の母でもっとダークなイングリス王妃(ミシェル・ファイファー)が政権を握っていた。オーロラ姫(エル・ファニング)はフィリップ王子(ハリス・ディキンソン)との結婚を夢見ていたが、マレフィセント(ジョリー)は反対する。やがてイングリス王妃が真の姿を現しオーロラを殺そうとしたため、マレフィセント率いる妖精のムーア王国と人間王国の戦いが始まる…。カラスのディアヴァル役としてイケメン俳優サム・ライリーも再出演する。PG/1:58 

 

 

Parasite 半地下の家族

︎Parasite ©2019 CJ Entertainment

全く先の読めない切迫したブラック・コメディ

今年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞して以来、バンクーバーなどいくつかの国際映画祭で観客賞など受賞し、アカデミー賞では監督賞や作品賞などを受賞。監督はボン・ジュノで、主演はソン・ガンホ。失業中のキム・キテク(ガンホ)は生活に困り、よそのWifiを使いながら4人家族で質素に暮らしていた。ある日、息子のギウ(チェ・ウシク)が裕福なパク家の英語の家庭教師として雇われると、パク家に知られずに家族全員がなんとか雇われるようにと工夫する。無事に雇われてホッとしたのもつかのま、彼らは全く予期せぬ事件に巻き込まれてしまう…。裕福層と貧困層の階級に対する監督の皮肉が感じ取れる作品。コキットラム出身のカナダ人俳優チェ・ウシクも好演している。 14A/2:12 

 

 

Wonders of the Sea 3D

︎Wonders Of The Sea 3D ©2019 3D Entertainment Films

息をのむほど美しい海中の映像

フランスの海洋探検家で映画監督のジャン=ミシェル・クストー監督による、美しい自然のドキュメンタリー映画。 舞台はフィジーやバハマの透き通った海中。環境保護主義者であるクストー監督は映像を通して海の環境破壊問題に触れる。昨年BC州の学校で、課外授業やフィールドトリップとしてこの映画を生徒に観賞させた学校もあった。子供だけでなく大人も教育映画として学べる映画。ナレーションはやはり海洋保全に熱心な、元カリフォルニア知事・映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー。G/1:25 

 

 

Judy

︎Judy ©2019 LD Entertainment

『虹の彼方に』の歌声が蘇る作品

米英合作の伝記映画。監督はルパート・グールドで主演はレネー・ゼルヴィガー。1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』で一躍ハリウッドの大スターになったジュディ・ガーランドだったが、次第に薬物依存になり神経障害に苦しめられる。だが30年経った1968年、ロンドンで5週間のライブ公演が始まると、周りの心配をよそに、ガーランドは素晴らしい舞台パフォーマンスを披露する。映画は晩年の彼女の知られざる苦悩と、夫や子供たちへの深い愛を描く。『ブリジットジョーンズ』シリーズで知られる女優ゼルヴィガーが、歌と迫真の演技でオスカー主演女優賞を受賞した作品。PG/1:58 

 

 

Woodstock: 3 Days Of Peace And Music Director’s Cut

︎Woodstock: 3 Days Of Peace And Music Director’s Cut ©2019 Warner Bros. 

なつかしい60年代の野外コンサート

過去にアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した作品で、監督はマイケル・ウォドレー、編集はマーティン・スコセッシ。アメリカ・ニューヨーク州べセルで1969年8月15〜17日までの3日間開催された大規模な野外ロック・コンサート『ウッドストック・フェスティバル』。40万人におよぶ熱狂的な若者が集まった様子を記録したドキュメンタリーは、歴史物としてアメリカ国立フィルムに登録されている。新しいディレクターズ・カット版ではジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、サンタナ、ジャニス・ジョプリン、ジョー・コッカー、ジョーン・バエズなどロック殿堂入りしている大物歌手たちの貴重なライブ映像が楽しめる。PG/3:04 

 

 

The Lighthouse

︎The Lighthouse ©2019 Universal Pictures

批評家が絶賛した白黒のホラー映画

カンヌ国際映画祭の監督週間でプレミアし、国際映画批評家連盟から賞を受賞した作品。2015年の怪奇映画『ウィッチ』で数々の賞を受賞したロバート・エガー監督による新作で、主演はウィレム・デフォーとロバート・パティンソン。舞台は1890年代のニュー・イングランド。若い灯台守のエフレイム・ウィンスロウ(パティンソン)は4週間ほど離れ島に勤務する仕事を引き受ける。そこには年をとったベテラン灯台守のトーマス・ウェイク(デフォー)がいて交代で仕事を始める。だが初日、ウィンスロウは不思議な夢を見る。そして怪奇現象が次々と発生し、次第に相棒のウェイクを信じられなくなる…。自分で気がつかないうちに狂っていく恐ろしい映画。14A/1:50 

 

 

Avengers: Endgame

︎Avengers: Endgame ©2019 Walt Disney Studios

スーパーヒーローが繰り広げる物語

マーベルコミック社の『アベンジャーズ』シリーズの実写映画版で、シリーズ4作目の完結編となる。監督はアンソニーとジョーのルッソ兄弟で、ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワーズ、スカーレット・ヨハンソン、そして日本人俳優・真田広之もヤクザのボス役で登場する。敵のサノスのせいで全宇宙の人口が半分になってしまった。残されたアベンジャーズのメンバーたちは、悲しみの中再集結して再びサノスとの戦いに挑む。PG/3:02 

 

 

Ford V Ferrari

︎Ford v Ferrari ©2019 20th Century Fox

ル・マン耐久レースとフォードGT40

ジェームズ・マンゴールド監督による実話のスポーツドラマで、主演はマット・デイモンとクリスチャン・ベール。舞台は1963年。フォード・モーターはフェラーリの創業者エンツォ・フェラーリに会社買収をもちかけたが、寸前に断られてしまう。プライドを傷つけられて怒ったフォード側は、次のル・マン24時間レースで当時4連覇していたフェラーリを打ち負かそうと決意する。だが1964年の大会では開発した全車がリタイア。それでもめげずに新しい車を開発しながら次の大会へと挑む。映画は当時のフォード会社のエンジニア兼設計士だったキャロル・シェルビー(デイモン)と専属レーサーのケン・マイルズ(ベール)の視点から描く。PG/2:32 

 

 

Charlie’s Angeles

︎Charlie’s Angeles ©2019 Sony Pictures Releasing

女性トリオが活躍するアクション・コメディー

女優のエリザベス・バンクス監督・出演による『チャーリーズ・エンジェルズ』シリーズの続編。主演はクリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンズカ。プライベートな顧客のために働く、世界で腕利きのエージェントのエンジェルズたち。一人のシステム・エンジニアがテクノロジーを使って危険行為を始めると、彼女たちは人々を守るために立ち上がる。前回のエンジェルズ、ドリュー・バリモアもエグゼクティブ・プロデューサーとして製作に加わっている。撮影はドイツとトルコで行われた。美人、かっこいい、かわいい3人から目が離せない。PG/1:58 

 

 

Godzilla: King Of The Monsters

︎Godzilla: King Of The Monsters ©2019 Toho

ゴジラとモスラ、ラドン、キングギドラが集結する!

日本のキャラクター『ゴジラ』から生まれたアメリカのSF怪獣映画で、ゴジラ65周年を記念する世界最大級といわれる超大作映画。古代の神々である怪獣たちが所有する世界を描くとはりきる監督はマイケル・ドハティで、主演はカイル・チャンドラーとヴェラ・ファーミガ。日本から渡辺謙も登場する。 未確認生物を研究・調査する特務機関のモナークに所属する人間たちが、覚醒した怪獣たちと戦うストーリー。映画は本当に彼らが現れた時、私たちはどうやって立ち向かうのかと問う。PG/2:12 

 

 

Us

︎Us ©2019 Universal Pictures

自分にそっくりな分身と闘う恐怖映画

映画『ゲット・アウト』で有名なジョーダン・ピールの作品。1986年、アデレード・ウィルソン(ルピタ・ニョンゴ)一家はカリフォルニア州のサンタクルーズの浜辺に遊びにいく。ビーチハウスのミラーハウスに迷い込んだアデレードは中で自分にそっくりな少女に出会い、ショックのため失語症となる。時は経ち結婚して子供二人の母となったアデレードは普通の生活を送っていた。だが夫がサンタクルーズに遊びに行く計画を立てて、一度は反対したものの再び現地を訪れることになる。そこで彼らを待っていたのは自分たちにうり二つの4人の家族、ドッペルゲンガーだった…。大ヒットした監督の『ゲット・アウト』とペアでレンタルしたい作品。14A/1:56 

 

 

Pokemon Detective Pikachu

︎Pokemon Detective Pikachu ©2019 Toho

『名探偵ピカチュウ』の冒険

ロブ・レターマン監督によるアクション・ミステリー映画で、ハリウッド版ポケモンシリーズ実写映画の第一作目。ピカチュウの声優はカナダ人俳優ライアン・レイノルズが務め、日本人俳優・渡辺謙も刑事役として出演する。ライムシティではポケモンと人間が共有して住んでいたがある日、ハリー・グッドマンという名探偵が行方不明になる。ハリーの息子で21歳、元ポケモントレーナーのティム(ジャスティス・スミス)が、父親喪失の鍵を握るピカチュウを見つける。ピカチュウは自分のことを『探偵ピカチュウ』と話すが、実際は全くの記憶喪失だった。そして二人はポケモン界の危機に遭遇する。子供も大人も楽しめる映画。PG/1:44 

 

 

シネプレックス・ストアからの鑑賞方法

  1. デスクトップやラップトップなら(https://store.cineplex.com から直接オンラインで購入。携帯電話やタブレットはApp Storeから『Cineplex Store app』のダウンロードが必要。他はスマートTV(サムソンやLG)、スティック(Roku) から購入可能。
  2. Cineplexユーザーアカウントを作る。持っている人はサインインから始める。
  3. 予告を見たり検索しながら好きな映画を決めて、借りる(Rental)か購入(Buy)を選択する。
  4. 代金はクレジット・カードやペイパルで決済。Sceneカード(ポイントを貯めると映画がタダになる)は便利なので持っていない人は先に作り、忘れずに入力。
  5. 購入後30日間の期間内に鑑賞すること。見始めてから48時間後に消えるシステムになっている。

最近の映画の他にも過去のクラシック映画、日本の古い映画、そしてあまり映画館で観れないドキュメンタリー映画も検索してレンタルできる。 詳しくはhttps://store.cineplex.com を参照。

(文 ジェナ・パーク)

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。