2019年7月18日 第29号

 カナダで初めて開催されるカナダ、日本、アメリカを代表する大学野球チームによるトーナメント“Collegiate Baseball Classic Tournament”がいよいよ3週間後に迫った。チケットの販売も開始。各チームの気合も十分だ。

 

 

 カナダからは主催するブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)サンダーバーズ、日本からは東京大学、慶應義塾大学(慶応大学)、アメリカからはカリフォルニア州立大学サクラメント校野球部ホーネッツが参加する。

 UBCは今月8日にチケット購入サイトを開設、全10試合のチケット購入が可能となっている。各チームの選手たちもトーナメントに向けて気合十分。コメントからその様子が伝わってくる。この夏はバンクーバーで、カナダ初の日米加大学野球トーナメントで野球三昧を楽しもう。

 

“Collegiate Baseball Classic Tournament”
日程とチケット購入サイト

 開催期間は8月13日(火)から18日(日)まで、会場は2018年にリニューアルされたUBC野球グラウンドTourmaline West Stadium。両翼98.1メートルの外野まで人工芝を敷き詰めた本格的な野球グラウンド。10試合中9試合がここで行われる。

 唯一8月13日、UBC対東京大学戦のみナットベリースタジアムで開催。バンクーバーをホームとするシングルAショートシーズンに所属するプロチームで、大リーグのトロント・ブルージェイズ傘下バンクーバー・カナディアンズのホームグラウンド。昨年は横浜スタジアムで対決した両チーム。今年は「ナット」の愛称で親しまれるこのグラウンドでUBCが東大を迎え撃つ。

トーナメント日程

8月13日(火)6:30pm サクラメントvs慶応大学  
8月13日(火)7:00pm UBC vs 東京大学(会場:ナットベリースタジアム)
8月14日(水)2:30pm 慶応大学vs東京大学
8月14日(水)6:30pm サクラメント vs UBC
8月15日(木)2:30pm 東京大学 vs サクラメント
8月15日(木)6:30pm 慶応大学 vs UBC
8月17日(土)2:30pm 準決勝第1試合
8月17日(土)6:30pm 準決勝第2試合
8月18日(日)11:00am 3位決定戦
8月18日(日)3:00pm 決勝戦

会場:
UBCのTourmaline West Stadium(3055 Westbrook Mall, Vancouver, BC)
ナットベリースタジアム(4601 Ontario st. Vancouver, BC)

チケット購入・日程詳細サイト:
https://gothunderbirds.ca/baseballclassic

料金:
UBCスタジアム - 大人指定席15ドル/自由席8ドル、シニア、 UBC関係者、子供料金有り。詳細はサイト参照。
ナットベリースタジアム - ボックス席20ドル、指定席16ドル (シニア料金、グループ料金有り、ただしオンラインでの購入ができないためナットベリースタジアムに直接問い合わせを)

 

親睦会日程

 UBCと東京大学、慶応大学はそれぞれに親睦会を予定している。 同大学卒業生や野球ファンなど親睦会への参加希望者はチケット購入が可能。野球を通した交流はグラウンド内だけではなくグラウンド外でも楽しいことは間違いない。

8月13日(火)2:00pm(開場 1:30pm)UBC・東大のバーベキュー親睦会(会場:ナットベリースタジアム。同日7:00pmからの試合観戦は別途チケット購入が必要)
8月15日(木)12:00pm(開場 11:30am) UBC・慶大のランチ親睦会(会場:The Vancouver Club, 915 West Hastings St, Vancouver, B.C.)
親睦会チケット購入サイト:https://tickets.ubc.ca/supportubc/online/

 

各チームからトーナメントへの意気込みを語るコメント届く

 UBCベースボールディレクター、テリー・マッケイグ氏の協力により各チームの選手や監督からのコメントが届いている。

 昨年UBCが日本で東大、慶大と試合を行った時は練習試合的要素が強かったという。しかし今年は4チームによるトーナメント形式となりどのチームも気合十分。白熱した試合が期待される。

UBCヘッドコーチ クリス・プリチェット氏
 野球の国際試合については特別なものを感じています。サクラメント校、慶応大学、東京大学から素晴らしい選手やコーチ陣を迎え、対戦し、学ぶことができるという機会に恵まれたことはUBCの野球プログラムにとって非常に刺激になることであり、トーナメントを楽しみにしています。

UBC ノーラン・ウェイジャー内野手
 選手全員トーナメントをすごく楽しみにしています。昨年からチームを順調に築いてきた僕たちにとってトーナメントは非常に大きな機会となりそうです。今回は海外の素晴らしい野球チームと対戦できるというだけではなく、北米と日本の野球チームの交流を促進しながら、自分たちが誇るUBCやバンクーバーの町を紹介できることはとても光栄です。

サクラメント校ヘッドコーチ レジー・クリチャンセン氏
 UBC、慶応、東京大学と対戦できることは選手や同校野球プログラム、そして大学にとって非常に素晴らしい機会になると思っています。また野球を通して選手たちが異なる文化に触れること、各チームの選手やコーチ陣と新たな関係を築ける機会が持てることは楽しみであり、トーナメントへの期待感は言葉で表すことができないほどです。選手たちにとっては一生の思い出になることでしょう。遠征メンバーの8人はカナダ出身選手であり、それらの選手たちにとって家族や友人の前にプレーできる機会は特別なものになると確信しています。

サクラメント校 スティーブン・モレット内野手
 バンクーバー出身選手として今回のようなトーナメントの機会を心待ちにしていました。現在のUBC登録選手には元チームメートもいて、UBCのスポーツチームでプレーしていた家族を持つ自分としては、家族にとっても、自分自身にとってもすごく特別なトーナメントになると思っています。

慶應義塾体育会野球部監督 大久保秀昭氏
 今回の遠征は、慶應野球部にとっては実に3年ぶりの海外遠征となります。昨年ブリティッシュ・コロンビア大学の皆さまが来日された際に交流を深め、1年ぶりの再会を楽しみにしている部員も多いことでしょう。野球を通じて生まれる、国境を越えた絆はとても尊いものです。野球だけではなく、互いの文化を知り、広い視野を得ることで、選手達のさらなる成長を期待しております。このような機会をいただけることに感謝し、Keio Baseballで必ず優勝を勝ち取ります。

慶応大学 郡司裕也主将
 皆さん初めまして。慶應大学野球部主将の郡司裕也です。今回、UBCに招待して頂き、非常に光栄です。バンクーバーは自然に囲まれ、世界の中でも特に住みやすい町と聞き、非常にワクワクしています。昨年、UBCのメンバーが慶應に来て交流した時のことは鮮明に覚えています。選手の中にはグローブを交換していた者やInstagramで繋がっていた者もおり、親交を深めることが出来ました。異文化交流を楽しみにしていると共に、大会では優勝を目指して頑張りたいと思います。ぜひ、応援にいらしてください!

東京大学野球部監督 浜田一志氏
 バンクーバーの地で大学のトップチームが集い、トーナメントに参加できることを光栄に思います。昨年日本で開催されたUBCとの試合では、一敗一引き分けと勝利を得られませんでした。唯一勝てたのはピザの大食い大会だけでした。今年の我がチームは昨年より打力、投手力とも層が厚くなっており、25人の遠征メンバーを選ぶのに苦労しました。今大会では5連勝して優勝を飾りたいと意気込んでおります。試合のみならず、NCAA加盟校の練習環境や勉学との両立方法、そしてトレーニングメニューを学習し、良いところをどんどん吸収していきたいと思います。今回の学生たちの交流が10年、20年後に様々な分野で花開くことを希望します。

東京大学野球部 辻居新平主将
 東京大学野球部主将の辻居新平です。この度はこのような素晴らしい機会に恵まれて大変嬉しい限りです。このカナダ遠征をより我が部にとって実りあるものにするためにも、まずはこのトーナメントで優勝出来るようにベストを尽くしたいと思います。そしてブリティッシュ・コロンビア大学をはじめ様々な大学と野球に限ることなく積極的にコミュニケーションをとり交流を深めるとともに、カナダの文化についても今まで以上に理解を深めていきたいと思います。よろしくお願いします!

UBC慶大東大親睦会主催者、UBCアメフト部OB ピーター・エスピグ氏
 今回の大学野球クラシックトーナメントに関われることができ、とても光栄です。UBCの1986年全国アメフト大会優勝チームのメンバーとしてだけでなく、日本に20年以上在住した者として大会をサポートできることを嬉しく思います。息子が今春慶應大学経済学部を卒業しました。大学生の本業は勉強ですが、異文化の理解を深めることも重要であり、スポーツが文化間の架け橋の役目となることは素晴らしいことです。今大会は私の母校の優勝という期待以上に、選手やコーチにとって新しい友人を作り、カナダを満喫できる価値のあるものになることを期待しています。そして全力で野球を楽しんでください。

(取材 三島直美)

 

主要トーナメント会場となるUBC Tourmaline West Stadium。Photo courtesy of UBC baseball

 

UBC対東京大学の試合前に選手と学校関係者で。前列中央に東京大学五神総長、その左がUBC小野学長。横浜スタジアムで。Photo courtesy of Satoshi Aoki of Life14 Photography

 

UBC対慶応大学の試合の前に両校選手と学校関係者で。慶大長谷山彰塾長(2列目右から6番目)、UBC小野学長(2列目左から6番目)、UBC野球部ディレクター・マッケイグ氏(2列目左から5番目)。Photo courtesy of UBC baseball

 

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